劇場公開日 2021年8月6日

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「ブライアンは生きている」ワイルド・スピード ジェットブレイク 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ブライアンは生きている

2021年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1作目公開された時に、シリーズがこんな方向に成長するとは全く考えてもみなかった。オートバイに乗っていたレティシアが空中に投げ出されて、それをドムが運転する車のボンネットで受け止める。それが「ナイスキャッチ」みたいな雰囲気で演出されている。ボンネットで受け止めたら重傷だろう普通は。シリーズ初期と比べると、リアリティラインが完全に別の作品になっている。アニメの、2階からおちても地面に人型の穴ができるみたいな感じのリアリティになっている。挙句の果てに、ボロの改造車で大気圏突破である。同じ世界観ならそういうリアリティラインは揃えるのが基本なのだが、なぜかこのシリーズはそこが揃ってないのに許せる雰囲気がある。でも、それがいい。
しかし、どれだけ強引にスケールアップしていても、ファミリーを巡る物語という基本が外れなていない。仲間と食卓を囲むことが一番大切だというのが本シリーズが一貫して描き続けてきたことであるが、あのファミリーの絆のあり方はやはり魅力的だ。特に、今回はブライアンが生きていることを強くにおわせる展開もあり、余計にその絆の強さを強く感じさせるものになっていた。
人間関係資本、ソーシャル・キャピタルの豊かさがこの映画にはある。これはとても生きる上で大事なことなのだ。

杉本穂高