劇場公開日 2020年6月20日

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「少女の成長」はちどり(2018) オクやんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5少女の成長

2020年7月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1994年の韓国を舞台にした、ある一家の物語である。主人公は純真無垢でありながら、繊細な心を持つ中学生。
まず、観て感じた事は当時の韓国の家父長制度を如実に表してる所である。何故か子供たちは父親に敬語を使う。父の存在は絶対的である。次に兄が妹に否応なく暴力を振るう。当時の韓国は男尊女卑が当たり前の時代だったことがうかがえる。
作中、家族や友人との対人関係に悩んでいた主人公の心を開いたのは、付き合ってた彼氏や親友、後輩ではなく、顔見知りの人の数を質問すると同時にその中で心まで知っている人は何人かと問い直した女子大生。その命題が主人公の心に突き刺さったんだと思う。
ラストシーンの1人孤独に見えながらも微笑む主人公に、やっと自分の居場所を見つけた安堵感を感じずにはいられなかった。

オクやん