「時代は変わった、パラレルマトリックス。」マトリックス レザレクションズ 水曜日さんの映画レビュー(感想・評価)
時代は変わった、パラレルマトリックス。
マトリックスの続編が出るなんて、思いもしなかった。
最も好きと言える作品の新作で、本当に楽しみにしていました。
ただ、懸念だったのは予告編でのあまりの普通さ。これはまたキアヌ が新境地のトンデモ作品に出るのか・・・?と思えるほど、「あのマトリックス」は感じられなかったこと。
やはり懸念はあたり、終始明るいな、とにかく明るいな、というのが印象的でした。
〜以下ネタバレ含みます〜
ローレンス・Fではないとにかく明るいモーフィアス(出ないことにすら意味がある圧倒的存在感。出なくて本当によかったことについては後述)、透き通る青い瞳のエージェント・スミス、バレットタイムからのゾンビ映画さながらの戦い、ネオのかめはめ波、派手にイメチェンしたメロビジアン・・・
<キャストについて>
キアヌ 、キャリー、バッグス役のジェシカ・H、プリヤンカ・Cはとてもよかった!!!!あの二人じゃないとそもそも話が成り立たないんですよ。そういう納得感を持たせるところが本当にすごいですよね。大好きです。
登場シーンが多いからではなく単純に魅力的だったのがバッグスです。妙な安寧が訪れた生温い世の中に、己とは?自由とは?と問うて危険を顧みず変革の最前線に身を投じるもう一つの主人公的立ち位置がぴったりだったと思います。彼女がいないと話が進まない、穴へ誘う闘うウサギでした。
そして大人になったサティーが出てくるとは胸熱でした。(彼女のエピソードはつらいですね、、、優しいご家族なのに。。。)正体がわかるまではフラッシュバックのなかでウィンクするめちゃ可愛いあの子は誰なんだ、ってかんじでしたが、まさかの登場にうれしい喜びでした。
これは本当ごめんなさい、よくないこと書くのですが、他のキャストの印象が薄いのが印象的でした・・・。エージェントはそういうものとしてスミスもナイオビの部下もふわっとしていておや?と思いました。わざとでしょうか?
前作の方が続投してほしかった、とかではなく単純にこの人である必要性が薄く感じられてしまいました。あ、でもバッグスってレクシーと恋仲なのかな、キャッと思わせる場面とか相変わらずいろんな人種がいるのはやっぱいいな〜と思いました。
<脚本について>
人間は機械にとってエネルギー源だという前知識がないとただおぞましく、ネオとトリニティーの存在意義もわからないかもなので機械同士の戦争があったというのはすごい着想だと思いました。
ゾンビ映画はやめてほしかった。あと人間爆弾はいかがなものかと・・・。それにネオの力シリーズの表現がダサすぎませんか。終始カメハメ波的なアレでなんとかし続けるのは微妙だし、二人で飛ぶシーンも苦笑せざるを得ません。
アナリストがただの姑息で嫌なやつとして描かれているのもかなり、明るいな。と思った要因です。わかりやすい敵すぎて、物語が深まらないというか。
前作のアーキテクトが良すぎたからかもしれません。
<映像について>
とにかく明るいです。
まず、陽気なモーフィアスの出立、キャラクター。赤いピルを服用してラリってしまうあたりも、非常にライト。
<全体の感想>
マトリックスが今の時代にまた公開されることに、大いなる意味があるとものすごく勝手に思っていたのですが(フェイスブックの社名変更が直前だったのが驚きのタイミングというこじつけ)、すげー映画なんだよ!と事前知識のない人をポカンとさせ、マトリックスオタクを茫然とさせる作品だったかと思います。
初見の方→なんかすごい前評判だったけど、示唆は多いけど意外とわかりやすい話なのね
オタク(我々)→そうきたか、ラナ。うむ・・・(熟考のち懊悩)。
トリニティーの覚醒のとき、赤いピルはもはやいらない。というのは新しいですよね。通過儀礼をとっぱらってスムーズに真実の自分に目覚めるのが。ただ夫になんの未練もないのが悲しいですね、子供がいなければ速攻で覚醒していた気がします笑