劇場公開日 2022年3月11日

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「骨の隅々まで美味しい映画」THE BATMAN ザ・バットマン fairlightさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0骨の隅々まで美味しい映画

2022年3月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

興奮

本作を流行りのアメコミ映画だと思って観てはいけない。
ましてや、ホアキン・フェニックスの「ジョーカー」のような映画だと思って観てもいけない。
本作は、「バットマン映画」なのである。

本作を観る前に必要な知識は一点だけである。
それは、主人公ブルース・ウェインは子供の頃、目の前で両親が撃たれ、天涯孤独。家族と言えるのは執事のアルフレッドだけの大富豪。
この知識さえあれば、本作は存分に楽しめる。

この映画を観ているとウケを狙っているわけではないのに、笑ってしまうシーンがいくつか出てくる。
その滑稽さが本作の最大の魅力である。

ヒーロー映画では、ウケ狙いではないシーンで笑う事は許されない。それは、映画にのめり込めていないからである。ヒーロー映画はのめり込んでなんぼの娯楽映画だ。

しかし、本作はのめり込んで観ることを強要しない。むしろ、第三者的視点から鑑賞することを強要する。
滑稽さがバットマンの狂気を滲ませ、本作を「バットマン映画」へと昇華する。

バットマンは、精神疾患を患った人々の物語なのである。
そこに正義はなく、あるのはバットマンとヴィランたちの快楽だけである。

fairlight