パブリック 図書館の奇跡のレビュー・感想・評価
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脱がしてどうするの?
チャーリー・シーンの兄でもあるエミリオ・エステベスさんがLAタイムズに載った図書館関係者のエッセイに触発され11年も温めてきた企画という、それにしても脚本、監督、製作、主演と並々ならぬ熱の入れようですね。よほど目に余る事例があったのか彼を突き動かしたものの正体が気になります。
寒波の最中行き倒れの死者も出る折、一晩のホームレス連中の宿泊を図書館が担っても、人道的立場で考えれば誰も異論はない筈ですよね、要は根回し次第、市長判断でいかようにも対応できる事案と思いますが気を揉まさないと映画にならないからでしょうから、例によってお役所仕事の頭の固さ、不法占拠とか警官突入を持ち出すいかれた検察官、惨事が起きることを狙うテレビレポーターなど敵役を登場させて拗れさせます。
刑事の息子を除いてはホームレスは皆お行儀もよく善悪の対立構図が単純化しすぎの感もありますね。事を円満に収拾する為とはいえ丸腰ならぬ丸裸での投降とはこれまた突飛すぎます、寒波で死にそうだから図書館に逃げ込んだのに素っ裸では矛盾するでしょう、硬派な社会派ドラマ仕立てを嫌ったのでしょうかね・・。
図書館には『図書館の自由』と言うものがある。がしかし、その前にホームレスを出さない社会を作るべきだ。
司書(図書館職員)は職務権限の高い仕事であり、図書館法と言う法律で職務が決められている。従って、この行為は完全に罰せられる。図書館本来の使い方ではないので、ホームレス等には基本的に出ていって貰わなければならない。彼らの為の福祉施設を即刻作らなければならないのが、自治体の使命だと思う。にわかの同情で彼らと共闘しても自分を犠牲にするだけ。
が、しかし、皆さんは、司書に対するイメージをどのように見ているだろうか?あまり良いイメージは持っていないと思う。『ティファニーで朝食を』の映画の中にも堅い融通の効かない司書が登場する。その後、ティファニーへ行き、指輪を愛想よく作ってもらうと行った結末になっているのだが。この時のティファニーの行為は誇張されてありえないのだが、司書の愛想のないことを強調したかったのだと思う。
さて、日本の公共図書館でも、ホームレスの対策もしなければならないのだろうが、それ以上に問題なのは、図書館を使って学生が勉強をする事だと思う。そして、学生が勉強しているから『静かに』となる。子供達が騒ぐと『静かに』となる。図書館で議論していると『静かに』となる。資料室を学生に占拠され、その学生の為に静かにしなければいけない。なんか矛盾している。公共(パブリック)な図書館なのだから、子供達が笑ってはしゃぎ回れる図書館であっても良いのでは無いだろうか。図書館に『イートインスペース』『キッズルーム』『軽音楽を流す』『会話室』を設けて貰いたい。そして、学生は学校図書館法に基づいて、学校図書館で勉強してもらう制度を作るべきなのだ。
そして、ホームレスを保護する施設は急務だろうが、その前にホームレスを出さない社会を作るべきだ。
分かりやすい…
武器を持って、人質を取って公共の図書館を占拠してるわけではなく、凍死者が続出するほど厳しい寒さの中で路上生活を強いられるホームレス達は純粋に寝る場所、温かい場所を求めて、図書館に籠るのだが、彼らとの対比で、選挙の人気取りのための政治家、視聴率優先のマスコミなど分かりやすくステレオタイプで描かれている。爽やか過ぎて軽さすら感じてしまうが、貧富の差の解決の糸口すら見えない現代に重い一石を投じた作品。ホームレスに女性がいなかったのが疑問だったのと、エミリオ・エステベスがリオネル・メッシに見えてしまった。
図書館員とホームレス
元ホームレスだし弱い人達を放っておけない優しい図書館員の話。ホームレスの人達が寒い日に外で凍死したりしている。何か良い策はないだろうか?日本でも同じ事は起きている。
