あの頃。のレビュー・感想・評価
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あほみたいな仲間たちと
いい仲間たち、大人になってからの第二の青春、小さな事件が巻き起こったり、馬鹿やったり。あの頃が一番楽しかったって懐古するのではなくて、日々いまが一番楽しいを更新していく。
前半コメディで後半急にしんみりな展開来てびっくりしたけど暗くなりすぎることもなく、笑いもちりばめられていた。コズミンはあの頃の曲を聴いて最期を迎えたんだなと最後にわかる演出とそのままエンドロールのがかなり涙を誘った。コズミンは決して良い奴ではなかったけど憎めないキャラだな、そしてコズミン演じる仲野大賀が適役だった。
ストーカーがつけた変なあだ名とコズミンとアールのあほみたいな本気の言い合いシーンがツボだった。
とても良かったです。
若い頃に観たら、良さは半分しか分からなかったかもしれない。エモい。涙が出てしまった。
心底アホな内輪ノリ、しょうもない揉め事満載のオタクたち。しかし大好きなアイドルでつながっている仲間たちとの日々はかけがえのないもので、永遠に続かないからこそ、振り返った時によりいっそうキラキラ輝いて見える。
完全に気を抜いて、生ぬるーく鑑賞していたのに、それは突然訪れる。仲野太賀演じるちょっとクセ強めのコズミンに、「嘘でしょ…」「頼む、冗談だと言ってくれ」「いつまでもそのまま、ずっとずっと面倒くさい奴でいてくれよ…!」と願わずにはいられなくなる。
病気が分かってからも、淡々と、かなり抑えて演出しているところが非常に好感度高かったです。悲劇的な音楽も流れないし、ドラマチックな効果音も無いけど、だからこそ余計にリアルで残酷。よく聞いていると、病気が判明する前に低いベースのリズムとシンバルの音がずーっと鳴っていて、ちゃんと引っかかるように(印象に残るように)なっている気がする。
最後の方、ベッドで看護師さんにイヤフォンを付け直してもらった後も、何か言ってますね。看護師さんにありがとうと言ったのか、皆んなといつも歌った曲を口ずさんでいるのか…
いい歳した大人が騒がしいのって、側で見てるとイタいのかもしれないけど、今生きてること。今が一番楽しいと思えること。それがどれだけ眩しいかを知ってる大人の視線が全体を通して感じられるので、決してイタい映画にはなってない。人生短いんだ。いつも楽しい!って感じていたい。そう思わせてくれる作品だった。
あと、松坂桃李の衣装が絶妙に計算され尽くしていた。ちゃんとダサいんだが、バランス良くてお洒落で小綺麗。自分が思っていたより最近の映画だったので納得。(そして真っ白いブリーフがあんなに似合う俳優が果たして他に居るだろうか笑)
どうでもいいが松坂桃李と山中崇が一緒に仕事してると、タイミング的にどうしても「V IV A NT」が頭をよぎるなぁ。
いいなぁ
ハロープロジェクトのアイドルの追っかけとしての道を進む中で色んな人達出会う。
どの人達も癖のあるにキャラクターで役者それぞれの演技と共に自然と笑ってしまった。
多くの出会いや別れを繰り返して、成長して、大人になっていく。
そんな中で出会った中学生みたいな友達。
毎日自分の好きな事と向き合って、バカをやってそれがいい。
それでも時間は、止まってくれないから
何かの歯車になっていかないいけない。
良かったあの頃がある。
前半から後半にかけて物語がどんどんまとまっていく所にどんどん引き込まれてもう少し観たいなと思いました。
なんか、今が楽しくないとかこの先に何か期待してるとかそんな事を忘れてバカになりたいなと感じた。
