エルヴィスのレビュー・感想・評価
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エルヴィスを知れてエルヴィスを好きになる
ビートルズやクイーンなどに影響を与えたエルヴィス・プレスリー。腰を振り、つま先立ちするセクシーなダンスで熱唱するエルヴィスに、女性客たちは興奮し、熱狂は全米に広がっていった。しかし、あっという間にスターとなった一方で、黒人差別が当たり前の時代に、ブラックカルチャーを取り入れたダンスは世間から非難を浴び、ライブを行うと会場は警察に監視されたが、エルヴィスは自分のスタイルをやめなかった、また、エルヴィスは国外のツアーを希望したが、マネージャーのトム・パーカーに阻止された。その理由は後でわかるが・・・,そして最後は42歳の若さで心臓発作、薬物中毒によって亡くなった。そんなエルヴィスの生涯を描いた作品。
マネージャーのトム・パーカーに搾取され続けたエルヴィス・プレスリーというのを知れて、彼が気の毒になった。そして、エルヴィスの不遇の生い立ち、ブラックカルチャーに自然に馴染んでた幼少期を経験した事を知れて、彼が好きになった。
憎まれ役のトム・パーカー役のトム・ハンクスはさすがの演技だった。
妻プリシラ役オリビア・デヨングが美しく可愛かった。
歌手の映画は最近よく観るが、クイーンのボヘミアンラプソディ以来の感動した作品だった。
これは失敗作品だ。
第二次世界大戦後、世界的規模のアイドル歌手としての第一号が、エルビス・プレスリーだ。今だに、この人を超える歌手はいない。グループとしては、ビートルズがプレスリーを超えていると私は思っている。
ビートルズを聞いて育った世代だけど、プレスリーの偉大さはわかっているつもりだ。彼の伝記映画として始めての作品だと思う。物凄く期待して鑑賞したが、結果はタイトルどおりである。
世界的大スターの苦悩や孤独、大スターに良くみられる取り巻き連中のたかり等、表面的に描かれて真に迫るものがない。私が一番感動したのは、最後に写し出される「アンチェインドメロディ」を歌うプレスリーの実写フィルムだ。3時間もつきあわせて、この監督や脚本家は、何をしているのかと言ってやりたい。主演の俳優さんは、良くやっていると感じた。
本来なら、私の評価点は2,5だが、プレスリーに敬意を表して加点しました。
マネージャーのトムハンクスが目立ち過ぎて焦点がボケたような・・
マネージャーのパーカー大佐(トムハンクス)が目立ち過ぎて、エルビスプレスリーの映画としての焦点がボケてしまったような感じがします。
強欲で胸糞悪い役を演じたトムハンクスが上手なんでしょうけど。
音楽に関してなじみのない古い曲が大半で個人的にイマイチ。
ただ、自分の好きなcan't help falling in love が複数回(3回?くらい)別バージョンで流れるのは良かった。
あと、彼の曲じゃないけどUnchained Melodyは良かった。
love me tender は流れてたっけ?
my wayは流れていない。
公民権法が成立する前の人種差別が色濃く残るアメリカの恥ずべき姿が物語の背景に描かれていますが、強欲なマネージャーの姿も胸糞悪くこちらも焦点がボケてしまった感じがします。
ピンクのキャデラック
二時間ちょっとで、キング、エルビスの生涯を描くとなると、何処にフォーカスを絞るか?がポイント。まぁギャラ的にトム・ハンクス演じるパーカー大佐の出番の多めはご愛敬。音楽好きにはBBキング、リトルリチャードなどレジェンドの出番が嬉しい✨演出的には晩年の残念な感じをさらっとやったのが監督の拘りか。キングの絶対、外せない名曲はやってくれたので大満足。ラストクレジットの、チカチカする感じが監督の味が出過ぎでいい。
後味の悪い映画でエルビスとスノーマンかな?
前半は古いブルーズ、カントリーと快調に飛ばしていたのに、
トムハンクスがやたらと渋い演技力で重くて鈍くて臭いものにしてしまった。
あれは演歌か怨歌の様なコブシが回り過ぎでロックンロールを蛇の様に巻き🐍絞め殺してしまった様だ。
主役が二人居る様な作品になってしまったことは残念だ。
題名を間違えたのかキャスティングを間違えたのか?
