「DCの新たなブラック・ヒーロー」ブラックアダム bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
DCの新たなブラック・ヒーロー
『バットマン』や『スーパーマン』でお馴染みのDC作品に新たな、ブラック・ヒーローが誕生。このところマーベルにやや押され気味のDCとしては、新たなキャラの誕生と共に、アベンジャーズに対抗して、DCとしての新たな展開をねらう、ターニングポイントとなる作品となるのかもしれない。
その作品の主役・ブラック・アダムに、肉体派アクションのドル箱スターのロック様こと、ドウェイン・ジョンソンを抜擢してきたのも、その力の入れようが覗える。撮影時に、ブラック・アダム用の筋肉スーツを準備したが、却って嘘くさくなり、薄手の素肌に馴染んだゴム・スーツで十分に筋肉美が伝わったという曰く付きもあったようだ。スーパーマン以上とも思える能力で空も飛び、最初から最後まで、ドウェインらしい激しいアクション・バトルの連続で観る者を魅了した。
ストーリーは、5000年間、その恐るべき破壊力の為に、封印されていた破壊神・ブラック・アダムが目覚める所から始まる。しかし、その力は当時、アダムの息子の犠牲の上に成り立ち、父である自分に託されたものだった。再び、現代に覚醒したアダムは、軍事力によって、国民を虐げている国家相手に、破壊の限りを尽くす。あまりにも強大なアダムの力を人類の危険とみなし、地球防衛軍とも言える『JSA』のチームを送り込み、アダムとの死闘が始まるのだが…。
『JSA』チームのメンバーは、今回初めての登場で、馴染みのないヒーロー・キャラクターの為、今ひとつ入り込めなかったのは正直なところ。DCなら、他にもたくさんヒーローはいるのだから、よく知るヒーローとの共演があれば、もう少しワクワク感も高まったように思っていた。しかし、しかし、エンドロールの後のオマケシーンを観て、その蟠りも払拭。「なるほど、そう来たか」と唸らせ、新たなシリーズ化へ、大いに楽しみとなった。
出演は、ドウェインの他、『JSA』のメンバーとしては、『007』の5代目を務めたピアース・ブロスナンが、魔術師役に、『JSA』のリーダー・ホークマン役には、オルディス・ホッジが、、風を操るサイクロン役には、クインテッサ・スウィンデル、そして巨体化能力のアトムに、ノア・センティネオが務めている。