「こんな映画で安楽死議論は絶対不可能」ドクター・デスの遺産 BLACK FILE Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
こんな映画で安楽死議論は絶対不可能
予告で何度か見て面白そうかなーと思い観賞
丁度最近安楽死事件実際にありましたし
中々タイムリーだということで観に行く方も
多いんじゃないかと思います
連続不審死事件を追う警視庁No.1刑事コンビが
目の当たりにする思わぬ事件の真相と
問われる生死の倫理…!
…らしいのですが
感想としては
・今 年 度 ワ ー ス ト 級
・完全に地上波の刑事ドラマのオープニング
・刑事ドラマの1エピソードで終わる内容
・無理矢理な痛いキャラ付けが常に空回り
・安楽死議論以前に色々がおかしい世界
・スマホ機能もろくに使えない警視庁No.1コンビ(笑)
・要らないシーンだらけ
・引き伸ばし演技
・すぐバテる
もう挙げだしたらキリが無いくらいひどかった
子供の父親が殺されたという通報から
警視庁No.1刑事コンビがわざわざ現場へ向かうと
父親は火葬されかけており通報した子供から
いつもの在宅医療の医師と違う男が去った後父が死んだと聞き
犬養刑事はその母親の制止を振り切り棺ごと鑑識へ持っていきます
たったこれだけのシーンでもなぜか走り出す子供を追いかけて転ぶとか
火葬される寸前の棺をいきなり取り出すとかムダにムダを重ねたシーンが
続いた後にどっからどう見てもドラマのにしかみえないショボいOPが入るなど
冒頭から頭痛がしてくる展開です
解剖の結果被害者は肺がんで寝たきり
家族の介護負担もかさんでおり安楽死させるための注射を打たれ
解剖しなければ皆心不全と診断されるものだったと判明します
そのような死亡例が他にも何例かあり話を聞くと
闇サイトで安楽死を提供してくれる「ドクター・デス」という
存在に依頼し安楽死させたとのことで被害者の家族は皆
感謝しており詳細を語ろうとしません
ち ょ っ と 待 て
って事は被害者の家族達は安楽死させることを
わかった上で申し込んでそれをドクターデスにさせたわけですから
完全に「殺人幇助」になりますよね
でもこの警視庁No.1コンビとやらはそこには全く触れません
職務放棄してんじゃねーよ
あとその闇サイトのサイバー犯罪捜査も何もしません
しろよ
一番違和感を感じたのはそれらの事件は
自殺とでも処理されていると思ってましたが
死ぬことを美化するようなビデオを皆残しています
後のことがどうこうとか遺書っぽくもありません
捜査パートも現場を歩き回ってどうこうより
こういう場合の捜査は推理はとやたら「経験則」による
行動ばかりしていき「科○研の女」でやれよと呆れます
ひどいのは似顔絵を他人に描かせてそれがバラバラだからと
ウソをついていないところを描いた人に事情聴取し
ウソを見抜いて自分が描くと書き直していくところ
どんだけ回りくどくして尺稼いでるんだと
だったら最初からお前が描かんかい
でまたこの合間に焼き鳥屋で刑事コンビが
私たちの仕事は被害者に寄り添ってどうこうだとか
ボンボチが食べたかったとかどうでもいい会話する
シーンをしつこく入れます
全体的に刑事ドラマのレギュラーかってくらい
キャラ付けを強調してくるんですが
別にストーリーに絡んでくるほどの重要性は
なく空回りしぱなしでここもいちいち
イライラします
こんなんばっかで結局犯人は医師と看護師の二人連れと
突き止めますが医師は雇われのホームレス
看護師が「ドクター・デス 」の正体とわかります
その看護師は死を美化する快楽殺人者だったのです
その行動を全否定する犬養の臓器移植待ちの娘を
ターゲットにした復讐劇に変わっていきます
後半に向かってこのやっすい快楽殺人者が正体と
わかりどんどん話がショボくなっていきます
もう安楽死の是非とかどうでもいいんですね
ダメ映画によくある
「てめーで掲げたテーマを全然理解できてない」と言うやつ
ドラマっぽいチープな演技演出といいどんなスケールの話を
やりたかったのかサッパリわからん映画でした
モデルになった実在の殺人犯もさすがに迷惑でしょう
カネ払ってみる映画じゃないです
配信でも見なくていいです