DUNE デューン 砂の惑星のレビュー・感想・評価
全566件中、301~320件目を表示
壮大・繊細・共生
まずは、大自然、宇宙、権力を大迫力な音楽とともに堪能できるSFの良さが詰まってて心は満たされる。
登場人物も皆好きになれる愛着を持ち合わせていて、すっと物語に入り込める。
いや、ただいくらなんでも死にすぎ、、。
惑星を支配して宇宙を掌握するというスターウォーズみたいな雰囲気かと思ったけど、中身は大きく違う部分を感じた。砂漠の惑星デューンで暮らしいている先住民たち。砂漠という過酷な環境+砂虫の脅威に晒されながら生きていかなければならない中で身につけた共生。権力であるがままにするのではない。毎日を生きて、自分たちの暮らしをする。それを守るために強くなる。現代において重要なテーマである共生を描いているのが、ナウシカを思い出して少し好感。
そのほか、惑星によって服装、言語、文化、それぞれの世界観がある感じや、まだよく分かってない未来が見えるや、言葉で操れる特殊能力など、見てる側を楽しませてくれる仕掛けもたくさん。
まだ始まったばかり感むんむんのまま、次回作に期待せずにはいられない!
そしてなによりキャストが豪華すぎる。
個人的に好きだったダイカンまで死んでしまうとは、、、
次回のニューキャストも楽しみですね。
予備知識無しでも悪くない
前後編らしい、過去の作品のリメイク位の情報しか持たず鑑賞。分からない事がどんどん出てくるが、テンポが早いので、色々置き去りにさせられながらも、物語に入り込んで行ける。 映像も素晴らしい。 マーベルや、スター・ウォーズのような、分かりやすいハッピーエンドが描けるのかは分からないが、様々な伏線、置き去りにされた事が回収される事を期待して、後編も、勿論見に行くと思う。
過酷な環境と境遇
この物語、星(点)をこの時点で付けるのには少し躊躇します。
面白かったのは確かなのですがオープニングにPart ONEと表記され、視界を遮り体に纏わりつく砂の様に主人公の周りを暗雲が立ち込める情景で終わる1作目。この後どの様な物語が語られるのだろう。その期待感はかなりのものです。
なので監督がこの作品をどう帰結させるかまで観て星を付けたい感じです。
単純なキャラクターは出て来ず登場人物それぞれの願望、思惑、欲望が入り乱れつつ話が進みます。
また関係性や用語については最小限の説明のみにすることで、それぞれのキャラクターのバックボーンを観客に想像させてるように思いました。
主人公はひ弱な存在でありながらも周りの想いを背負い、自問自答しながらもぼんやりとした未来図に縋り、大事なものを護ろうと不確かな未来に踏み出す姿が、誰しも不安を抱えるながらも希望を持ち続けることの大切さを与えうる物語になってるように思いました。
圧倒される
原作好きだったとか、リンチ版も割と好きだったとか、ティモテくん気になるとか、吹替の入野自由の声聞きたいとか、色々な要素が絡み合って、とりあえず近所に見に行った吹替版、そして満を持して行ったIMAX字幕版! 良かったわ。 シンプルによかった。 変に説明的じゃないこととか、吹替先に見たからあんまり字幕見ないでも問題なかったこととか(即成栽培帰国子女なので英語のヒアリングは割と得意)、そういうのも含めてよかった。 映像、音楽、音響。 衣装デザイン、狩猟言語、世界観の描き方。 イルーランやフェイド・ラウサを端折ったこと(後半にアリアとかとまとめて出てくるんだろうけど)。 モモアいい味出してるとか、ジェシカの造形が自然でよかったとか、自分が原作読んで見てみたかった萌えどころがどれも丁寧に表現されてて、痒いところに手が届く感があるところ。 砂漠がともかく美しいこと、カラダン、ジェディプライムの雨の美しさ。ノルウェーの海岸の懐かしい感じ(行ったことないけど、スコットランドの西海岸と雰囲気似てる)。 シャラメの10頭身に驚愕し、母子の焦ったい関係性にもヤキモキし、父子の愛に心動かされ、溢れる涙を見るたびにつられて泣きそうになり。 この作品は、人工の神話や伝説を必要としたアメリカ人にとってこそ、意味のあるSFコンテンツなので、日本人にそこまで受けない可能性はあるけど、御伽噺的、英雄譚的なわかりやすい作りも、衒学的な凝り具合も、当時は先進的だったエコロジー的発想も、現代ならではのテイストでうまく表現されている。各所、よくバランスが取れていて、見る価値があると思う。 筋立てそのものは、もろに日本人好みの貴種流離譚だしね。 訳分からなくてつまんなかった、という感想になる可能性はあるけど、ちょっとだけ予習すれば、分からなくなるほど入り組んだ話でもないので、ぜひ食わず嫌いせずに見て欲しいな。 スターウォーズやブレードランナー、エイリアンなどのラインのSFの礎となった、アイデアに満ちた作品だし、王蟲の方が勝ってる、と思ったリンチ版のサンドワームとコンセプトは一緒だけどチャチじゃない。 ありとあらゆる描写の質感が気に入って、作り物に見えなくて、あの感覚を味わうためにも、ぜひもう一度見に行きたいと思っています。
よく出来てた!
