「称賛は期待しない」ソニア ナチスの女スパイ MARさんの映画レビュー(感想・評価)
称賛は期待しない
ナチス支配下のノルウェーにて、人気女優のソニアがスウェーデン諜報部の目に留まり、ナチスへのスパイ行為を依頼される物語。
父親と弟がレジスタンス
夫は粗売国奴
自身も女優としてのステップアップの為とは言え、ナチスの商売にある意味加担
そんな複雑な状況の中、次に侵攻される恐れのあるスウェーデン諜報部のアクレルからナチスへのスパイ行為を依頼される。
捕らえられた父親を救う為に、仕方なく取引に乗ったソニアだったが…
中立国のスウェーデンは各国のスパイがイッパイ!!
国家弁務官をはじめ、映画監督の夫、小男爵、そして恋してしまったイケメン外交官、さらにはカメラ小僧まで、出てくる登場人物皆なんとな~く怪しい雰囲気。この中に、鍵となる「マリア」が!?
映画全体としては、これといった派手な展開はなく、地味な印象も。
しかし、ミステリー要素のある映画は好きだし、ありがちとはいえ蝙蝠な展開も緊張感があって良し。
最後の最後、アクレルとの会話シーンはグッと胸が締め付けられる思いに。
たとえ一国の自由を守ったとしても…まぁそうですね。
ここだけ語り口が少し優しく(悲しく?)なるのが凄く切なかった。
また、スウェーデンが中立国というのは知っていたけど、その中でもこんなスパイ合戦が行われていたことに驚いた。
よくよく考えりゃ、隣のノルウェーが侵略されている中で知らん顔はできませんもんね。
何よりソニアも、その後大変な人生を送ったのでしょう。
元から売国奴呼ばわりされていた部分もあってからの、このスパイ劇だったので。。
スパイとして白日の下に晒され、しかし女優としての日の目を見ず…何とも皮肉で悲しい物語だった。
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