パーカー大佐の映画になってる
字幕版を鑑賞。1977 年に 42 歳の若さで亡くなったスーパースターの一代記である。生い立ちから丁寧に描いてあって、黒人音楽やカントリーミュージックに精通した経緯や、黒人の音楽であるブルースやリズムアンドブルースと白人の音楽であるカントリー・アンド・ウェスタンを融合した音楽から始めてロックンロールスタイルを確立して成功した理由が明確に示されており、晩年の活動や死に至る経緯まで描かれた映画は本作が初めてである。
プレスリーの音楽活動の開始は名物プロデューサーのパーカー大佐との出会いとほぼ同時期であり、金勘定に長けたパーカーの手腕によって売り出される様子は、あたかもビートルズにとってのブライアン・エプスタインのようであるが、パーカーの悪質なところは、プレスリーを飼い犬のように服従させ、稼いだ金の 50% を搾取するという吸血鬼のような害虫だったことである。
この映画は終始パーカーの視点で描かれており、主役はプレスリーというよりパーカーではないかという感覚を見るものに与えるのだが、案外それが本当のことのようにも感じられる。劇中で明かされるパーカーの正体と特殊事情から、ワールドツアーが実現できず、ラスヴェガスのホテルのステージに立たされ続けたプレスリーは本当に気の毒であった。
ミュージシャンのスーパースターは、やり甲斐のある仕事であろうが、その一方で、いつファンに飽きられるかという不安が拭えず、常にウケを狙わなければならないというストレスのかかる職業である。自分自身を小説のネタにしたために破滅的な人生を選ばざるを得なかった太宰治と少しかぶる気がした。日本よりドラッグに対して禁制の緩いアメリカでは、簡単に薬物が入手できることから、薬物に頼って身を持ち崩す者は昔から多い。エルヴィスもまたその一人であったということらしい。
エルヴィスに好き放題させておきながら、金勘定はしっかりとパーカーに握られてしまい、自分で金銭的なマネージメントを行わなかったことが悲劇を生む。現在のように Excel でもあれば、自分や家族の誰かが金の出入りに注意を払うことも出来たのであろうが、Macintosh が誕生するより7年も前に死去したプレスリーには無理であった。
パーカーはプレスリーが薬物に手を出すように仕向けた疑惑も持たれている。パーカーが連れてきたプレスリーの主治医のニック医師ことジョージ・ニコポラウスは、プレスリーと同時代のロックンロール・ヒーロー、ジェリー・リー・ルイスなどにも薬を処方しており、無罪になったものの、過剰な薬物処方で起訴されている。最終的に彼は 90 年代に入ってから同じ罪で医師資格を剥奪されることになるので、ロクな医者でなかったのは確かである。
本当に救いのない話で、「ボヘミアン・ラプソディ」とはまた違った問題提起の映画であるが、悪人がパーカーただ一人にほぼ絞られる本作は、フレディ・マーキュリーの場合とはかなり事情が違っており、見る者に与える感想の質も随分違うものになっていた。
既に故人となったミュージシャンを現代の俳優が演じて再現度の高さに感心させるという作りは、「ボヘミアン・ラプソディ」という偉大な先例があるので、どうしても比較されるのは避けられない。フレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックは完璧だったのに対し、本作のオースティン・バトラーもかなり健闘していたと思うが、歌唱シーンが比較にならないほど短く、先例を超えたとまでは言えないように思った。
トム・ハンクスの特殊メイクの出来は凄まじいほどであったし、晩年のエルヴィスの激太りも同じ方法なのではと思うが、非常に自然であった。映画を見終えて最も印象に残っているのが、オースティン・バトラーの吹き替えなしの歌よりもトム・ハンクスの特殊メイクというのは、やや本末転倒のような気がした。
また、本作が「ボヘミアン・ラプソディ」と違うのは、エルヴィス本人の動画が終盤の方で流される点である。折角オースティン・バトラーが頑張って作り上げたエルヴィス像が、やはり本物とは少し違っていることを再認識させてしまうこのような演出を何故監督は行ったのだろうか?真意が解しかねた。ラブ・ミー・テンダーなど聴きたかったのに流れなかった曲が多かったのも少し残念だった。
(映像5+脚本4+役者5+音楽4+演出4)×4= 88 点
主人公は二人いる。エルビスと大佐の物語。
この映画が事実に忠実かは予備知識がないため、わからないが、映画としては、とても面白い。
エルビス・プレスリーを演じるのは、かなりのプレッシャーだと思うが、これだけ演じれば十分だと思う。
トム・ハンクスの大佐役は、やはり映画のクオリティーを上げているが、しかし、あの太り方はどうやっているのだろうか。本当に太ったのだろうか。
エルビスファンは、どう観るたろう?やはり、見る目はかなり厳しいだろう。
長尺映画だが、テンポがあり、最後まで飽きさせない。
映像も、よくつくり込まれている。
ぜひ、劇場でご覧ください!