原作未読、アトロクのDUNE特集を聞いて、ホドロフスキーのDUNEを観直して、すごく観たくなって、IMAXへ!
ドゥニディルヌーブ(ヴィルヌーヴ?)のメッセージが大好きで、ブレードランナーは豪華で長くて悲しかったなと思って、DUNEはどうなるんだろう、というか、「DUNE 砂の惑星」公開って、視界には入ってたけど、あ、あのDUNEか、え、監督ドゥニヴィルヌーヴか、て公開されてから気付いて、なんか猿の惑星的なやつかと思ってたのかわたしは・・🐒
それで観に行って、音楽ズーンドーンってハンスジマーだー、ティモシーシャラメ美しいー、SFだーって、で、やっぱり長かったけど、間延びしてるように感じるところは無かった、あと何が起きてるか分かりやすくて、物語がすすっと頭に入ってくる、知ってたかのごとく入ってくる、でも後編どうなるんだろうか、砂の惑星が水を取り戻して終わるのかな?知りたく無いから観てから原作読もうっと。
話が予想通りに進んでいき過ぎるかなという感じもした。原作があるので仕方ないのか。メッセージは原作が短めなので、映画的に膨らませててすごく豊かになってたけど、DUNEは原作が長めだから(読んでないけど)原作をなぞっている感じになってるのかな?それとも、シャラメが未来を観てて導かれるように進んでいるからそうなのかな?!(それとも原作は読んでないけどホドロフスキーのDUNEとか観て大体内容が頭に入ってたのかな?そうかもな?)
砂虫が現れるとことか、迫力あった、ティモシーシャラメがナウシカのように見えたところが面白かった。(宮崎駿がDUNEに影響を受けてナウシカを作った)虫っぽい飛ぶメカも良かった。
これからもっと精神的な話になってきたりするのかな?後編が楽しみ!
壮大で贅沢な序章
ポールの成長譚として面白く観ました。線の細い不安定な彼が、父や親しい人の死、自らの死や生に対する恐怖を経て、自分の足で立つ一人の男になりましたね。憑き物が落ちたような自信ある堂々とした姿に拍手です。 未来を視る力が物語にどう関わってくるのか、続編が楽しみです。 しかし悪役のおじじはわかりやすくて物足りない、黒幕の皇帝のあくどさに期待します。
なぜ邦題にパート1とつけなかったの?
