「超ハードな仕上り with 重音圧」DUNE デューン 砂の惑星 bionさんの映画レビュー(感想・評価)
超ハードな仕上り with 重音圧
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、この人にSFを撮らせたら間違いないね。原作の世界観を圧倒的なスケールの映像で見せてくれるだけでなく、DUNEの世界での権力構造や敵対関係も自然に理解できるようにストーリーが進んでいく。アトレイデ家とハルコンネン家の対立構造に加えて皇帝とベネ・ゲセリットの陰謀。そして砂漠の民フレーメン。
SF大好きの自分にとっては生きててよかったと思わせる映像ばかり。全部がそうなんだけど、オーニソプターは特に興奮した。トンボ型飛行機が縦横無尽に飛ぶだけでなく、羽を閉じて滑空するシーンはたまらない。他にも、ギルドの輸送母船の桁違いにデカくて美しいフォルムを見ている時は、うっとりしてしまった。間違いなくIMAXで見てよかった。ハンス・ジマーの重音圧を身体で感じることができるしね。
心理描写も巧みで、予知夢に対して不安を覚えていた頃のポールの表情は少年のあどけなさを見せていたが、宿命を受け入れる準備ができた時には、はっきりと大人の顔になっていた。やはりプリンス・オブ・ハリウッド。
セリフに余計な説明をいれずに、自然な会話になっているところもよかった。メンタートみたいな用語をセリフで説明されてしまうと初めてDUNEに触れる人にとってノイズなってしまうし、原作を知っている人間にとっては過剰な説明になってしまう。映像で説明できてしまうところが、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の真骨頂。男爵が使っている重力中和式の浮揚装置なんか見ればわかるしね。
ティモシー・シャラメとジェイソン・モモアは、見た目が義経と弁慶そのままなんだけど、やはりそうなりますよね。わかっていても泣ける。
もうこうなると心配なのが後編。無事公開されますように。
コメントありがとうございます。
台詞で説明し過ぎない作り、とても好感が持てました。最近説明し過ぎる映画やドラマが多いですが、これ説明用だなーって感じると少し冷めてしまうんですよね。
シャラメとモモアが義経と弁慶、本当にその通りのイメージです。
砂漠ネズミのグッズ売ってほしいですね!あまりの可愛さに撃ち抜かれました(笑)