劇場公開日 2022年3月11日

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「演出いいのに、話がすごく普通ぅ!」THE BATMAN ザ・バットマン 今日は休館日。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0演出いいのに、話がすごく普通ぅ!

2022年3月27日
iPhoneアプリから投稿

演出とかカメラワークは、かなりしっかりしてると思います。絵的には3時間観客を引き込んでいく力がある。ただその引き込まれた先にあるシナリオが、まぁシンプル。というか普通。

過去作との比較を抜きにしても、ちょっと脚本が薄いなぁと。意外性がなく、定型文のようにお話が進んでいく。話の軸とするには、サスペンス要素がちょっと普通すぎる。
再シリーズの一作目だからかな、とも思うが、それにしては状況説明や動機付けがぬるっと省略されているので、決して初心者向きではない。初動の動機付けを端折ってテンポを優先する、という判断はわかるけど、バットマンがずっとフワフワでゆるゆる。ある意味ボンボンのダメな感じは出てますけどねw

あと全体的にとても気になるのが、既視感というか、古臭さ。特にリドラーのオタクサイコパス感、古いですね。「僕が捕まっても、ネットの中に僕と思想を共有する名のない個人の集まりが……」。古いですね。プロットとしては10〜20年前に持て囃されたような感じ。なぞなぞを土台とした劇場型犯罪ってのもね。新味はないです。

バットマンとキャットウーマンのイチャイチャも、なんか昔の映画を見てるようで。まさか今時そこがキスすると思わなかった。突然のハリウッド味。

最後には「悪者を殴っていた拳を開いて、苦しむ人達に差し伸べる」始末。まぁ別に様式的なものが悪いわけじゃないですよ。ただこんだけ作品全体で匂わせておいて、そんな道徳の教科書みたいなオチはねぇ。別れ際のワイルドスピードごっこは、ちょっとやりすぎですし。

いうてバットマンが成立してる世界観ですから、細かいリアリティを求めるのは野暮なわけで。ただ既視感に溢れるコラージュ的なプロットは、映画として気になる。シリーズ続けるんなら、脚本を見直して頑張って!って感じス。

※リターンズが大好きなので、またペンギンに会えたのはアガりましたわ。

今日は休館日