「納得の映像美ですが原作を知らないと納得いかない点多々あり」DUNE デューン 砂の惑星 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
納得の映像美ですが原作を知らないと納得いかない点多々あり
遥か未来の西暦10190年、人類は宇宙に進出し惑星を股にかける強大な帝国が築かれていた。レト・アトレイデス侯爵は宇宙航行に欠かせない貴重なスパイス、メランジを産出する砂の惑星アラキスを80年に渡って統治していたハルコンネン家に代わって統治することを帝国から託される。同じ頃侯爵の一人息子ポールは何度もアラキスの予知夢を見ていた。その夢に現れるのは青い目をした美しくも凛々しい女性。先遣隊を派遣した後侯爵らはアラキスに降り立つが、彼らを待っていたのは老朽化した採掘設備と邪悪な陰謀だった。
リンチ版を観ていないので比較は出来ませんが、ポールの母ジェシカが習得している人心を操る特殊能力のボイスや、防御装備のシールドといった特殊な設定をナラティブな説明なしにそれと解る表現が施されていて壮大な物語にすんなり没入出来ました。一方でなぜ8000年以上も未来の話なのに戦争は白兵戦なのかとかスパイスにはどんな効用があるのかとか原作を知らない身にはピンとこないところも多々あり。結局この原作が『スター・ウォーズ』、『機動戦士ガンダム』、『風の谷のナウシカ』やはたまた『トレマーズ』といった様々な映画の源泉であり、それら作品がまた本作のビジュアルには色濃く影響しているという創造の連鎖を見た気がしました。IMAXフォーマットをフルに活かした構図となっているので小さなスクリーンや自宅のテレビ等ではこの壮大さは堪能し切れないかも。
大抵の人が途中で気づくことですが、ボーッとしていると終幕にビックリするのでそこだけが注意点でしょうか。