ドーナツ出てこない
エルヴィスのルーツがブラックミュージックだとは マヘリア・ジャクソン、BBキングも出てるのでびっくり 独特な甘いロートーンボイスなので、かなり難役だったとは思いますが、オースティンバトラーが大熱演&熱唱 独の兵役や映画にかなり本腰を入れていたのは知りませんでした ステージ衣装等々サングラスも小物もお洒落 pelvisやトイレには笑ってしまった しかし、大佐側からのストーリーなので、ちょっと都合良く描かれている気もしますが…最後がかつての娘婿のマイケルジャクソンにそっくりだったので、気味が悪かった ライチャス・ブラザーズのアンチェインドメロディは圧巻!
WBのオープニングとエンディングがプレスリーの衣装ぽくてゴージャスで小洒落てる
どうしても、許しがたいことが、二つある‼️❓
一つ目は、エルビスのことを調べないか、あるいは真実を隠した内容であること。
映画のほとんどは、マネージメントの大佐とエルビスのくだらない会話で成立してる。
大佐はエルビスの曲の権利を安く売り、その金をねこばばしていたことは隠されている。
エルビスは酒もタバコもしないし、女遊びも、贅沢もしてないのは有名だ。
大佐は鬼畜なのに、トムなんたらのために作られたかの様に、主人公ズラの存在感である。
二つ目は、ミュージシャンの映画にも関わらず、ステージの各曲はワンフレーズほどで、ほとんど歌のシーンがない。
こんな手抜き映画、観たことない。
エルビスの名誉のために、どうしても一言。
映画を必要以上に貶す意図はありません。
凄絶でそして切ない。。!
名前だけは知っていましたが、あとは有名な曲のフレーズを少し知っている程度だったので早速見てみました!!
いやとにかく凄絶。駆け抜けた人生だったんだな、と。そして新しい音楽や新しいステージのスタイルに、なかなか時代のほうが付いていけてなかったという、黒人音楽を受け入れられない白人社会と闘わなくてはいけない白人、という稀有な存在だったと初めて知りました!