とても好きな映画の一つになりました
この「あの頃」を知らないと、つらいかも。
原作は未読。和製スタンドバイミーのような
映画かなと思っていましたが、違いましたね。
ハロプロにも松浦亜弥にも興味がなかった
という人には、あまり刺さらない作品のような気がします。
劔樹人さんの自伝的コミックがベースだそうですが、
主役は、途中からコズミン。
なんとなく中途半端な印象を受けました。
原作はどうなのか分かりませんが、嫌な友達ですよね、
みんなお互いに。彼女を奪おうとしたり、録音して晒したり、
それでも一緒にいる、という話の展開が共感できませんでした。
ヲタの数だけ人生がある。
開始10分、主人公はひょんなことから松浦亜弥のシングルMクリップ集を見てなぜか涙してしまう。
ここで全て決まったと思った。この感覚がわかるかどうかで非常に賛否が別れる所だと思う。
タモリ倶楽部のハロプロ回で言及されていたが「アイドルは人の弱味につけこんでくる」。
以降の彼は坂道を転がり落ちるように(?)アイドル道を楽しんでいく。
しかしアイドルは偶像。事あるごとに現実が顔を見せる。彼は存在する虚構と現実の間で揺れ動く。
悩み苦しみまではしないが、享楽の最中にいながらなんとなく現実の不安が意識の中に頭をもたげてくるのはリアルだ。
ハロプロアイドルは新陳代謝を繰り返して半永久的に続くので、ずっと虚構に浸っていることはできる。
しかし上京して現実が動き始めたことでハロプロから徐々に離れ、コズミンの死によって決定的に主人公の青春は終わった。
ネット弁慶の彼が今際の際までフィギュアを握っていたのが象徴的だ。
生前葬は現実にやったことらしいが、「あの頃楽しかったよな」で非現実に終わりを告げる寂しさを表現したのは秀逸だと思った。
エモくはある。
ハロプロ詳しくないから、そもそもドルオタの経験がないから共感し辛かったのかもしれないけど。逃げ出したい日常、打ち込めるなにか、馬鹿できる仲間、そしてその変化が淡々と描かれて高度な伏線回収も無ければ衝撃も無い為メッセージ性の強い感情を揺さぶる系ムービーだと思って見ると物足りない印象は受けた。しかし「マザーウォーター」の様なチル系と思って観るとじわじわとくるエモさが癖になる。そんな映画だった。
想定してた感じとは違う映画
もっとヲタクの感じを楽しむ!
みたいな映画なのかと思ってましたが
人の生活を見てるかんじでした。
なんかみんな演技がリアルで本当に
人の感じを見る映画でした。
松坂桃李さん、演技が上手いからなのか
本当にオタクにしか見えなくて
いつもの二枚目には見えない感覚でした。
予定よりヲタクって感じではなかった。
いうほど、ハロプロ感も最初だけで
あとからほぼなく、んーでした。
人の生活の感じを淡々と見る映画が
得意ではないので面白い瞬間を見出せず
わたしにはあまり合わない映画でした。
いらないよそれは
アイドルにハマる感じは楽しかった。
握手会とか当選して時が止まるみたいな喜びのシーンとか、オタ芸と名のつく前のオタ芸が笑えた。
しかし要らないエピソードが多い。
土下座も癌もいらない、ただもっと推しに萌えてるシーンだけ観たかった。
いつかくる、各々の現実の人生だけで良かった。
就活とか家の跡を継ぐとか親が亡くなるとか、そういう話で十分描けなかったろうか。
せっかく自宅鑑賞で好き勝手におニャン子クラブからのアイドルの歴史とか、ジャニーズの話とかして、オタクとか推しの世界を堪能しようとしていたのに、いらん揉め事からの土下座2回、まさかの録音して晒し者とか、笑えないエピソードに加えて末期癌からの死去。
そういうんじゃないよ!!!!!
