「どーなっていくのか…」霧の中の少女 ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
どーなっていくのか…
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冒頭から時系列も過去を遡っていく形になるため、複雑なミステリーの謎解きに付いていこうと引き込まれるように見た。雪山に囲まれる田舎町で少女が失踪したことから事件が始まる。マスコミを狡猾に利用し、強引に解決しようとするハゲ刑事。少女の家庭や、周囲の住民が宗教に入っていたことから、生贄のような、宗教絡みの猟奇的殺人なのかと思うようなミスリードや、マスコミに犯人に仕立てられてしまう冤罪事件を扱った社会的テーマを持った映画なのかと思うようなミスリードもある。雰囲気的には全体的に静かな展開で北欧系ミステリーなのだが、次から次へと殺人事件が起こるショッキングなシーンはほぼない。まさか少女を殺したのは先生で意図的に過去の犯罪を模倣し、ハゲ刑事を利用し、マスコミ被害を訴え、大金をせしめる目的だったとは。。悪魔でしかないし、妻の不倫でこの地に引っ越して来たのも、最初から策略だったのかと思わずにいられない。こんなのが先生とは。冒頭ハゲ刑事が誰かを殺したのはひょっとして少女かと思いもしたし、まさか自分を嵌めた先生を殺していたとは。また精神科医ジャン・レノは普通には登場しないだろうと勘ぐり、少女を殺した犯人だと思っていたのだが、実は過去の赤毛少女ばかりを狙った連続殺人犯だったとはラストに驚かされた。派手さはないが、ことごとく予想を裏切る複雑なミステリー、楽しめた。
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