劇場公開日 2021年10月15日

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「好き嫌いは別として… 殆ど完璧」DUNE デューン 砂の惑星 keebirdzさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5好き嫌いは別として… 殆ど完璧

2021年10月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

興奮

知的

第一に、宇宙SF映画としてこれほど端正で破綻のない映像、物語進行を見たことがない。
第二に、第一で感じた締まりやブレのなさが、映像化されている殆ど全ての造形物のデザインや、各役どころの持つイメージとそれぞれの出演者にもまさしく表れている。架空世界なのに過不足や違和感を感じさせない宇宙船航行や高度技術、無理に“異世界風”にしない服装や装置、小物。各役柄と完全に合致した各役者の顔つき、演技の抑揚。
第三に、物語を壮大なサーガとするための第一作目として、身近な日常生活の雰囲気から国や宇宙の説明、主人公のキャラクター設定と方向性の提示、それらの描写の間に観客を退屈させない新味ある映像や展開の出し方。

端的に言って、緻密に作られた素晴らしいSFの始動作には間違いないと思います。IMAX鑑賞に値します。

なおスターウォーズの上位互換みたいに言う批評があるようですが、私的にあちらは元々1960-70年代に多かった”戦争娯楽映画”(@宇宙)なので、比べたらフェアでないと思います。雰囲気はやはり監督が同じなブレードランナー2049に近い。

ただ私はブレードランナーが大好き(特に最終版)で当然2049にも好感とセンスは感じましたが、どうも前作のような引き込まれる熱意とかサイバーな一体感を感じませんでした。その意味でこのDUNEも、これだけ上手く作ってあるのに何故か心の躍動や没入感を得ませんでした。
もしかすると、1984年ディヴィット・リンチ大巨匠の「DUNE」がサンドワームの出現以外あまりにも話の意味が分からなかったので、今回もアレが出てくるまで引き気味に観る先入観のようなものがあったかも知れませんが…。
次回作では、イケメン過ぎる主人公に全集中の呼吸で共感しつつ、前のめりで観るようにします。

keebirdz