と強く感じる結末でした。残念です。
本当の主役は仲野太賀。
松坂桃李が主役かとおもったら、彼はストーリーテラー的な役割で、特に後半は仲野太賀演じるコズミンの映画だった。嫌なやつだけど、目が離せなくて、最期まで美談にはならずどこか滑稽で。佐々木インマイマインの佐々木のような、心に残り続けるキャラクター。
モラトリアムにはいつか終わりが来る。でもこの映画では、過去を捨ててつまんない大人になってしまうわけではなく、程よい距離感で大人になっていく感じが好きだった。「バカやってたあの頃」を否定することも、やたらと崇めることもせず、
昔の仲間とも連絡とりあって、「今が一番楽しい。でもあの頃おもろかったよね」という着地が気持ちいい。何かに夢中になった時間、仲間と過ごした時間はいつまでも美しいし、大切にしていたいと思った。
仲間の好きな事でワイワイする青春はいつでも楽しいと言うのを改めて実感させてくれる作品です。
なんか緩そうな感じな作品でポスタービジュアルだけ見るとスルーしてしまいそうでしたが、監督があの今泉力哉さんと言う事で俄然興味が湧き、鑑賞しましたw
で、感想はと言うと、良い♪ 好き好き。
緩いオタクの青春映画とも言えますが、確りと作られていてアイドル考証も結構確りしている感じ。
勿論、筋金入りのハロプロファンの方からすると甘い部分もあるかも知れませんが、そうでない人が観る分には程良い加減具合ではないでしょうか?
原作は「神聖かまってちゃん」の元マネジメントの劔樹人さんの自伝的エッセイ「あの頃。男子かしまし物語」。
2000年代初頭から東京に出てくるまでの数年間を過ごした大阪市阿倍野区での日々を描いていて、アイドルグループに夢中になっていた青春を仲間たちと謳歌しつつも、様々な困難に直面し少しずつ大人になっていく姿を映画用に脚色されている。
原作は読んでないのでどこまで変更されているかは分かんないですが、大学を卒業して、20代の中盤に差し掛かろうとする頃に第二の青春を迎える様な感じがキラキラしていてなんか羨ましい。
趣味やジャンルによっては小馬鹿にする様な人がいますが、他人が見たら馬鹿馬鹿しく写る物ほど、皆んなで集まってワイワイするのって楽しいんですよねw
アイドルにどっぷりハマった事はないんですが、それに近い感じはあったりしたのでw、なんかそれを思い出しました。
ハロプロはある程度直撃世代からズレていますが、それでもモーニング娘。の楽曲がそれなりに知っているし、松浦亜弥が登場してきた時の正統派アイドル感オーラは今でも覚えていますが、追っかけているアイドルがモー娘。や松浦亜弥さんと言うのは個人的には分かりやすいし有り難いですw
何よりもハロプロの協力がガッツリあったのか、ガッツリハロプロ推しでAKB48のブレイクとは微妙にズレているとは言え、ここまでハロプロ推しなのが清々しいw
また仲野太賀さん演じるコズミンが2次元キャラにハマった際に「一騎当千」にガッツリだったのもなんか凄いw
この辺りの権利関係のクリアしているのもきちんと「仕事」がなされている所でクオリティの高さが伺えます。
また大阪の阿倍野界隈が舞台となっていると言うのもなんか良い。
大阪舞台にした青春映画って何処か雑多で何処か猥雑で何処かエネルギッシュに感じるんですよね。なので物凄く共感出来る。あの界隈に戻りたいかと言われれば、そうではないけど青春の忘れ形見的な何かがある感じ。BOROの「大阪で生まれた女」みたいなw
主人公の劔樹人役に松坂桃李さんで仲野太賀さんや山中崇さん。若葉竜也さん、芹澤興人さん、コカドケンタロウさん、大下ヒロトさんらが「ハロプロあべの支部」のメンバーとして青春を謳歌しているのが楽しそう。
この中で影の主役的なのが仲野太賀さん演じるコズミンが良い感じ。口だけ番長で仲間には強気で口は達者でイキリ倒すが、対面すると急にショボくなるヘタレを描いた様な感じだが、憎めない良いヤツ。
いろんな楽しそうな事もトラブルも含め、物語はコズミンを中心に進んでいく感じで、そう考えると松坂桃李さん演じる劔樹人がストーリーテラーみたいになっているのは勿体無い感じがしますが、物語の起伏が生まれているので良いではないかと思いますが如何でしょうか?
