「もとはTVドキュメンタリー」花のあとさき ムツばあさんの歩いた道 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
もとはTVドキュメンタリー
平成13年に初めてムツさんに焦点を当てたドキュメンタリーを撮り、その後も思い出したかのように埼玉県秩父市吉田太田部楢尾を訪れた百崎監督。監督の名前も桃咲満春と漢字を変えれば見事にこの情景にフィットしてしまう。
養蚕と炭焼きがこの集落の主な収入源だったが、後継者は都会へと移住し、残されたのはわずか9人、平均年齢73歳。数年ごと取材するたびに人数が減っていく様子もリアルで哀しい。
生活する人々はみな素朴で優しい。花を植えて山に返すことを生きがいとするようになったナツさん。毎日歩いたり、屋根に登ったりで元気な様子。そのほかにも住民の方が描かれていて、自然の中での生活の苦労も見えてくる。鹿、ウサギ、イタチなどの動物、それにツバメも巣作りにやってくる。
たまにやってくる彼らの子どもたちや、獅子舞などの祭り、お盆など・・・特に桜と桃の花のイメージが残りますが、春と秋の景色の美しさもみな住民たちのおかげ。とにかく優しい気持ちになれる作品でした。
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