劇場公開日 2021年4月9日

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「【終(つい)は終ではないこと、移ろうこと、しかし、記憶には残ること】」椿の庭 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【終(つい)は終ではないこと、移ろうこと、しかし、記憶には残ること】

2021年4月12日
iPhoneアプリから投稿

終(つい=人の生涯の終焉)は終ではない。

この作品は、人の生涯を、椿も咲く庭の季節の移ろいにたとえているようだ。

人生の終焉や、家を手放すことは、なにも、それが全ての終わりを意味するのではない。

絹子は、自分が去っても、陶子や渚に受け継がれるものがあると信じていたのだと思う。

だから、悲しみは自分が抱えて逝こうと思ったのではないのか。

何かが次に手渡される。

渚は、渚の母親の気持ちを受け継いでいたではないか。

そして、絹子の気持ちは受け継がれる。

これは、絹子の存在したという記憶より、たとえカタチは変わっても、もっともっと永く留められる記憶なのかもしれない。

葉山の古い庭のある家での撮影だったようだ。

開発され変わる風景。
批判をする気持ちも分かるが、受け入れ、そして、生きていく人たち。

これは、ここに生きた人たちだけの日常ではないはずだ。

僕達の誰しもが通り過ぎる日常のように思う。

僕は胸に迫るものがあった。

日常のなかの無常。

監督は、日常のなかの無常を撮りたかっと言っていた。

僕達の日常も常に移ろっているのだ。

※ 行間のような沈黙も素晴らしく感じます。

ワンコ
しろくろぱんださんのコメント
2021年4月14日

はじめまして。
たくさんの共感ありがとうございます。
ワンコさんのレビューは意味深いところまで書かれているので参考にさせて頂いています。

しろくろぱんだ
こころさんのコメント
2021年4月13日

ワンコさん
そうですね。息を潜めて見入っていました。その空間に自身が居るような、不思議な感覚でした。

こころ
こころさんのコメント
2021年4月12日

ワンコさん
素敵なレビューですね。
じんわりと心に沁みる作品でした。

こころ