「車の可能性をひたすら探求し続けた本シリーズ。いよいよ終演に向けてジェット級の加速を始めた。」ワイルド・スピード ジェットブレイク 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)
車の可能性をひたすら探求し続けた本シリーズ。いよいよ終演に向けてジェット級の加速を始めた。
本作はドミニクの父親のサーキット場から始まります。助手をするドミニクと弟のジェイコブ。
そこでの「出来事」を契機にドミニクとジェイコブとの間に確執が生まれ、現代に戻ると、ジェイコブは「敵」として現れます。
さらには、前作「ワイルド・スピード ICE BREAK」から、シャーリーズ・セロン扮する悪役で“サイバー攻撃を仕掛ける頭脳派”サイファーが登場し、前作で見せたようなハイテクノロジーの世界との対決に発展していきます。
そして、それらに対抗すべく第3作目「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」の主人公を含む、凄いジェットエンジンを作っている“車いじりの好きな3人組”が再登場し、ジェット級の車の加速の可能性を探求します。
同じく第3作目から登場し、東京の事故で亡くなったと思われたハンが再登場し、日本人キャストのエル(アンナ・サワイ)も「ファミリー」に入ります。
本作はシリーズ第3作目~第6作目を手掛けたジャスティン・リン監督が復帰した作品で、新たなメンバーと再登場メンバーが集結し、最終章へと加速を始めます!
本作では「アイエス」という、世界を掌握できるデジタル装置をめぐっての戦いで、衛星を使う武器のため宇宙という「新たな舞台」にまで突入します。
本物のカーアクションにこだわり続ける本作の良さが全開で、本作を含めたシリーズ9作品で1万2000台以上の車を使用し、そのうち約2500台も破壊したのですが、実は、その約2500台は、本作1本だけで500台以上もの車が破壊されているのです!
超強力磁石を使ったカーアクションも斬新で面白く、さらには(4カ月かけて作り上げた)「巨大装甲車」アルマジロとの戦いの際は、数えきれない車が容赦なく破壊されていきます。
極めつけの、戦闘機を使って追い詰めるサイファーは「シリーズ最強の敵」なのかもしれません。
もはやどんな作品でも追いつけない最上級の領域にまで達したカーアクション。この伝説的な作品は、本シリーズでは残すところ次の最終章(前後編)のみ。
本作の誰も見たことがない「車の限界アクション」は大スクリーンでこそ堪能できると思います。