劇場公開日 2021年3月19日

  • 予告編を見る

「主要な人物、全員クズで好き」トムとジェリー callさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0主要な人物、全員クズで好き

2021年3月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

トムもジェリーも、そしてほかの登場人物も全員が全員、悪行がひどい。
……というのも80年ほど前に誕生したキャラクターなので倫理観もその当時のものなのでしょう。

創作と現実をごっちゃにして現実に持ち出すバカはいない、という前提の古き良き時代。
個人的にはそれでよいと思います。
現実にはありえないようなバカな真似をしてる映画を見て、倫理的なものからの解放感を感じてそれを面白がればよいのです。

トムとジェリーは名前は知っていたもののあまりしっかり見た記憶がありません。
なんなら二匹の基本的な性格も今回初めて知りました。
そんな状況で、子どもに連れていけと言われたのでついていった感がありますが、
それでもしっかり楽しむ事ができました。

大人になり「うわぁ、こんな事して、後が怖いぞ……」という現実的な観点を持ってしまった私は
この状況の後始末をどうするかといういわば余分な贅肉的な方向に考えてがいってしまって、
素直に笑えない場面が多々あるのですが、エンタメ作品にそんな野暮な事を考えてはいけませんね。
ピーターラビットのような変にリアルなCGにしなかったのも(作品の内容からして)良い方向に転んでいると思います。

子供の視点なら、とても楽しい作品に仕上がっていたのだと思いますし、私自身も退屈で眠くなるという事はありませんでした(少なくとも同行者は楽しかったようです)
しいていうならばドタバタシーンが多すぎで、いいからさっさと話を進めてよとは思いましたが……、これもきっと野暮ですね。

call