「NBAやWNBAのスター選手が大勢出演している点はもっと喧伝されるべき一作。」スペース・プレイヤーズ yuiさんの映画レビュー(感想・評価)
NBAやWNBAのスター選手が大勢出演している点はもっと喧伝されるべき一作。
『レディ・プレイヤー1』(2018)や『フリー・ガイ』に影響を受けた、あるいは企画が干渉しあった作品なのかと思いきや、マイケル・ジョーダン(マイケル・B・ジョーダンではない)がルーニー・テューンズの面々と共演した『スペース・ジャム』(1996)の正統な続編で、こちらの方が老舗のシリーズだった!
前作に絡めたギャグを入れたりと(「彼」をあんな風に扱っていいのか…)、続編的な位置づけを主張してはいるんだけど、それにしても展開がよく似ているため、焼き直しじゃないの?とちらっと思うところもなきにしもあらず。しかしワーナー・ブラザーズの最新の映画キャラクターを大量に登場させたり、PCゲームの要素を取り入れたりと、それなりに時代に合わせて進化しています。仲間を集める段階で色々な作品の印象的な場面をなぞった映像が続いて、おおっ、となったけど、膨大なキャラクター達はその後、まさにモブ・キャラ(というかコスプレした観客)程度の存在感しか発揮しておらず、非常に口惜しいというかもったいないというか。ここは『レディ・プレイヤー1』などの近作を参考にして欲しかった…。この辺りにワーナー・ブラザーズのキャラクター達の扱い方や姿勢がちらっと見えたような気がして、作中のワーナー社内に構築された「サーバー・バース」って、ほんとにあるんじゃあ…、と感じました。
レブロン・ジェームズを始め、本人役での出演多数ですが、さすがにレブロンの家族役はご本人たちではありませんでした。そして極悪チーム『グーンスクワッド』は特異な風貌とプレースタイルについ目が行ってしまうけど、「中の人」はNBAやWNBAのスター選手ばかり。よく出演したな、とかスケジュール調整が大変だったろうな、と思うけど、これもレブロンの威光かな。
日本では興行的に苦戦している様子。悪役に(無意味に)かわいいアシスタントキャラがいたり、キャラクターのふるまいが子供じみていたりと、明らかに低年齢層を意識した作りになっているけど、さすがに現在の日本の子供達はルーニー・テューンズに親しくないだろうから、作風と観客層に齟齬が生じていました。そのこともあって、日本での苦戦は仕方ないかも。…と思っていたら、本国の興行成績も同様に芳しくない様子。ゲームのデザインをここまで取り入れるのであれば、もっと高年齢層を視野に入れた演出にするべきだったのかも。