また一番気になったのは松浦亜弥さんのシーンはどうするのか?
ライブのシーンは過去の映像でも良いかと思うが、あまり劇中で映らなさ過ぎるのもどうかと思うし、かと言って現在ご結婚もされ、半ばセミリタイヤに近い形の松浦亜弥さんを無理矢理引っ張り出すとも思えない。かと言ってそっくりさんでは無理があるし、全身を写しても顔は出さないのも不自然。
どうなるんだ?と思っていた時に劔が握手会に参加するシーンがあって、登場したのは山﨑夢羽さんえんじる松浦亜弥。
ハロプロの所属のアイドルグループ「BEYOOOOONDS」(ビヨーンズ)のメンバーだとか。正直この方は知らなかったんですが、意外に似てたのもあって違和感なく飲み込めましたw
青春映画と言えど、20代半ばの少し拗らせた感じの面々ばかりで、見ていて痛々しい部分も多々あるけど、その痛々しくも青臭い部分がなんか清々しいし、気持ち良い。
大人な歳であっても、好きな物を好きだ!と言う気持ちは大事だと思うんですよね。
それがこの作品ではドストレートに表してます。
他にも劔がモー娘。の東京コンサートで上京した時にチケットの売買で一緒になった女性との仲が発展しそうで発展しないのが個人的にはお気に入り。
とかく恋愛に絡めても良さそうなのに変に恋愛事情を絡ませないで趣味と友情と生き方に特化しているのが良いんですよね。
ラストも本当は御涙頂戴で終わってもおかしくないのに、“笑って送ってやろうぜ!”と言う姿勢は好きです。
ハロプロ推しではありませんが、この作品は楽しんで観る事が出来ましたが、今泉力哉監督の幅の広さと脚本を担当された冨永昌敬の意向が合致しているからでないでしょうか?
緩いといえば緩い。でもこういう青春があるのも事実でその青春をキチンと描かれているのが好きなんですよね。
結構お勧めの青春映画です♪
ハロプロもオタクも関係なし
「あの頃」アイドルの応援に熱中していた若者たちが、時代とともにそれぞれの道を歩み始める…、のかと思っていましたがまったく違いました。
まず、この映画に出てくる6人(後に7人)のグループが、いわゆる「アイドルオタ」ではなく自分たちでトークライブやらバンドやらをやっている「半芸能人」の仲間たちという設定に驚きました。(原作を書いた劔樹人さんがそういう人みたいですね)
それでも、まー面白ければいいやと思って観ていたのですが、まったく面白みのない展開がダラダラと続きます。
最後まで誰も「オタ卒」しませんし、最後まで一度もグループの結束はゆるぎません。宣伝文句にある「しかし時は流れ、仲間たちはアイドルよりも大切なものを見つけて離れ離れになっていく」はまったくの虚偽。作品を観ないで宣伝文を書くのはやめてほしいですね…。
メンバーの一人がガンで死んでしまうから「感動しろ」と言われてもちょっと無理がありますね。
松坂桃李は力のある俳優だと思いますが、この作品ではまったくアイドル愛やオタクキャラなどは感じられなかったです。
前半は良かった
この映画が実話に基づいてなかったら、良かったかもしれない。
ヲタ仲間の1人コズミンが亡くなるところで、俺は幸せというところがなんかね。
作者の劔さんは同じくハロプロ好きの方と出会い結婚、1児がいる。この物語をいつ書いたか知らないけど、ここ2-3年だったらドン引き。
アイドルとファンの対比が見事
