「もともと原田マハさんの原作小説が気になっていたのですが、これは映画...」キネマの神様 メルさんの映画レビュー(感想・評価)
もともと原田マハさんの原作小説が気になっていたのですが、これは映画...
もともと原田マハさんの原作小説が気になっていたのですが、これは映画が題材のお話だから映画の方から観るのもアリかな〜と思い先に映画を鑑賞。なので原作は未読です。
まず、全体的なストーリーはまとまりがない気がしました。どこが?と聞かれるとうまく答えられないのだけど、なんとなくまとまりがないんです。
あと、コロナが出てくるのはがっかりでした。取ってつけたような絡め方も好きじゃないし、そもそも映画にコロナ禍の描写が入ってくるのが個人的に好きじゃなくて。もちろん、コロナを題材にしたものとかだったらいいんですけど、普通の映画ぐらいコロナのこと忘れさせてよ、、と思ってしまいます。特に今作はコロナの描写がなくても十分に描ける内容だし、むしろちょっと浮いてる。
じゃあなんで高評価をつけているのかというと、過去パートが良すぎたからです。本当に、雰囲気が素敵すぎた。
もちろん、もうちょっと撮影所の空気感とかじっくり入れ込まれてる方が面白いんじゃないかな?とかいろいろあるにはあるのだけれど、そんなことどうでもいいぐらいに、素敵なんです。
菅田将暉、野田洋次郎、永野芽郁、北川景子。この4人の醸し出すレトロな空気感がもう最高に良くて、ストーリーの起伏は大きくなくても、ずっと観ていたい...!となりました。むしろ現代パートなしで、若い頃の彼らをもっとじっくり見せてくれても良かったんじゃないか!!というくらい。
それに加えて、エンドロールで流れるうたかた歌がまた最高なんです。ゴウちゃん(菅田将暉)の声で「一度も眼を見て言えたことないけど 僕の何分の一でも君は幸せでいたのかい」なんて歌うんです。たぶんエンドロールでいちばん泣きました。
過去パート目当てだけでも十分に観る価値はあると思います。たぶんそろそろ劇場での上映は終わっちゃうんだけど。間に合う方は是非!