「殺しこそ」モータルコンバット Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
殺しこそ
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闘いは次の闘いの呼び水でしかなく、ヒューマンドラマもラブストーリーも、この作品では全部、徹底的に失われていた。これこそ「オールユーニードイズキル」。殺しが全て。原作のゲームは知らないけれど、家族の物語も散発的。
でも、ハンゾウの血脈と家の話は、色々と取り込んで欲しかった。面白そうだったし。
話の序盤でいきなり、ヒトと魔物の決戦で魔物が9連勝中だが、あと1勝されるとヒトの世界は魔界に飲み込まれてしまう、大ピンチだと告げられる。そうか、唐突でも物語は間違いなく闘技場に向かうのだ。
激しく素早く正しい格闘技が繰り出される。魔術との融合もさすがに巧みで、華やか。
サブ・ゼロが敵の血を凍らせて刃に変える技には、黒魔術の様式美みたいなものを感じた。
魔術は使わず、主に格闘技専一の真田さんの乾き切った顔つきも、ある種の様式美。
闘士たちのキメ顔がやたらに出てきました。
美しいと言えば、山奥の家の佇まいとか、魔界メンバー集合のシーンや雷神の洞窟に向かうシーンなど、背景がファンタジックな世界観に溢れていた。こう言うのは、本筋ではなくてもいいですね。
ただ、最初に骨格が露わになってしまった物語に、やっぱり捻りが欲しかった。天候に魔力が加えられて炎の魔術が使えなくなるとか、軍関係の第三勢力が出現して雷系の技が妨害されるとか、ハンゾウの復活が匂わされるとか。
美男の帽子使いの技には、残酷を超えてワクワクしてしまいましたが、山田風太郎さんの忍法帖に似た術がありました。風太郎さんの忍者は、刃付きのシンバルみたいな銅板で敵の首を飛ばします。
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