「砂漠のきみへ」DUNE デューン 砂の惑星 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
砂漠のきみへ
壮大な作品、単語の知識を携えていざ鑑賞。鑑賞環境は今年観た作品の中でも最悪クラスでしたが(前方のカップルが上映中にも関わらず喋るし、キスなんかしてて不快だったし、隣の人は後半ずっとスマホを付けていたりと集中力を決定的に削がれました。)、155分デューンの世界観に浸ることができました。
まずキャストの立ち位置の良さ。ポールを演じたティモシー・シャラメのビジュアルの美しさ。美少年とも美少女ともとれるその容姿から繰り広げられる喝だったり、叫びだったりの感情がひとつひとつヒシヒシと伝わってきてもう最高です。そしてダンカンを演じたジェイソン・モモア。先日「スイート・ガール」での優しくも屈強な父親を観た後でも、負けず劣らずの頼れる兄貴分としての風格が格好良かったです。常にポールが追いかけるべき存在としてリードし、最後の瞬間もポールを身を挺して守るというのも誇らしい生き様だなと思いました。後編もしくは中編ではこのダンカンが出てこないのかと思うと少し寂しさを感じてしまいました。あと「ザ・スーサイド・スクワッド」で好きになったデヴィッド・ダストマルチャンが出ていたのも嬉しかったポイントです。
次に風景の圧巻さ。砂漠という色的には一色な風景を白黒の戦闘機で鮮やかな風景に仕立て上げているのはクールすぎるよ!と思いました。戦闘機のデザインも中々に興味深いもので、羽ばたき機というトンボみたいなデザインの戦闘機が物語を追っていくごとにカッコよく見えてきて、羽がどんどんもげていくシーンはディザスタームービーを観ているような緊張感に襲われました。砂虫も出番は多くありませんでしたが、口だけでも分かるモンスター感にひたすらに喰らっていく様子に興奮してしまいました。
戦闘シーンも、青いムーブを纏い、攻撃されると赤くなるというのも中々凝っていて好きです。ガチ戦闘も剣術を全力でやってくれるので見応えがありました。
物語自体序章的な感じなので、155分という尺ながらそこまで進んだ気はしません。後半もどう終わるんだろうと思いながら、気づいたら終わっていました。少しだけ予習したので単語は分かっていたのですが、それでも混乱する場面があったのは惜しい点です。
でも、それらを踏まえてもこの時代に王道SFを堪能できて楽しかったです。これから続いていくデューンの物語にも注目していきたいです。日本ではそこそこのヒットといった感じですが、本国アメリカでは爆発的ヒットになり、次回作が制作されることを心から願っています。
鑑賞日 10/17
鑑賞時間 12:30〜15:15
座席 K-7