「こんな母親でも僕は愛している」MOTHER マザー たかやさんの映画レビュー(感想・評価)
こんな母親でも僕は愛している
「誰もボクを見ていない: なぜ17歳の少年は、祖父母を殺害したのか 」
が原作となり、それを実写映画化した本作品
本作の主人公である、秋子(長澤まさみ)は、実子に対して、
ネグレクトをしさらには自分の親(祖父母)を殺すようにと頼む、畜生な人間と
そんな親に対しても、変わらず愛してあげた息子(奥平大兼)の
親子とは一体何なのか?というのを問いかける作品
どんなにひどい事をされても、結局この人にとっては自分(息子)は必要な存在で、
自分(息子)にとっても、母親(毒親)は必要な存在となっている、一種の共依存関係が
息子の自立を阻害してしまった
そんなズブズブな関係を周りの大人たちは見て見ぬふりをして、自体は最悪の結末を迎えてしまう
この作品は、一つの歪な親子関係を表現しているだけでなく、それを止めることができない
周りの大人たちの対応の悪さも顕著に表されている
例えば、
祖父母たちは、娘(秋子)の浪費癖をに呆れ、孫(息子)共々、縁を切ることになってしまった
市役所職員たちは、アパートを貸してあげるだけで、秋子に怒鳴られただけで、すぐに退散してしまう
職場の上司は、秋子に言い寄られただけで窃盗の罪を許してしまう
このように、周りの大人たちが彼(息子)のことを全く見ようとせず、彼から遠ざかることで
より親(秋子)への依存度をましてしまうという、負のスパイラルが生まれてしまう
この作品の一番に伝えたいことは、
こんな親でも、結局自分の心に空いた穴を埋めてくれる存在は、この人しかいないという
最悪な現実をどうにかして変えることができなかったのか?
どのようにすれば、変えることができたのか?
そのような存在に、息子さんが出会えれば、きっと‥
最後に、
この作品は、親子の美しさというものを表現していない
あくまでも、秋子は都合の良い相手を探していただけであるから
秋子は、パラサイト(寄生虫)である