劇場公開日 2020年6月20日

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「わたしの世界の崩壊と再生の物語」はちどり(2018) h.h.atsuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0わたしの世界の崩壊と再生の物語

2020年7月30日
iPhoneアプリから投稿

とても印象に残る作品だったにもかかわらず、自分自身の気持ちが整理できていなかったので、ふたたび映画館に足を運ぶことに。

二度目も感慨深く、静かにしかし強く心を動かされる作品だった。今回は多少、自分のなかで整理ができたと思う。

作品全体が中学2年生という多感な時期の少女ウニの目線で描かれている。昔のことでとうに忘れていたが、「男の子」だった自分にも同じような頃があった気がする。人生の絶頂を味わったかと思えば、次の日は人生のドン底に叩き落される。まるで世界の終わりかのように。

そんな子ども以上、大人未満の時代をいつの間にか忘れて日々の忙しさにかまけている。
いや、決して忘れてはいない。忘れようと、ただ意識の片隅に置いていただけ。

ウニにとってのそんな時期のひとつの終わりをソンス大橋の崩落事故とその一連の悲劇にシンクロさせている。

もうひとつこの作品で印象的なのは、女性のこの国での息苦しさ。
ウニや姉スヒ、母、そしてヨンジ。
それぞれが生きてきた世代や置かれている環境は異なるも、男尊女卑の家庭や社会に対する閉塞感に直面している。だが、世代が違うものの、それぞれが互いの価値観や苦しみに共感するシーンにどこか安堵させられる。

所々での窓辺と風の音、セリフのない長い静寂のなかでのウニやヨンジ、母のおだやかな表情がとても印象に残る作品。

atsushi
atsushiさんのコメント
2020年7月30日

bloodtrailさん
全く同感です!!

atsushi
bloodtrailさんのコメント
2020年7月30日

h.h.atsuさんへ
初韓国映画は、ほんの2,3年前だったと思うんですが、以来、結構な数の韓国映画を見てます。面白い!って言う映画はたくさんありましたけど、「もう一回見よう!」と思った映画は、これが3本目ですw

bloodtrail