「教訓にして後世に遺すための映像化にも思える作品」事故物件 恐い間取り 神社エールさんの映画レビュー(感想・評価)
教訓にして後世に遺すための映像化にも思える作品
中田秀夫監督の作品は『リング』、『リング2』、『仄暗い水の底から』観賞済。原作は未読。
”事故物件”って言うセンシティブな内容だけどセンシティブなことだからこそ面白がりで映像化させたわけじゃなく、心理的瑕疵物件として我関せずだったり捨て置くままにせず昔の人が教えや教訓として怪談を伝えたように、事故物件になった事件を教訓にして後世に遺すための映像化にも感じる意義のある作品だと思った。
もちろん映画化に際して幽霊を一度も見たことがないタニシさんに対してヤマメは幽霊を見るようになっていったり、自分達のライブを見に来たファンの子と交流を経て交際に発展したり、アミューズメントに近い霊現象が出たりと原作とは(おそらく)違う箇所もあるけれど、個人的には山野ヤマメの物語として怖さもありつつ全体的には楽しい(怖さを引きずらない)印象を持つ作品になってて良かった。
原作者の松原タニシさんを怪談界隈で事故物件住みます芸人として語ってるところから知った人間なので、亀梨和也さん演じる山野ヤマメの魅力的なキャラクターもありつつ松原タニシさんをリスペクトして生み出したのがヤマメの一挙手一投足からも解る再現度の高い演技だったし、個人的には事故物件住みだしてから婦人服ばかり着るようになったっていうエピソードをヤマメが住んだ翌日からフェードインするように婦人服っぽい服に着替えさせて再現していたのは制作スタッフの原作の読み込み、解釈の上手さに感心した。
そんなタニシさんを知っているからこそ楽しめる部分が自分が気付いたところ以外にもある構成が何度観ても楽しめるリピートしたくなる魅力にもなってたと思う。
個人的には自分の地元の事故物件にも一時期住んでたってのは今まで知らなかった情報だったので(もちろん興味本位で行く気はないけれど)興味深かったな…。