2004年という時代設定があり、当時のことは忘れかけていたが劇中の小道具を見るとその当時の空気を匂わせてくる。それでいて今とはかけ離れたまだアングラ状態の世界を肌で感じられる作りでいろいろと細かい。今でこそ握手会なんてものは当たり前にあって、地方に来てくれたりわざわざ東京にまで出なくてもいい時代である。
しかし2004年当時を考えてみるとアイドルに会うためには大都会に出なければならないし、握手会は厳正な抽選を経て得られるビッグイベントだったということを考えると当時の彼らのようながむしゃらに女の子を追いかけるという必死さがどこか物足りなくなってる気がする。
映画を見ていてなんだか懐かしくなったなあ。
そしてモー娘。からの一人のアイドルの卒業までを描いているのかと思いきやそのグループを追いかけたとあるファンの人生からの卒業も同時に描いている。コズミンはとても嫌な奴だけど、そんな彼がグループの中で一番オタクをしていたように見える。死ぬ時までアニメグッズに囲まれるとかある意味では理想の死に方かもしれない。
一方ではアイドルの卒業ライブ、一方ではコズミンのお別れ会。それを対比して見せてたのが面白かった。
何かに熱中するっていいよなあ。
日記を掻い摘んで読んだ様な
日記を掻い摘んで映像化した様な感じです。
後半に向けての盛り上がり的なものもないです。
なので没入観も共感する点も、ハロプロにハマってない私には日記を観てる様でした。
あと「コズミン」が主人公だよなあ、この物語。
視点は松坂桃李さんなんだけど。
ドルオタに捧げるではなくドルオタ“だった”人に捧げる映画
アイドルオタクを描いた映画ということで、ドルオタの僕はワクワクしながら見に行った。
確かに、あやや(アイドル)と初めて出会った時の感動や、あややとの握手のシーンなど共感できるところは様々あった。
オタクのイベントもまぁありますよ。(個人的に行ったことはないが)
それでも、現役オタクの僕にはどこか真剣を首筋に突きつけられているかのような感覚があった。
それは多分こんなことを言われているかのように感じたからだろう。
「お前いつまでオタクやってんだよ。今楽しいかもしれないけどお前の人生は前に進んでないぞ。早くオタク卒業しろよ。」
もしかしたら監督はそんなことを言うつもりはサラサラないのかもしれない。
オタクに対して最大限の敬意を持ってくださっているのかもしれない。
しかし、作品を見る限り伝わってくるものは早く前に進めという言葉のみであった。
なぜだろう。
まず一つあるのは剣のように自分自身、今の状態じゃダメだというのを頭の奥で悟っているからかもしれない。(もちろんアイドルオタクでも立ち止まらず夢に向かって歩いてる人がいることも添えておく。)
そして、もう一つは剣の人生にそこまでハロプロが寄り添ってないように感じるからだ。
ハロプロは剣に何を与えたのだろう?
“仲間”だけ??
剣の人生の転機にアイドルはいたんですか??
途中から剣とハロプロの接点が全くなくなってしまったように感じた。
オタ卒(オタクを辞めること)したならしたでそのまま最後まで貫き通せばいいのに最後に申し訳程度に道重さんが出てきたり。
結論としてはオタ卒した人がこの映画を見れば「あ〜あんなこともあったなぁ」と懐かしくなれるかもしれないが現役オタクの僕には正直辛かった。
この映画を見てオタク楽しそうだな、オタクになりたいな、そう思う人がいるだろうか??
