「知能犯に翻弄される、心に傷を負ったダークヒーロー。」THE BATMAN ザ・バットマン アルさんの映画レビュー(感想・評価)
知能犯に翻弄される、心に傷を負ったダークヒーロー。
全体的に薄暗いシーンが多く、内容は完全に一見さんお断り。ある程度の予備知識が無いと、それぞれの関係性が分からず戸惑うかも。
だが、それを余りある"演出"で、鑑賞者全員ゴッサムシティに連れて行ってくれる。
従来の勧善懲悪な【バットマン】と違い、繰り返される謎解きと殺人。強めの推理サスペンス要素。ここを素直に楽しめるかどうかで評価は大きく分かれると思う。
ゴッサムシティの闇の部分である、ドラッグ、政治、汚職、隠蔽など、過去作よりもリアルに社会問題と重ねたテーマ。ブルースの父、トーマスの死も深めに絡めて、名作【JOKER】と良い意味で''対''になりそうな位置付け。
辛口に敢えて言うならば、3時間の長尺ながら後半が締まり切らず緩んだ印象。ストーリーに重きを置いた展開だったのに、ラストはアクションの見せ場に頼ってしまったか。それでも、続きを想像してしまうラストは良かった。
ブルース・ウェインがバットマンとして動き始めて2年目という設定の為、アクションもガジェットも控えめ。葛藤しつつ、秘めた激情を見事に表現したロバート・パティンソンは予想以上にハマっていて素晴らしいの一言。
バットモービル登場シーンが、とにかく半端無く格好良い!!IMAXだと身体中にエンジン音が響き渡り、心地良さは文句無し!カーチェイスも大迫力!
個人的にコリン・ファレル好きなのだが、ペンギン役が全く分からない程。キャット・ウーマン役ゾーイ・クラヴィッツもアクションにキレがあり、格好良く綺麗でセクシー!ここも続編やスピンオフにも繋がりそうなので期待。