本作はパート1です。恐らく三部作になると思われますが、その序章なので知らずに見に行くと疑問しか残らないのでご注意下さい。冒頭でパート1と出て来て面食らいました。 オリジナル?(リンチ)版は一度だけみたことがある程度なのでそこまでファンではありません。それでもビジュアルの奇抜さやサンドワームの恐ろしさはよく覚えています。敵の男爵がやたらと汚かったのも覚えています。 本作はそんな私でも「あー。あったあった」と 思い出せるくらいにはリンチ版の演出を踏襲しています。今後がどうなるのかは分かりませんが、リンチ版のファンでも安心してみられるのではないでしょうか。しかし単に綺麗にリメイクしたわけではなく、ビジュアルや音楽、演出はIMAX専用のフィルムを使っているというだけあってかなり気合いの入ったアップデートが行われています。 序章なのでまだ派手な戦闘や戦争シーンは申し訳程度しかありませんが、映画館で、しかもIMAXで是非ともみてほしい一作です。
IMAXの真価
かつての映像化の酷評を理由に不安が漂う中で、ドゥニ・ビルヌーブがどこまでの完成度に仕上げられるかが注目されていたこの作品。 結果としては充分と言えるのではないだろうか。元より2部構成になると言われていた中での、2時間半越えの上映時間。時間を忘れさせられるほどの映像美と没入感であった。この没入感を生み出すのはIMAXでの鑑賞ゆえだろうか。通常盤での鑑賞による比較は必須と言えるだろう。 1部では、ハンコンネン家への反撃や、ポールの開花した能力の使用による戦闘について一切描かれていないためメインストーリーは2部に持ち越しとなる。 しかし2部構成であるが、続編の製作は正式には決定していないため、今や引っ張りだこのZ世代俳優のティモシー・シャラメのスケジューリング含めて不安が残る。 多くの用語や登場人物の説明をふっ飛ばした前編なので、後編でどこまで疑問を吹き飛ばせるかでこの映画全体の完成度を左右するだろう。
後半からが面白い
原作も読んでいなくて予備知識ゼロで観たものですから、前半は惑星名や家名、人物名を把握するのに精一杯でございました苦笑。
加えて、ずーっとモノトーンとセピアの映像で、派手なアクションもなく淡々と進むため、少し退屈感はありました。
映像が暗いのがずっと続くと、明るい色彩が欲しい〜って思っちゃった。
それでも、唯一我慢して観ていられたのは、ティモシー・シャラメのおかげです。
とにかく流し目や仕草が美しく、どこか憂いのある表情といい、絵になるし、ずっと見ていたいって感じで惹きつけられるのです。
どこかで見た顔だなと思ってたら『インターステラー』の息子役で出てきた子だったんですね!
『インターステラー』もドハマリして3回は観ましたよ。
そんなことを思いながら前半はティモシー・シャラメを愛でながら退屈を紛らわせておりましたが、後半からが面白くなってきました!
ひ弱だったティモシー・シャラメが、殺された父の遺志を受け継ぎ、フレメンと手を組むまで…この成長プロセスがとっても良かったです。
現代版スターウォーズというところか。
『スターウォーズ』では諸事情でエピソード4からの公開で、生い立ちなどは後のエピソード1〜3で分かるという順番でした。
本作は時系列に沿って公開されていく分、前半は登場人物への感情移入はしやすくなるかも。
ポールの成長を見守りながら、フレメンの女性や仲間たちと帝国に逆襲するまでを一緒に応援したくなるような、そんな気分にさせられましたし♪
ポールがティモシー・シャラメでなかったら、ただの駄作になっていた可能性はあるかも。
ツッコミどころとしては一万年後の未来なのに、中世のような衣装で刀だけで闘うの?!という感じはしたかも。
個人的には予想を超えるハイテクなガジェットが出てくる方がワクワクするかな。
とはいえ、ティモシー・シャラメが好きなので笑。
続編も楽しみにしています!
納得の映像美ですが原作を知らないと納得いかない点多々あり
