「トム・ハンクスに食われることなく、ちゃんとエルヴィス・プレスリーの映画になっている」エルヴィス tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
トム・ハンクスに食われることなく、ちゃんとエルヴィス・プレスリーの映画になっている
キャスティングを見た時、マネージャーが主役なのかと思ったが、確かにトム・ハンクスの怪演は強烈ではあるものの、それでも、ちゃんとエルヴィス・プレスリーの映画になっていて、安心した。その点、オースティン・バトラーの頑張りには、拍手を送りたい。バズ・ラーマン印のきらびやかな映像も、随所で楽しむことができる。
エルヴィスの音楽の起源がブラック・ミュージックにあること、異端児扱いされていた彼が兵役に従事し、そこで妻と出逢ったこと、彼の活躍の背景に黒人の公民権運動や要人の暗殺事件が影を落としていたこと、彼が海外ツアーを行わなかった理由がマネージャーにあったこと、そして、何よりも、エルヴィスがその悪徳マネージャーに利用され、金をむしり取られていたことなど、色々と勉強になることも多かった。
ただ、冒頭で予告され、この映画の最大のテーマにもなっている「誰がエルヴィスを殺したのか?」ということに関しては、やや肩透かし気味であったように思う。ラストに、マネージャーの口から語られるそれは、あまりにも綺麗にまとめられ過ぎているのではないか?まあ、そうは言っても、肥満とか、ドラッグとかだと、身も蓋もない気もするが・・・
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