「軽妙で深い、アカデミー作品賞ノミネートも納得」ドリームプラン sysrさんの映画レビュー(感想・評価)
軽妙で深い、アカデミー作品賞ノミネートも納得
ビーナスとセリーナの姉妹を世界チャンピオンに育てたお父さん、リチャード・ウィリアムスの実話
予告編に「二人が産まれる前からその為のプランを作ってた」って台詞が流れてて、ある意味虐待を肯定する感じだったら嫌だなーと思って観たら、その真逆も真逆だった
一握りのスター選手を輩出する育成システムって、裏を返せば、親の期待を背負った子供たちを食い物にして成り立ってるところあるから、才能一本勝負で突き進んだ親と子はその夢が破れたときに取り返しのつかない状態に陥りかねない
お父さんそこ憂慮してて、姉妹に良いコーチをつけることには妥協しないけど、既存のキャリアパスにのせることには断固反対する
でも世の中一般は、そんな出来上がってるシステムをまず是として捉えるから、そこからはみ出しちゃってるお父さんをエキセントリックな人として見ちゃう
原題は『King Richard』
多分アメリカの人は昔、このお父さんが面白おかしくテレビで取り上げられるのを見てたんだと思う、でもその家庭には、これだけの思慮と愛情があったんだ、ってことへの驚きと畏れの結果がアカデミー賞6部門ノミネートなんだろう
そこ肌感覚ないことを差し引いたって充分素晴らしい
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