遥か未来の西暦10190年、人類は宇宙に進出し惑星を股にかける強大な帝国が築かれていた。レト・アトレイデス侯爵は宇宙航行に欠かせない貴重なスパイス、メランジを産出する砂の惑星アラキスを80年に渡って統治していたハルコンネン家に代わって統治することを帝国から託される。同じ頃侯爵の一人息子ポールは何度もアラキスの予知夢を見ていた。その夢に現れるのは青い目をした美しくも凛々しい女性。先遣隊を派遣した後侯爵らはアラキスに降り立つが、彼らを待っていたのは老朽化した採掘設備と邪悪な陰謀だった。 リンチ版を観ていないので比較は出来ませんが、ポールの母ジェシカが習得している人心を操る特殊能力のボイスや、防御装備のシールドといった特殊な設定をナラティブな説明なしにそれと解る表現が施されていて壮大な物語にすんなり没入出来ました。一方でなぜ8000年以上も未来の話なのに戦争は白兵戦なのかとかスパイスにはどんな効用があるのかとか原作を知らない身にはピンとこないところも多々あり。結局この原作が『スター・ウォーズ』、『機動戦士ガンダム』、『風の谷のナウシカ』やはたまた『トレマーズ』といった様々な映画の源泉であり、それら作品がまた本作のビジュアルには色濃く影響しているという創造の連鎖を見た気がしました。IMAXフォーマットをフルに活かした構図となっているので小さなスクリーンや自宅のテレビ等ではこの壮大さは堪能し切れないかも。 大抵の人が途中で気づくことですが、ボーッとしていると終幕にビックリするのでそこだけが注意点でしょうか。
超絶壮大な序章!久々の純粋SFを堪能
久々の衝撃体験。 驚きの映像の数々に度肝抜かれっぱなしだった。 IMAXレーザーGTで観たからとにかく凄い。シャラメ美しすぎ。 持てる技術総動員の映画館でIMAXレーザーGTでこそ観るべき作品。 世界観を紹介するのに徹底した壮大すぎる序章に内容としての面白さは正直微妙だったけど、次作に期待です。
なるほど
2部作なのね。
事前に調べて無かったので知らなかったw
それならば、納得の出来かな。
映像に関しては、最新技術で作ってるんだから綺麗なんだけど、それ以上に迫力というか質感というか、仰々しさがすごい。
圧倒される。
音楽も相まってより強調されてる。
これは映画館で見たいところ。
話はちょっとダレる感じ。
まぁ前のは逆に説明がなさすぎて、わかりづらいんだけどw
今回は二部制にしたため、ちゃんと説明もされ、話しもわかりやすくなってる。
その説明というか、話の展開が長いから、途中少しダレるんだよね。
ただこれは、前のデューン見て、展開知ってるからかも知れない。その弊害かw
さて、次回はどうなるんだろうね。
なんか割と後半までやった気もする。
リンチ版だとここからラストまで一気に駆け抜けて終わった気がする。多分。
原作読んでないから知らないけど、もう少し話が膨らんだりするのかな。
楽しみに待とう…
世界観や絵は素晴らしいけど………。
映画の内容と、謳い文句がかなり乖離してないですか??
「全宇宙から命を狙われるひとりの青年に未来は託された。」
まず、全宇宙から命狙われてないっすよね。せいぜい敵さんからうまく死んでくれたらいいなぁくらいで。
未来も全然託されてないですよね。
これか続編決まっててその一作目なら、これからそういう話になるのかな、とかまだ納得できるんですが、続編は公式に決まってないのにこれはちょっと………
ということで謳い文句を信じて行くと、寝てしまうかもしれません。
なお、謳い文句除けばそこそこ面白かったし、絵もとてもきれいでしたので良かったと思います。
これは圧巻!間違いなく星5つです。
この歳(オーバー50)になってこのようなものが見れるとは。 脚本、撮影、視覚効果、演技などなど全てにおいてレベルが高くアカデミー賞候補は間違いありません。 日本でのヒットは全く期待できないので興味のある人は早く劇場に足を運んだほうが良いかと思います。映像美を堪能したければIMAXお勧めします。
素晴らしい映像作品。でも単体映画として何か足りない。
原作未読。同原作の他の映像作品は見ておらず。
長い原作の映像化であり、パート1であるという予備知識だけで鑑賞。
監督の過去の作品である「メッセージ」と同様に細かな人物描写、丁寧な演出、画に引き込まれる。
たくさんの登場人物にも関わらずそれぞれキャラ立ちしているのはさすが。
また、SF大作っぽくない重厚な映像に満足。
が、一つの映画としてはどうだろう。
連続作品のパート1と考えたとしても、上映時間が長い割には、状況の紹介で終わってしまっているし、終盤の終わらせ方も盛り上がりに欠ける。
原作ものとしての
宿命かもしれないけど、単体作品としてはイマイチかなあ。
やっぱり駄目だった・・・・・
