「さっさっきっ!さっさっきっ!」佐々木、イン、マイマイン Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
さっさっきっ!さっさっきっ!
予告で気になって観賞
主演の藤原季節は「his」での演技が印象的で
それで今作も期待している部分がありました
感想としては
・誰しにも触れるところがある青春のシーン
・極力セリフに起こさない映画らしさ
・印象的な劇伴
・細田岳の親近感わくピュアな演技
・藤原季節のエモーショナルな泣き演技
ミニシアターでやってそうな作品ながら
色々な部分で印象的な良作でした
上京して役者を目指すが芽が出ず腐りかけ
同棲相手ともうまくいっていない悠二
ある日偶然出会った高校時代の友人多田と会い
楽しかった高校時代に一緒だった佐々木を
思い出しつつうまくいっていない現在に
余計滅入ってしまいます
その後後輩の役者が是非と薦めてきた台本には
「過去の思い出にすがり前に進めない男を諭す」
役を目の前にし悠二は再び佐々木を思い出す事になります
佐々木は高校時代の人気者で煽てると
すぐ服を脱ぎだすひょうきん者
親があまり帰ってこないことで佐々木の家に
皆で溜まってマンガを読んだり遊んだりしており
そもそも役者になったのも佐々木に言われてだったのです
そんな佐々木は高校時代に親が亡くなり
天涯孤独になってしまいますが悠二は
努めて明るくふるまう佐々木にかける声がなく
5年後くらいに会うとパチプロになっていたり
しましたが10年後のある日突然佐々木が亡くなった
という知らせを受けます
佐々木は自宅で癌のため変わらない姿で眠るように死んでいましたが
その時故郷に帰った悠二は遊び仲間の木村が高校時代好きだった
一ノ瀬と所帯を持っていたり自分の周囲で進んでいた時間に
気がつき木村の子供を抱きながら涙が止まらなくなってしまいます
自分が役者を目指したのは佐々木に言われたからか?
そうだと思っていたが先に進むのを止めていたのは自分だった事に
気が付いた悠二は同棲相手のユキに今まで言えなかった感謝を告げ
佐々木の葬儀を盛大に送り出してやるとそこで「何か」が起こります
藤原季節の涙を誘う演技はやはり冴えているなと思ったし
細田岳の天真爛漫な佐々木の演じ方もピッタリでした
年齢のいった俳優に高校の制服を着せる事については
無理があるだろうという意見もよくありますが
時を経ても変わっていなかった佐々木と悠二を
表現するにあたってはむしろこの方が良かったように
感じます
偉そうなことを言うとお前がそんな事を
言える人間かと責められる昨今
でも人を動かすのはただただなんとなく
出てきた言葉だったりする感じ思い出せる映画でした
大作に隠れがちかもしれませんがオチは今年観た
映画でも屈指の良さがあったしオススメしたい作品です