「生活を楽しむ」モロッコ、彼女たちの朝 ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
生活を楽しむ
外国どころか、隣の県でさえ行けない今日この頃、遥か彼方のモロッコの街を見られたのが、うれしい。あーどこかへ旅したいっ。
臨月の妊婦サウラが、荷物一つ持って、街を歩く。泊まるところと仕事を探しまわる。でも、みんな冷たい。誰も彼女を顧みない。お腹の子供がどうなっても、誰も何も感じないのだろうか。一体、彼女はどれくらいさまよっていたのか、すごい不安だっただろうな。この物語は今より少し前の時代かな、と思うが、どうなのだろう。できたらモロッコの社会が、もっと柔らかくなっていて欲しい。
未亡人アブラは感情を抑えて生きている。娘のワルダを「きちんと」育てることと、仕事をこなすことだけで、自分のことは後回し。好きだった歌手の曲も聴かない。楽しむことを禁じているみたい。
そんな2人が互いに助け合い、影響しあう。サウラは生来、音楽を聴いたり、踊ったり、着飾ったりするのが好きそう。パンをおいしく作ろうとか、ワルダとじゃれあったりとか、生活を楽しもうとしている感じ。今は身重なのが枷ではあるが、産んで身軽になれば、何とかなると考えている。規制の強い世の中で、自分にとっても、こどもにとっても、養子に出して、別れて暮らすのがベストだと自分に言い聞かせている。
そして、とうとうお腹の中が空になる日が来た。十月十日育ててきた、生身の赤ん坊がサウラの目の前に現れた。産む前はクールでいられたのに、急に動揺してしまう。顔を見ない、抱かない、乳をあげない、がんばって抵抗する。ここで、もしかして赤ん坊を殺しちゃうんじゃ、と不安になった。でも、やっぱり母性が勝った。よかった。そして、子供に名前をつけて、未婚の母として生きる覚悟をしたんだろう。サウラとアダムの未来に幸あれ。きっと楽しいこと、たくさんあるよ。
アブラも笑顔が出るようになり、化粧したり髪型変えたり、柔らかくなった。これからは人生を前向きに楽しめると思う。こちらも良かった。
作中で作られるパンがすごくおいしそう。バターや油をたくさん使っているので、カロリー高いだろうが、おいしさは間違いないんじゃ? あの細くよってくるくる巻いて、少し押しつぶして焼くパン、食べてみたいな。
こんにちはぷにゃぷにゃさん
あのパン「ルジザ」、食べてみたいですね!
・モロッコ料理千葉県
・モロッコ料理東京
で検索するとけっこうお店はありましたよ。
ルジザが置いてあるかは電話で。