「貫きたい想いがある」ソニア ナチスの女スパイ つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
貫きたい想いがある
他の作品のレビューで、戦争は強制的に選択を迫るものと書いたすぐ後くらいに観たので、似たようなことを作中で言っていたとき、なんだかちょっとタイムリーだなと感じた。
そして本作もそのような内容だったかなと思う。
選びたくない二択を迫られる。本当に選びたいものを選べない。選びたくないのに選ばさらるを得ない。
つまり自由がないのだ。自由とは自分の意思で選ぶこと。それがない。
それでもギリギリ、たった1つだけ、どうしても譲れなかった「想い」を貫いた報われぬ女優ソニア。
作中では「今更」と言うが、どんなに遅くとも、間に合っていなくとも今更なんてことはないんじゃないか。
第二次世界大戦中のことが2000年代前後になってようやく明るみに出るようになった。もう機密ではなくなったからだ。
それに伴い知られざる秘密として様々な映画が作られるようになった。本作もそんな一本である。
ある意味で、戦後の精算がやっと終わるところにきているのかもしれない。
やはり、今更なんてないんだ。
前半はちょっと退屈かもという感じだったが、関係が複雑化してくる後半は中々サスペンスフルで面白かった。
中立を保ち直接戦争しているわけではないスウェーデンが舞台というのも観る機会が少なく目新しくて良かった。
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