「ディップよりミケルセン そしてジェイコブ❣」ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
ディップよりミケルセン そしてジェイコブ❣
本シリーズは、『ハリー・ポッター』を継承する作品として、大のお気に入りシリーズ。タイトルからも、ホグワーツ魔法学校校長のダンブルドアの秘密が暴かれるということもあり、公開を楽しみにしていた。昨日も、テレビで2作目を放映していたので、改めて復讐してから本作を鑑賞。
前作では、黒い魔法使い・グリンデルバルドが、純潔の魔法使いの自由を獲得する為に、魔法省やマグル社会への宣戦布告をし、クリーデンスやジェイコブの恋人のクイニ―を連れ去る所で終わっていた。本作では、グリンデルバルドがその後、同志を集め、魔法界のトップになる為の選挙に出馬する準備を整えていく。それを阻止しようと、ニュートが、兄のテセウスやダンブルドア、その弟子の魔法使い、マグルのジェイコブまで巻き込んだ凸凹チームを率いて グリンデルバルドに挑むストーリー。
2作目まで、グリンデルバルト役だった、ジョニー・ディップがやんごとなき理由で退き、マッツ・ミケルセンが演じていたことは驚きだった。最初、違和感はあったが、ディップの猟奇的なグリンデルバルドに対して、ミケルセンの落ち着いた凄味のある演技は、ジュード・ロウ演ずる渋みのあるダンブルドアと対峙するには、むしろ相応しいキャスティングであったと感じた。
また、本シリーズ3作を顧みた時に、1作目は、魔法動物とのファンタジー色が強く、子供から大人まで楽しめる作品で、最後もホッと落ち着く内容だった。しかし、2作目は、黒の魔法使いが暗躍し、非常にダークな装いが強くなり、後味の悪い感触が残った。それに対して、今回はまた、明るいムード包まれてのエンドロールが戻ってきた。これは、2作目では担当しなかった脚本家のスティーブ・クローブスが戻ったことにあり、やはりこのシリーズは、鑑賞後に、笑顔が残る作品作りが望まれる。
とは言うものの、2作目に随分いろんな情報や人物を詰め込み過ぎたため、本作でも、その回収にも追われ、前2作を観ていない人には、ストーリーとしての面白さは十分には伝わらなかったかもしれない。また、ダンブルドアの秘密も、確かに明らかになったものの、それほどのサプライズでもなかったように思う。
本作の主役は、ニュート役のエディ・レッドメインであり、シャイだが芯の強い青年魔法使いを演じているが、前作ではディップに喰われ、そして本作では、何といっても、ジェイコブ役の「ダン・フォグラー、ここにあり!」的な感じの演技で、存在感のあるマグル役に、目が奪われた。
更なるシリーズをこれからも期待する一人としては、特に最後にオマケシーンも無く、これで完結したのか、気になる所でもある。