見ようかどうか大変に悩みました。 私が高校生の時、デヴィッド・リンチ監督作品「砂の惑星」を見てこりごりしているから・・・ 本作品、「スターウォーズ」のジョージ・ルーカス監督など色々な人に影響与えた小説で、デヴィッド・リンチ監督の1984年の時も映像化は不可能なんて言われていた作品で、本国アメリカでは大変に愛されている作品ですが・・・・ 結局、当時は子供だったので、今見ると考え方も変わるだろうと見に来ましたが・・・・ しかし、本作品、タイトルが出てきますが、「えっ!もはや続きがあるの・・・」それを見た瞬間から嫌な予感がありましたが・・・ 正直、リメイクしようが、リブートしょうが、私とは相性が悪い作品です。 私的には、暇つぶしにもなりません・・・・映像は確かにいいし、CGのある現代では、映像化も簡単に表現が出来るでしょうか・・・ 小説って、読む人のイメージがそれぞれ違うからこそいいんだろうし、「スターウォーズ」などがこの作品に影響をもたらしたにせよ、それをもっとシンプルにしたからこそ、面白く出来ているんだろうし・・・ 正直、本作品、どこが面白いか分かりません・・・・ 変な例えですが、カップヌードルは美味しいですが、チキンラーメンは受け入れがたい・・・私的な感想です・・・(好きな方にはごめんなさい) 続編は、見ないと思うし、次のリメイクもリブートも勘弁かな・・・
細かい設定はわからないけど映像が素敵
西暦10191年、ということなので、今の文明が廃れて、中世のような状態に戻ってから新たに構築された文明が発達した、と考えればいいのかな(そこの説明は無いので想像です)。 地球人は宇宙に飛び出し、皇帝の命令で実力者が他の惑星を統治している世界。特殊能力を持つアトレイデス家のポールは父母とともに新たな惑星アラキス(通称デューン)に移住し、そこで陰謀によって父を殺されます。ポールの運命はどうなるのか、という内容ですが、色々設定があって細かい事は分からなかったんですが、それは今後分かってくるので気にせず楽しめました。 砂漠の星の広大な景色やクラシカルな衣装、羽ばたき機などの造形美に見とれました。深く考えずにこの世界観に浸りましょう。でもやっぱりSWみたいにアジアンな部分を入れてくるんですね。盆栽とかありましたw
⊃∩∩∩∈ ダメ
第一印象はとにかく地味… 『ブレードランナー2049』の興行的な失敗が原因だろうか。今までのフィルモグラフィーでかいまみれた玄人好みの作家性はみごとに封印されている。封切り1週目にもかかわらず館内の観客もまばら、日本における興行もおそらく地味な結果に終わるだろう。しかし欧米における成績は上々らしく、続編以降のgoサインが出るのも時間の問題だとか。映画の内容よりも継続の可能性が注目を集めている1本だ。 興行と批評ともにボロクソな結果に終わったデヴィッド・リンチ版(1984年)とどこがどう違っているのかというと…イスラム精神世界からインスピレーションを受けているフランク・ハーバードによる原作は、全てを網羅すると必然あらすじを追うだけの作品となり、幾多の巨匠がチャレンジしては敗退してきた難物らしい。今作では、恒星間移動描写のパートがバッサリカットされ、石油のメタファーとも言われているエネルギー源“スパイス”にかけた比重もかなり削られている。 その代わり、皇帝に“惑星デューン”の統治を任されたアトレイデス家と砂漠の民フレメンとの同盟の方に力点が移されていて、何やら米軍撤退後のアフガニスタンを匂わせる雰囲気を気のせいか感じたのである。宿敵ハルコネンの急襲により父を喪った後継者ポール(ティモシー・シャラメ)と母親ジェシカ(レベッカ“巨乳”ファーガソン)の逃飛行にかなりのボリュームを割いており、ヴィルヌーヴ作品では定番となっている母性の象徴役をファーガソンに担わせているのである。 全精力をつぎこんだ前作“ブレードランナー2049”の興行的な失敗により、相当な精神的ダメージを受けたと思われるヴィルヌーヴは、お得意の古典芸術からの引用を今回ほとんど封印し、誰にでもわかるポピュリズム路線に切り替えて本作を送り出した。それがテンポラリーなものなのか、あるいはこれからもずっと続くかのかは分からないが、まずは自分の首を繋ぐため今作で保身に走ったのは事実だろう。 ライバルであるクリストファー・ノーランの『TENET』を見た後だけに非常に物足りなさを感じる本作、多くのヴィルヌーヴ・ファンの期待をも裏切ってしまったことを監督には心に留めおいてほしいのである。本作が転んだ時の保健として、主人公ポールの未来夢という形で次回作以降の予告編まで本編で見せていたが、巨匠と呼ばれるふさわしい才人にとってそんな小細工は正直いって不要、いま持てる能力の全てを出し切ってほしかったのであるが…
全566件中、301~320件目を表示