ソニア ナチスの女スパイのレビュー・感想・評価
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女優だからこそ
スパイ映画って結構ハラハラするものなんだけど最近は立て続けにこういった作品が公開されて見慣れてしまったのかあまりハラハラする展開はなかったのが少し残念。
女性もののスパイは比較的恋愛描写とあわせて展開していく事が多いがこの作品もまさにそう。
その辺りに目新しさはないものの特別つまらない事もなく良い意味で安心して見る事はできる。
欠点はまぁ緊張感の薄さかな。実話を大切にという事で変に手を加えていないらしくそれは良い事だが映画作品としては少し物足りなさはあった。
終盤はソニアが果敢な行動を取るようになり、友達の写真家が殺されたあたりで盛り上がってくるかなぁと思いきやその後もあまりハラハラするような展開はなく、恋人が逃げるシーンもあっさりしていたのが残念。
この作品に限らずだがスパイというのは本当に過酷な仕事。一生懸命働けば働く程溝に嵌り、周囲からは更なるプレッシャーをかけられ時として脅されるわけだからね。
この作品でもあったように兄弟やら恋人やらが敵だったり裏切られるかもなんていう存在も日常茶飯事で自分だったらなんて妄想しながら見ると頭おかしくなりそうだ。
ソニアに関しては女優だからこそなにかその辺りの相手をそして自分をコントロールできプラスに働いたのであろう。
なかなか触れることのないノルウェー映画に触れられるという意味ではいい時間を過ごす事はできた。
【スウェーデンが、ナチスの占領を免れた理由とノルウェー女優、ソニアが身の危険を顧みず、二重スパイになった相関性を考える。】
-北欧四ヶ国の中でスウェーデンのみが、終戦まで中立を保てた理由は、現在でも確たる理由は明らかにはなっていない・・-
-だが、ソニアが二重スパイになった理由の背景は劇中、色々なシチュエーションで描かれる。-
■印象的なシーン
・拘束されていた元レジスタンスの父が解放されるシーン。彼女は車内で笑顔も見せず父の衰えた姿を哀しげな瞳で見つめる。
-父のためにスウェーデンのスパイ活動に協力し始めたが、徐々に深く関わってしまった(ドイツのスパイにもなっていた。)彼女は素直な気持ちでは、もう父に会えなかったのだろう・・。辛いだろう・・。-
・彼女が密かに、多数の死体写真を見つけ、見つめるシーン。
-私のやっている事は・・・-
・アンドルとの関係性が明らかになるシーン。
-恋人なのに、情報をリークしていた国が違い・・。あの海岸近くの小屋での彼女の行為は最後のアンドルへの思いなのであろう。-
〈北欧の小国、スウェーデンが選択したナチスの占領を避けるための生き残る道。一人のノルウェー出身の女優が、その選択肢に翻弄されつつ、父のため、愛する隣国、恋人のために身の危険を顧みず戦った実話ベースの物語。〉
スパイ天国スウェーデン
ナチス占領下のノルウェーで女優として活躍していたソニア・ヴィーゲットが、スウェーデン諜報部のスパイとしてナチスに潜入した話。
プロパガンダに使用しようとナチスの国家弁務官に目をつけられていた主人公が、同時に、語学力と人脈と他人を演じる才能に目をつけたスウェーデン諜報部によってスパイとして勧誘されて始まっていくストーリー。
父親を釈放させる為、スウェーデン諜報部の助言を得てスパイとして活動し始めて。
マリアの正体を突き止める任務ねぇ。
スリルゼロとは言わないけれど、国家弁務官に近付くだけなのね…それにしてもなんか邦題変じゃない!?と思いながらみていたら、なるほどやっぱりそう来たか。
そこからの展開はスリリングさも増すし、色々絡んで来るしで面白かったけど、えっ?自分から?確かにその人は扱ってる情報ショボいしね。
作中でも語られていたけど、活躍がネタ的にも行動的にも、小さ過ぎて盛り上がらず。
つまらなくはないけれど、まあ、こういう人がいて、75年間こんな扱いされてきたけれど、こんな事実がありましたというだけですね。
ハーレクインロマンス映画第二弾?
裏でスパイ行為を行っていた女性の実話といえば、日本では『ジョーンの秘密』が公開されたばかり。それとは舞台や時代背景が若干違うものの、2人の男性との禁断の三角関係に転換していくという構成まで同じなあたり、やっぱりハーレクイン小説っぽくて笑った。
ただ、ヒロインのソニアが惚れる男性2人が共にメガネ男子なため、序盤は見分けが付きにくかったり、ナチスに情報を流すスパイの正体を探るという展開もスリル度が薄く、いざ明かされても何の意外性もなかったのが痛い。『裏切りのサーカス』未満、『ラスト、コーション』足らずといった印象。
『ジョーンの秘密』の三角関係も取って付けた感があったけど、こちらも蛇足感を感じた。でもそうした味付けをしないと観客は足を運ばないのかなぁ…
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