「WB100年の歴史の集大成! これがつまらない訳がない!…と思ったんだけど😅」スペース・プレイヤーズ たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
WB100年の歴史の集大成! これがつまらない訳がない!…と思ったんだけど😅
バスケ界の神様マイケル・ジョーダンとバッグス・バニーでお馴染みのカートゥーン・アニメ「ルーニー・テューンズ」がコラボした1996年公開のスポーツ・コメディ映画『スペース・ジャム』の、25年ぶりの続編(実写×ルーニー・テューンズというコンセプトでは共通しているアドベンチャー・コメディ映画『ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション』もシリーズ作として換算するならば、18年ぶりに作られたシリーズ3作目である)。
ワーナー・ブラザースのサーバー世界、「サーバー・バース」に取り込まれてしまったNBAプレイヤーのレブロン・ジョーンズと彼の息子ドム。
元の世界に戻る為、サーバー・バースのキングであるアルG・リズムとバスケットボールで勝負することになるのだが…。
サーバー・バースの支配者、アルG・リズムを演じるのは『オーシャンズ』シリーズや「MCU」シリーズの、名優ドン・チードル。
バッグス・バニーの恋人、ローラ・バニーの声を演じるのはMCU版『スパイダーマン』シリーズや『グレイテスト・ショーマン』の、名優ゼンデイヤ。
また『クリード』シリーズや『ブラックパンサー』のマイケル・B・ジョーダンが本人役でカメオ出演している。
第42回 ゴールデンラズベリー賞において、最低前日譚・リメイク・盗作・続編賞/最低スクリーンコンボ賞/最低主演男優賞を受賞🌀🌀🌀
正直な感想を言っちゃうと、「あのワクワクする予告編からの本編がコレかいっ💦」という感じ。
これは…あかんのではないでしょうかねぇ…。
自分はルーニー・テューンズのファンでもないし、NBAにも全く興味がない。
知っているバスケ選手なんてマイケル・ジョーダンと八村塁くらい。
とはいえ、前作『スペース・ジャム』も、コンセプトが共通している『ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション』も鑑賞済み。このおかげでルーニー・テューンズのキャラクター達には馴染みがあるため、本作の雰囲気にはすんなり馴染むことが出来た。
ちなみに、本作はシリーズ物ではあるがストーリー的には前作とは全く繋がりはない。
繋がりといえばバッグス・バニーの「前にもこんなことあったような…」というセリフと、『スペース・ジャム』の敵役だったエイリアンズが観客にいることくらいか。
本作ははっきり言ってレブロン・ジョーンズのアイドル映画。従って、レブロン・ジョーンズのファンだという人なら楽しめるのかも知れない。
また、クレイ・トンプソンやアンソニー・デイビスといったNBAプレイヤー達も出演しているので、バスケのファンなら楽しめるかも。
しかし、それ以外の人には正直お勧め出来ない。
まずもって問題点を申し上げると、ずばりテンポが悪い。
前作『スペース・ジャム』はランタイムが87分。対して本作のランタイムは115分。
『ジャム』も『プレイヤーズ』もやってることは大体一緒。実在のバスケット選手がバックス・バニーたちと協力して悪いやつをやっつける。
それなのに、本作の方が30分も長いというのはどういうこと?
観たいのはレブロンとテューンズの絡みなんだから、前半の家族パートとか無駄に作り込まれた世界設定の説明とかを一切省いて、さっさとサーバーの世界で冒険すれば良かったのに。とにかく前半が退屈だった。
そんで一番問題なのは、レブロン×テューンズの化学反応が全く起こっていなかったこと。
レブロンがテューンズの世界に落とされると、彼がアニメーションのキャラクターになっているという展開。
ここは違うだろ〜💢
実写のままのレブロンがアニメの世界をウロウロする。これにより生まれるケミストリーこそが観たかったのに。『ジャム』の時はやっていたじゃないか。何故本作では出来ないのか?