ブラックミュージックが自分の音楽のルーツである白人青年。。おそらく日本人の自分の想像以上に大変な時代背景の中で、燕尾服などには屈せず自分のスタイルを貫き直して、原点に戻っていけたことは良かったし、そんな彼の人生を映画を通してでも見れて良かったです。最後の最後は当時のライブ映像でとても嬉しかったです。
ただ途中で思ったのは、尾崎豊さんもそうですが、1ステージに込める魂の熱量が凄くて、そんなに毎回ステージごとに魂を削っていったらそれは体力的にも続かない、大丈夫なんだろうかこの人。。と思っていたらまさか42歳という若さで亡くなってしまったなんて。。!若い、若過ぎる。残念。。
最後のステージでは多少太っていたにせよ立っていられずに座って歌うという姿は、まだ42歳にしてはかなり疲れきっている印象でした。だから本当に最後の最後の力を振り絞って歌っていて、なんだか切なかったです。
お母さんの死でもわんわん泣き、奥さんには出ていくと言われて止めるけど行かれてしまい階段にうずくまっていて。。お母さん、妻、愛する人達がそばから居なくなってしまう時の彼の姿が切なく、
妻と空港でほんの少しの間、乗ってきた車の中で過ごした数分が、彼にはもっともっと長く続いてほしいと思ったんだろうな、と思った次の場面が、最後のステージ。そこでの歌は「君の愛がほしい、必要だ」っていう内容で。。これを渾身の力を振り絞って歌うからもうより一層切なく感じました(泣)
エルヴィス役の俳優さんは、若い時は痩せた彼を、だんだん売れていってより大人になっていくにつれカッコ良さはそのままにほんの少しずつ体を大きくし、
でもそこまで太ってはいない、ボディスーツというか、あのピッタリしたステージ衣装は映えるけれども痩せっぽちのままではない姿へと変化させていく演技力、体型の変化のさせ方は見事でした。
少しずつもみ上げも作り、どこかで見たことのある「皆が知っているあのエルヴィス」がスクリーンに存在していました。
そしてトム・ハンクスがまーあ嫌なマネージャーのおっちゃんになっててビックリしました!(笑)
ちょっと待ってついこの前、リバイバル上映でアポロ13の責任感のある立派な宇宙飛行士の姿に感動したばっかりだったのに〜!エルヴィスの稼ぎの50%も取った??本当に??許さんぞ悪徳マネージャーめ〜〜!!と、見事に今日の映画の影響を受けました(笑)
少年に近い、売れる前の若い青年時代に恩を受けたマネージャーには、クビにしようとしても何を言っても結局エルヴィスの琴線に触れるウィークポイントを知ってる人だから、若い時と同じようにやはり言いくるめられてしまうのがもどかしくて。
とにもかくにもエルヴィスの姿をかなり再現してくれたと思うし、最後の本人のステージ映像もあり見応えのある作品でした!!!
エルヴィスのファンでないと…
クイーンはLPも買ったりしてたからそれなりに知識はあった上で見た映画「ボヘミアンラプソディー」とは、やはりかなり印象が違っていたなぁ。
正直なところ、世代的にエルヴィス・プレスリーってあまりよく知らないんですよね。もちろんヒット曲はそれなりに知っていますが…
あと、けっこう長いっす。
これは、アメリカとロックンロールの歴史。
ネタバレは含みません。安心してください。
エルビス・プレスリーの人生と共に、アメリカ、そしてロックンロールの歴史を描いた作品だった。
この映画は、エルビス・プレスリー視点というより、そのマネージャー視点の映画であるためクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」や、エルトン・ジョンの「ロケットマン」とはまた違った感じだった。また、良くも悪くも頑張ってそれらと違うようにした感はあった。少しドキュメンタリー映画に寄せていたように思う。
一方で他の2作同様、今回も「うお!エルビス・プレスリーだ!」と思うシーンは多かった。監督、役者、演出家の努力やこだわりはかなり感じだ。とても素晴らしかった。
私は今10代で彼の時代に生きてはいなかったが、彼の音楽はよく聴いているため、この映画を楽しみにしていた。ファンにはもちろんオススメするが、彼が歌うシーンを除き、劇中に流れる彼の曲は現代風にアレンジされているものが多かったため、彼を知らない人には少し彼の音楽の魅力が伝わりにくいかもしれないと思った。ある程度彼の曲を聴き、この人がどのような人生を歩み、どのような影響を世界に与えたかを知りたくなったら観る。という方が良いのかもしれない。
エルビス・プレスリーは、ロックンロールというものをこの世界に生み出したロックンロール界の神のような人物。現代人々が聴いてる音楽は彼がいなければ存在しない。それを日本中の彼を知らない人に言いたくなった映画。
懐かしい曲が満載!
エルヴィスのルーツと生い立ちなど、全く知らなかったので、そうだったんだ!〜って感じ。
その栄枯盛衰も知りませんでした。
最後の方はエルヴィス本人と見分けがつかないくらいの演技に脱帽ですね。
コテコテの濃厚映画
とにかくさまざまなエピソードがシームレスにつながって息つく暇もないほど濃い。
スコセッシのグッド・フェローズ、オリバーストーンのナチュラル・ボーン・キラーズを超えるほどコテコテ。
完全なアート映画。
素晴らしい歌唱で、主演が吹き替えなしで歌ってる場面多いいんだけど、BGMで流れる時は今風なアレンジが加わってるのが残念。
当人はどうだったのかわからないけれど、音楽への愛、R&B黒人音楽へのリスペクトなど台詞で語られることはなく映画的には行動と音楽で表現しているのがどこまで伝わっていたか!?