多分いないと思う。
余計にアイドルオタクって「内輪ノリで、互いに傷舐め合って・・」というような偏見を受けないだろうか。
正直僕は客観的に見て「オタクキモ」と思ってしまった。
これは今泉監督作品の特徴でもあるが撮り方が全体的にリアルで、沈むような感覚でアイドルの華やかさアイドルを推す事の楽しさということが伝わってこなかった。
良かったのは、役者陣の演技とハロプロの音楽くらいかと
挫折を乗り越えるためには自分の「好き」を見つけること
生きがい、喜び、仲間、そして別れ。好きなものに夢中になることで得られる学びが詰まっている映画だった。
アイドルを好きになって、仲間と出会い、共通の話題で盛り上がる時間は大変麗しいものである。
しかし、アイドルは必ず引退する。
このままじゃいけないと思いながらも、応援してきたアイドルを、仲間との絆を失いたくないから手離したくもない。
そんな主人公、劔の葛藤を描いた描写に共感する部分が多かった。あややの壁紙を剥がそうとする瞬間に小泉が訪問するシーンは特に印象に残った。
最後にはオタクを卒業?して、一度諦めたバンド活動に復帰し、
「今が一番楽しい」という言葉まで言えるようなった劔の人生は素晴らしい。
ただ、もう一度バンド活動に向き合う一歩を作ってくれたのは紛れもなくあややであり、オタク仲間なのだ。
人生の困難を乗り越える上で、好きなものを持っておくことの大切さに気づかせてくれた作品だった。
「あの頃」に妙齢だった人なら感じられるこの味わい。
期待していませんでしたが、観に行って良かったです。
「あの頃」を悲劇でもコメディでもなく、綺麗も汚いも全部、リアル過ぎる事も誇張し過ぎる事もなく、夢物語でないけれど、かといって人生の不条理を嘆くでもなく、ただただ描いたような映画です。
「あの頃」に間違いなくあったもの、いた人、あった空気。
押し付けがましいメッセージや哲学が盛り込まれることなく、ただそこにそれが置かれていった感じ。
だけど、薄っぺらじゃない。
深すぎず浅すぎず。
登場人物もまったく同じ印象です。
だから、俳優さんは逆に演じ辛かったのではないかと思います。
仲野さんとライブハウスのマスターの人、上手かったです。
欲を言えば、握手会のあやや、本物見たかった~。
(期待させてからの、あの、似すぎず違い過ぎずのアレ!やられました。)
あと、オタクさんの踊り?みたいなやつや、ハロプロのコンサート、もっと見れると思いました!
狙いの客層に私がドンズバだからなのかも知れないですが、とても満足できました。
俳優さんも含めて職人一人一人が丁寧に仕事した上での一体感とか、緩急の「緩」の部分も計算して作ってある感じが本当良かったです。
「好きなこと」があるということ
冒頭の、劔が松浦亜弥と"邂逅"するシーンがとても印象的でした。友人から貰ったDVDをかったるそうにプレイヤーに差し込み、お弁当を食べながら映像が流れてくるのを待っていたところ、映像が流れ始め、劔の手はだんだんと止まっていく。割り箸はリモコンに持ち替えられ、音量を上げて、最初は何となく見ていた劔の目が真剣になっていく。その目からは次第に涙が溢れ、劔は玄関を飛び出し、アップテンポな音楽がBGMとして流れているなかCDショップへ自転車をかっ飛ばしていく。そしてそれを背景にして『あの頃。』というタイトル。「これから始まるんだ!」というワクワク感が演出されていて、映画の導入部としては完璧なものだったと思います。
個人的な話で申し訳ないのですが、冒頭の劔のような状態は僕にもありました。劔は好きだったはずのバンド活動が嫌いになっていき、「では、自分は一体何が好きなのか?」という疑問で頭がいっぱいになっていたと思います。僕の場合は部活動のサッカーだったのですが、「あれ?自分って好きでサッカーやってるんじゃなかったっけ?」と一度疑い始めてしまうと、もう止まりませんでした。何をしても楽しくなく、世界が真っ暗でした。僕の場合は、たまたま入った本屋で心から感動した本と出会ったことで、この窮地から脱することができたのですが、もし出会ってなかったら…と思うとおそろしいです。「自分は何が好きなのか、何で心が安らぐのか」ということが分からないで生きることは、おそらく死ぬことよりも辛いことだと思います。