まあもうアニメになったのは良いよ。
その後、レブロンとバッグスが向かうのはDCアニメの世界。
ここも違うだろ〜💢💢
アニメのキャラクターがアニメの世界に行っても驚きは少ない。ここはそれこそ『ハリポタ』の世界とか、『ロード・オブ・ザ・リング』の世界とかに行って、レブロンとバッグス・バニーが珍道中を繰り広げるという展開にすべきでしょうに。
『マッド・マックス』の世界に行ったのは良かったと思うが、あそこはもっと見せて欲しかった。それこそテューンズたちの暴走で本来の『マッド・マックス』の物語がグチャグチャになっちゃうとかさー。そういう驚きとワクワク感が少ないんだよー。
そしてそして、いざアルGの軍団とのバトル。レブロンは実写に戻り、そしてテューンズは3DCGへと変身する…。
ここすら違うだろ〜💢💢💢
テューンズは2Dアニメだからアメージングなのであって、3Dにしちゃったら魅力半減だよ!
実写と2Dアニメの融合こそ、『スペース・ジャム』の売りだったのにそこを捨ててどうするんだ!?
大体CGのキャラと実写のコラボなんて今時珍しくもなんともない。というか、殆どの作品で行っているんだからそこを売りにしてもどうしようもないだろ…😅
本当に一から十まで間違ってるのよこの映画。
本作の根本的な問題は、「ワーナー・サーバー・バース」とかいう、あまりにも壮大な設定をぶち込んでしまったこと。
ワーナー・ブラザースといえば、1923年創業の老舗中の老舗。
1923年といえば、まだアカデミー賞もミッキー・マウスも存在していないですからね。どんだけ歴史あんだよということですよ!
そんなワーナーの世界が一つになったサーバー・バース。
どんなキャラクターたちが登場するのか、ワクワクするじゃないですか!予告編も良い感じだったし、期待を高めて鑑賞したら…。アレ、なにこれ?
マスクやペーニーワイズ、キングコングなんかのアイコニックなキャラクターは登場するんだけど、はっきり言ってモブ。
唯一見せ場があるのはワンダーウーマンなんだけど、それでもゲストキャラクター扱い。
はっきり言ってワーナーの保有する莫大な財産を全く活かしきれていない。権利関係とか色々あるのかも知れないが、こんな雑にしかワーナーのキャラたちを扱うことが出来ないのならワーナー・サーバー・バースなんて大風呂敷を広げるのは辞めて、ルーニー・テューンズの世界だけで勝負すべき。それで時間を90分くらいに纏めてしまった方が、本作の身の丈には合っているように思う。
物語の風呂敷を広げれば良いというものではない、ということをこの映画で確認する事ができました。
唯一よかった所は日本語吹き替えかな。
ルーニー・テューンズのキャラクターを担当するのは、昔ながらのベテラン勢。
やはり安定感が抜群で、山口勝平のバッグス・バニーや高木渉のダフィー・ダック、こおろぎさとみのトゥイーティーを聞けただけで幸せ…💕
でもこれもねぇ…。
敵のキャラクターをどこの馬の骨とも知れぬド素人が吹き替えている。
この昨今の吹き替え業界の悪癖が癪に触る。
誰が野田クリスタルや村上佳菜子、丸山桂里奈の吹き替えなんか聞きたがるんだ?セリフが少ないのがせめてもの救い。
あと良かった点といえば、マイケル・ジョーダン登場の件!
「身長198cm、背番号23…」でおおっ!とさせておいてからの…、いやBの方かーいッ!!😂
あそこは声をあげて笑っちゃった!
あそこのMBJの腑抜けた演技も最高!
本作の製作にライアン・クーグラーが携わっているから、MBJが出演してくれたんだろう。
今回で何回目のコラボなんだこの2人?仲良すぎだろー…😏
スティーヴン・ユァンの出演も嬉しかった!
『ウォーキング・デッド』シリーズを観てからというもの、彼に愛着が湧きすぎてもはや他人とは思えない。
MBJ &スティーヴンという大好きな俳優が出演してくれているので、ダメダメな映画なんだけどなんか満足感があるんですよねー。
前作『スペース・ジャム』には全く及ばない出来であり、ルーニーさの薄いただのレブロンのアイドル映画ないしはPVになってしまっている。
NBAに興味がある人なら一見の価値ありだが、それ以外の人にはオススメは出来ないですね。
ビル・マーレイ突然の加入&レブロンのゴムゴムダンクが観れたらもっと点数上がったんだけどな〜🤣