パフォーマンスの誕生秘話はよくわかったけど、歌唱法など音楽的な創作秘話がほとんどなかったのが残念。
なんでかR&Bが好きだったというだけなら仕方ないけど。
策士マネージャーの目から見た描写が多く、その手法はちょっと疑問。
伝説のスターの素顔は少ししか垣間見れない。
エキストラの演技が素晴らしく、というか、取り巻く人みんなの演技も素晴らしく、エルビスが虚構と化してしまっているのが残念。
エルビスもマネージャーも内面を独白するシーンはなく、映像と演技とストーリーで語っていく力技は見ていて疲れる。
でも見てよかった。
パフォーマンスシーンは、聴衆の熱狂ぶりやリアクションが素晴らしい。
多分、凝った映像、音楽のリアレンジを加えることで、当時の人々の衝撃を今の感覚で伝えたかったのだろう。
余計なお世話が多いアート映画であったが、エリビスの素晴らしさを再認識できた。
余談だけど
昔も今も、あそこまで聴衆を魅了するには、なにかしら無茶をして酒や薬に頼って身を滅ぼしてしまうのが悲しい
音楽を楽しむ
物語より、音楽を楽しむ作品だなと、思いました。
偉大なアーティストがステージ上で見ていた世界が、
どのようものだったのか、凡人の私には解るはずもないですが、愛という言葉では物足りないのではと。
エルヴィスと言えば、鋭い眼光のイメージでしたが、
ラストのライブシーンで、こんなにも優しい眼の方だったんだなぁと。
エンドロールの後の言葉が凄く良かったです。
マネージャーの物語だね…
期待して見に行きましたがマネージャーの回想による物語にエルヴィスが登場という感じです…
残念な人生を歩んだエルヴィスが目立ち過ぎだと思います!
盛り上がりに欠けるので評価は低くしています!
なんか勿体無い長編映画でした!
エルヴィスプレスリーの事がまた少しわかったのが収穫かな…
彼には観客(ファン)の愛が必要だ!ということが痛いほど伝わる作品…
Elvis has left the building.
熱狂の渦に呑まれる --- 人種差別と公民権運動の高まりマーティン・ルーサー・キング・ジュニアが、ロバート・ケネディが、シャロン・テートが次々と殺された激動の時代の渦中で、奇しくも中心人物となっていくオースティン・バトラーの憑依したような熱演が魅せる!ロック伝記の王道パターンをなぞりながらも超えてくる!! バズ・ラーマン監督の彼らしいケレン味やバキバキに作り込まれたきらびやかな世界、現代らしくないキラキラ感とエルヴィスのそれがよくマッチしていて、ショーマンシップやイメージをよく表していたと思う。後で足したような過剰なカメラ揺れや動きもあって、作品にしっかりと"クセ"があった。劇中で初めて女性客が熱狂する瞬間の演出も完璧、よく合っていた。ただ、『監獄ロック』など名曲の歌われた映画たちをスルーしてサラッと既出の曲として出てくるという英断に本作の製作においての取捨選択を感じた。あくまでステージ上の歌手とそこから降りた人生にスポットを当てる。
この作品を"愛さずにはいられない" ---《愛》ステージ中毒とファンの愛。本作によってオースティン・バトラーの名を世界中が知ることとなるだろう。ビートルズやディランが影響を公言したような、今尚最も売れたソロアーティストである"エルヴィス"という現象を体現する。色気ダダ漏れ腰クネクネ高速ステップも流石。その過程/道中、彼にとっての音楽的原体験を象徴する人物であるマヘリア・ジャクソンも亡くなった…。ただ、本作以前から"大佐"スノーマンの存在は知っていたから、いい作品だったけどツラすぎて二度と見たくない『ラブ&マーシー』のポール・ジアマッティのように搾取するさまを見るのが怖かった。しかもそれが世界で一番愛されている役者と言っても過言ではない"いい人"なイメージしかないトム・ハンクスが演じるという。世界ツアー回らせずに、ラスベガスのホテルインターナショナルに軟禁して、ディナーショーみたいなところでライブさせまくってたのヤバすぎ。例えば『ボヘミアン・ラプソディ』などとは違って、存命のときにはあの寄生虫野郎とは決別できなかったか…ただ、最後のアンチェインド・メロディーはヤバすぎて鳥肌立った。。エルヴィスは出ていきました。
P.S. 大々的にピンクな服はキツいかもしれないけど久しぶりに小物や靴下なんかでピンク色のものを纏いたくなった。あと、バズ・ラーマン作品で一番好きな『ムーラン・ルージュ』の人がエルヴィスの父親役だった。
試写会当たったのに仕事で行けなかったの残念
Snowman strikes back again!
