「エルヴィスという時代」エルヴィス ke_yoさんの映画レビュー(感想・評価)
エルヴィスという時代
思春期の頃、偶然にビートルズファンになった私にとって、エルヴィスは「ビートルズに影響を与えてくれた昔のスター」という認識だった。
アメリカの長く根深かった(現在もだけど)白人至上主義と黒人差別がまだ強く文化や価値観を支配していた時代に、エルヴィスはいたんだね。
生い立ちに、生まれ持った資質に、時代のうねりが重なって、白黒融合の新しいカルチャーと、価値観を創り出した。いまも続くカルチャーと価値観を。
しかしそんな才能あるスターが、あんな強欲自己中マネージャーに、まるでマインドコントロールされているかのように逃れられず海外にすら行けないという恐ろしさが、とにかくすごく、すごかった。
トムハンクスを長く好きだが、今作では心底憎かった。
しかし今作で最も素晴らしいのはオースティンバトラーで、宣伝で見たとき全くエルヴィス感などないこの彼が、果たして出来るのだろうかなどと思ったことを会う機会もないのに謝罪したいほどだ。
エルヴィス、その人だった、まさに。
YouTubeで観よう、ビートルズに影響を与えた昔のスターではなく、時代そのものの、エルヴィスを。
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