「それさえあれば生きていける」あの頃。 フリントさんの映画レビュー(感想・評価)
それさえあれば生きていける
仲間と過ごした日々の物語
まさかこんなに感動するとは思わなかった。
主要キャスト皆さんがそれぞれに素晴らいです。
松坂桃李や中野大賀、若葉竜也はもちろんのこと、見たことあるけど名前までは・・・な名脇役な山中崇、芹澤興人
いわゆるオタクの雰囲気がものすごく似合うこのキャスト。
存在感や言動、仕草が板についていて演技力の凄さを実感した。いやもしかしたらこれが彼らの素に近いのかも知れないが・・・。
劇中なんども笑ってしまったし、終盤では目頭があつくなった。感情を揺さぶられるのはいい映画の証拠!
「佐々木、インマイマイン」は過去を振り返り前へ踏み出す勇気をくれる作品だが、本作は過去を振り返り日常を生きる力をくれる作品だと感じた。
「あの頃。」って誰しも経験しているし、これからも経験できるはずだから、好きなことでこんなにも強い絆で結ばれる仲間と出会えるチャンスがこれからの人生に広がっていると思うと明日が楽しみになる。
くすぶってる時期や辛い時期に偶然出会った生きる原動力になるもの。
自分も救われた経験がある。この映画の彼らのように生きる糧になる好きな事を大事にしていきたいと思った。
人は熱量が有る人に惹かれるのではないだろうか。
どれだけ好きかどれだけ詳しいか、そしてどれだけ愛しているか。
興味のない人には無意味に見える事柄でもわかる人にはわかる熱の度合い。
それは時間であったりお金であったり気持ちであったりするだろう。
アイドルオタクではないけれど、彼らの熱量に惹かれたし仲間になれたら絶対楽しいだろうなと思った。
だれにも負けないのではなくてだれもが認める愛の深さに惹かれるし憧れてしまった。
話は少し逸れるが
後輩いから言われたことがある
「時々この人なにが楽しくて生きてるんだろうって人いません?そんな人見ると不安になるんです」
その場では
「そんなのほっておけばいい」
とかなんとかお茶を濁している。
本音は
「その人の何をしってるんだ?勝手に不安がってろ」
と思ってる。
自分には情熱を傾ける好きな物事が有るけれど、何もない人は可哀そう。
「可哀そう」って憐れむこと自体が失礼過ぎないだろうか。
誰もが日々を生きるために何かにすがっているし何かを好きになって毎日を乗り越えているはずだ。
自分が理解できない事、興味がない事にもちゃんと価値を見出す人がいるし情熱をかけてる人がいる事を知ってほしいとつくづく思う。
こんなところで愚痴るのはネット弁慶かも知れないけれど。
アイドル、アニメ、ゲーム、フィギュア、いろんな世界があって、いろんな好きがある。
だから偏見を持たずに心にいろんな熱量を測れる温度計を持とうということ。
自分もまだまだ温度計が少ないし性能もよくない。だけれど、熱を知って、熱せられ、誰かを熱せるようになりたいと思った。いい映画でした。
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劇中セリフより
「俺、今が一番楽しい」
好きな物を増やす、大事な物を増やす、それぞれに情熱をかけることが楽しく生きるコツなのかも知れない。