【”不世出の偉大なるロックンローラーの孤独と哀しみ”エルヴィスのデビューから壮年期までを演じたオースティン・バトラーのステージングと、悪徳マネージャーを演じたトム・ハンクスの怪演に魅入られた作品。】
ー 年代的に、エルヴィス・プレスリーについては殆ど知らなかった。
曲も“ハートブレイクホテル””監獄ロック”を知っている程度であった。
だが、この作品で描かれる、ロックスターの華やかさの陰にあった、悪徳マネージャーのパーカー大佐との確執、稼いでも稼いでも消えていく大金、愛し合ったはずの妻プリシラとの別れなど、エルヴィス・プレスリーの辿った、大スクリーンに映し出される、ジェットコースター人生に物凄い勢いで、魅入られた作品である。-
◆感想
・エルヴィス・プレスリーが、幼少時に貧しきゆえに黒人街に住み、目にし、聞いたゴスペル、R&Bに感化されていく姿。
ー 彼の音楽的素養が、黒人音楽に有った事。
そして、1950年代の黒人蔑視の時代背景や、1960年代に入り、起こった人種差別撤廃を訴え続けたキング牧師を始めとする暗殺事件に影響されるエルヴィスの姿を、彼がスターダムに駆け上がって行く姿と対照的に描く手法の見事さに、唸る。ー
・保守的思想が色濃かった時代に、若きエルヴィスの腰を激しく震わせながら歌うスタイルの対しての、古臭い保守層からの批判。
だが、それを上回る女性達からの熱狂的な歓迎も実に巧く描かれている。
時代が変遷しつつあったという事も併せて。
・エルヴィス・プレスリーの才能を見出し、超一流のロックンローラーの地位まで引き上げたパーカー大佐を演じた、トム・ハンクスの怪演振りも凄い。
ー 鑑賞中、トム・ハンクスの事が物凄く嫌いになってしまった程である。
自分の借金返済のために”海外へ行きたい”と言っていたエルヴィスを、ラスベガス・カジノにあるインター・ナショナルホテルでのショーの契約を勝手に結ぶ、強欲振り。
酷い奴だが、エルヴィスをスーパースターに、育て上げたのも、パーカー大佐であるという事実。-
・何よりも、エルヴィス・プレスリーのデビュー時から壮年期までを、あの華やかなステージングと自らの声で数々の歌を歌い上げたオースティン・バトラーの凄さ。”こんなに凄い俳優だったのか!”と驚いた。
<パーカー大佐の企みにより、ラスベガスのカジノに出演し続けるエルヴィス・プレスリーの哀しき姿。彼はここでスターに返り咲くが、見返りは大きく過労を薬物依存でごまかす生き方から抜け出せなくなっていく。
晩年(と言っても、僅か42歳である。若すぎるであろう。)、愛する妻プリシラは去り、独り豪奢なホテルの一室で薬物に依存しながら暮らし、夜は大観客の前で歌い続けるエルヴィス・プレスリー。
何とも切ない物語であるが、それでも多くの人に夢を与え続けたエルヴィスのゴスペル魂溢れる姿を、オースティン・バトラーが渾身の演技と歌で魅せる作品である。>
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