劔は松浦亜弥と出会い、ハロプロと出会い、仲間と出会うことで毎日が輝きだすのですが、僕がいいなと思ったのは、その仲間たちがそれぞれ「ハロプロと同じくらい大切なものを見つけ」、ハロプロから徐々に離れていき自分の人生を歩み始めていったところです。極端な表現かもしれませんが、いくらそれが素晴らしいとはいえ、やはりハロプロというアイドルは単なるidol(偶像)にすぎず、「今が1番楽しい」と思えるためには、偶像から現実世界へと視点をずらしてそこで生きていくしかないということをそれぞれが認識していったのだと思います。経験上、人は生きている現実世界がつらくてどうしようもないとき、前向きに物事を考えることは難しいと思います。そこで、いったんどこか別の"世界"に身を委ねる、避難することで心を落ち着かせる必要があるのです。劔はハロプロという"世界"に避難することで、本当に自分が好きなものはバンド活動であることを再認識することができたのです。僕の場合は、本の"世界"に逃げ込んだことで、文章を書くことの楽しさに気づき、将来は文章を書くことを仕事にしたいな、と今では思うことができるようになりました。今自分が生きている現実がつらくなったときには、一旦はそこから距離を置いた別の"世界"に身を委ねてもいいが、心が落ち着いてきて自分の方向性を把握したなら、その世界から抜け出して現実世界を生きるように、ということが、この映画から汲み取ることのできたメッセージの一つでした。このメッセージは、生活が豊かになりすぎたがゆえ、親のもとにパラサイトしていれば、大人になっても好きなことだけをする生活を、しようと思えば可能な現代社会を生きる僕たちにはとても刺さるものがあると思います。
P.S.
この映画は、テンポが良いものでは決してなく、117分がとても長く感じました。評価が別れるとしたら、そこが1つの分岐点になると思います。しかし、今泉力哉監督は今年の2月18日に「退屈なシーンがない映画はあまりつくりたくないな」とツイートしていますし、音楽には新進気鋭のシンガーソングライターの長谷川白紙を起用していることから、最初からテンポの良いものを狙っていないことが分かると思います。
ちなみに、僕が成長したからなのか性格がひねくれたからなのか分かりませんが、「泣ける映画」「笑える映画」というように、観る人に特定の感情を起こさせようと宣伝されている、「楽しさ重視」のエンタメ映画を、楽しめなくなった自分としては、この退屈感は良いと思ってます!
奥田民生にしか見えん
パッとしない人生を送っていたつるぎが、ある日松浦亜弥に出会い、ハロプロオタク仲間と共に青春の日々を送っていく話。
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私もジャニーズオタク(今はもうオタクとは言えるほど熱は無いかも)なので、前半はとにかく共感しまくり。オタクやってたから友達もできたし、遠征行ってたくさん思い出もできた。なので私もあぁ、"あの頃"は楽しかったなぁと思って一緒に見ていた。
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そんな楽しいオタクムービーだと思っていたら後半、プライドが高くて、スケベで、ネット弁慶な嫌なやつだったコズミンが末期ガンというのが発覚し、雰囲気が変わってくる。
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コズミンはずっと変わらずそのまま死に行くんだが、それがめっちゃ『佐々木、イン、マイマイン』みたいだなと思った。宇多丸さんが『佐々木』の評の中で、成長するとはいろんな可能性を切り捨てて1つの道に進んでいくことで、佐々木はその手前で永遠に留まり続ける存在というようなことを言っていた。
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コズミンも病床の中でもずっと変わらなかった反面、つるぎはいろんな選択をしてどんどん成長をしていき今を楽しんでいる。コズミンって、誰でも持っている自分の嫌な面を全て体現している存在のような気がして、その面は大人になるにつれて無くなったり変化していったりすると思う。
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劇中に卒業コンサートのシーンが出てくるように、私たちも何かを切り捨てて(卒業して)、前へと進んでいく。変わらずに死にゆくコズミンは、嫌なやつだった自分との別れということなのかなぁと思った。
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ずっと変わらないことが楽しいんじゃなくて、変化した先の今が楽しい。なんだけど、学生の時の友達に会うと変わらないねとよく言われる私は死ぬのかな?と思いました(笑).
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ちなみに、山中崇さんが途中から奥田民生にしか見えないので注目です。何気に1番歌が上手い大賀さんも。
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