劇場公開日 2021年10月15日

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「夢と暗喩が見事に溶け合った異世界」DUNE デューン 砂の惑星 Yukさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5夢と暗喩が見事に溶け合った異世界

2022年1月10日
iPhoneアプリから投稿

言わずと知れたSF大河絵巻。悪名高いリンチ版は大人になってから再確認したが、やはり物足りなかった。誰か撮り直さないかな、と多くの人が思っていたはず。

夢と暗喩が見事に溶け合ったこの異世界の物語を、再び映画化した功績は大きい。本作の後では、リンチ版は存在意義がさらに微妙になった。

皇帝だの男爵だの、中世ヨーロッパ風味は好き嫌いあるだろうが、馴染みのある社会や生活をモチーフにしておかないと、説明だらけになって何を描いているか分からなくなるのはSFの宿命である。何だかそこが分かってない人が多い。
60年代古典SFベースの空想美術・空想テクノロジーを指差してあれこれ言う人も多いようだが、これも意味が無い。80年代リンチ版とは違った、静寂感に満ちた独特の雰囲気をしっかり出せた演出は流石というべき。
音楽はもっと尖っても良いのではと思ったけど、ハンス・ジマーだったのか。

これは異世界の空想絵巻と豪華キャストを楽しむ映画。そういう意味では舞台設定や展開もよくよく考えてあり、星5つ級のSF。色々詰め込んでスイスイ展開して駆け足感のある映画にせず、2作に分けたのは賢明。パート2の前にもう一度観たい。

ブレードランナーに続いて、難題に挑んだドゥニ・ビルヌーブ監督。パート2も頑張って欲しい。

Yuk