「左、上、下、右」DUNE デューン 砂の惑星 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
左、上、下、右
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かつてSF少年だったことがあるので、フランク・ハーバートの原作は知っていたが、読んだことはなかった。デヴィッド・リンチ版も大昔見たけれど、覚えていない。
今回の映画化はとにかく映像と音響の迫力が凄い(IMAXで鑑賞)。ドゥニ・ヴィルヌーヴは「メッセージ」の時もそうだったが、臨場感の醸成に秀でている。サーダカーの襲撃シーンやトンボ型ヘリコプターでの脱出、砂嵐への突入など、矢継ぎ早に連打されてへとへとになる。ヴィルヌーヴ監督とは「渦」で出会ってからいろいろ見てきたが、このようなSF大作をものにするようになるとは感慨深い。堂々たるものである(ただ、以前のようなニューロティックな作品もたまには手がけてほしいが)。
物語の上では香料の利権という設定になっているが、中東の石油を巡る欧米諸国の介入の暗喩のようにも見える。フレメンの佇まいはベドウィンのようだ。
視力検査のようなタイトル・ロゴも面白い。たぶん左、上、下、右だと思います。
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