「マトリックス Ver.7」マトリックス レザレクションズ takaさんの映画レビュー(感想・評価)
マトリックス Ver.7
前3作においてネオとトリニティにより旧マトリックスはバージョンアップし
いわゆるバージョン7の世界になったマトリックスの世界。
旧マトリックス(Ver.6)はグリーンのフィルターがかかったような色味だったが
本作ではオレンジのような明るめのフィルターであった。
リアルワールドにいる人間はそのまま生活を続け
マトリックスワールドにいる人間はそれを良しとして続けた
両方の世界が存在することとなった。
そして旧マトリックスは世界的に大ヒットしたゲームのトリロジーとされ
4作目を作ってくれというスポンサーサイド(ワーナー)とゲーム制作会社の意向に
悩む主人公が本作のネオである。
ある意味この立ち位置は監督であるラナ・ウォシャウスキー自身と重なる。
ネオとトリニティの存在は機械側にも有用な存在として捉えられ
二人とも復活されエネルギー源へとされていた。
マトリックス自体がキリスト教の影響を受けているのは
周知の事実であり、彼らが復活(レザレクション)するのは
本作品の本懐を理解しているのならありえる続編と言える。
ただ本作はレザレクションズと複数形であるのが肝。
メタ要素に括られた作品と揶揄されるのはもちろんで旧作をしっかり見ていることや
監督や製作陣の裏側を知っていて初めて理解できる演出などがある。
いわゆる一見さんお断りの風潮なのは続編において仕方ないのかもしれないが
とはいえ演出力やアクションシーンにおいても旧作を超えるものはない。
ストーリー上においてもループというワードを使っているため、
序盤からネオ復活に至るまでは1作目に近い展開。
しかしそこまでも長く、もう少し早く進めても良かったのでは。
またネオは復活するにおいても赤・青のピルを飲む選択を委ねられるも
トリニティにはその選択肢を与えられなかった。
もっと言えば自己的に目覚め覚醒したという意味で
性転換した監督の女性へのウーマンリブ的な心境が強かったのだろうか。
1999年に1作目が公開され約20年。
本作鑑賞中にメタという名前が使われていたが(ネオの机の上のプレートに記載?)
Facebook社がメタ社に改名し、メタバースという仮想空間を提供するといわれている。
マトリックスはまさにリアルに存在しようとしているという布石のように感じられる。