怒りの葡萄がずっしりと実っていく。収穫を待ちながら
映画「パブリック 図書館の奇跡」
(エミリオ・エステベス監督)から。
公立図書館の館長を経験したことのある私は、
課題も含め、その役割がとても気になっていたので、
とても身近に感じられた作品の一つとなった。(汗)
毎年、真夏になると、浮浪者と思われるような人が、
酷暑から逃れるために、公立図書館へ来館するケース、
追い出すわけにもいかず、懸案問題になっていたのを思い出す。
特に、何日も入浴していない体臭は、文字では表せないくらい。
だから今回の「記録的な大寒波の影響により、
市の緊急シェルターが不足し彼らの行き場がなくなった」時、
公立図書館はどう決着するのかな・・と注目していたが、
予想外の終わり方で、首を捻った。(笑)
特に「政治的イメージアップを狙う検察官」が、
5分間を外のコンクリートで寝そべった時、
そのあまりの寒さに、彼らの主張に気付き、
公立図書館を臨時シェルターとして開放する展開だと
勝手に憶測したら、全く違う結論で戸惑った。
あの発言、あの設定は、何も意味がなかったの?と、
思うこともしばしば。
一言のメモを残すとしたら、
「人々の魂の中に、怒りの葡萄がずっしりと実っていく。
収穫を待ちながら」(スタインベック著)かな。
タイトルは「奇跡」だったのになぁ。う~ん・・
I'm looking for... 本がメインの話ではない
アメリカって図書館にホームレスがたまっているのでしょうか?個人的に図書館は好きなので、ホームレスがたまっているのは正直ちょっと嫌だなって思ってしまいます。
なんだかホームレスの人達の言い分が全く心に響かなくって。ホームレスは自由だなんて語っておきながら、寒いから図書館を占拠する?言うなれば納税等の責任は果たさないけど自己の生命の権利は主張するって話ですよね?何それメッチャ我が儘!アメリカ人的!図書館員さんにはメチャメチャ迷惑だよ!っと思ってしまいました。
舞台が図書館だったんですけど、あまり図書館も本も関係なかったですね。本に関しても「怒りの葡萄」が出てきたぐらいで。読んだ事はないのですが気になって調べたてみたらwikipedia さん曰く「1930年代末に発生した干ばつと砂嵐を契機とした農業の機械化を進める資本家たちと、土地を追われカリフォルニアに移っていった貧困農民層との軋轢闘争を素材とした小説」だそうです。本作と照らしあわせてありそうな内容ですね。
上下巻あるそこそこ長そうな小説だったので読もうって気にはならなかったのですが、それよりもAmazonプライムに昔の映画版があったのでそっちを観れば雰囲気はつかめるかもしれません。
最後のオチは全くの予想外でした。でも、あれで何かが変わるのでしょうか?要は寒さをしのげる避難所とかもっとないと駄目って話ですよね?あれで注目されたから避難所が増えるって事もないだろうし、結局ホームレス対策とかも何も変わらない気がするんだよなぁ。
江頭2:50が記憶に残り続ける理由。
あ。小島よしおもか。いや、だって。鮮烈ですもん、キモくて。一晩じゃ忘れないなぁ。
ドアを開けたら、
整列するチン。
ポコ。
フリ。
チン。
の男たち。
ちなみに、イケメンは、贔屓目に見ても皆無だす。
いや、もう、これ、トラウマでしょw
なんか、こう言うのが良いなぁ。脚本命で、地味だけど良い役者さんが、演技力でキャラを立ててる小品。
シェルターに全員を収容する事は出来ない事は分かっていながら、何もしないってのはどうなんよ。偽善者に見えた牧師さんですが、行動する善意は正義。
いずれにしても、あのヌードシンガーが伏線だったとはw
このオチ、最高です!
朗読の意味
本を読んで知識を得る素晴らしさはみんな知っていると思う。
けれど朗読に涙を流したり、図書館が行き場のない人達の居場所になっていることをあたしは知らなかったです。
主人公が記者に朗読をするシーン、読んだことのない本なので内容はわからなかったけどそれでも心にしみた。
改めて本の大切さを知った。
一時の現実逃避や楽しさ、一生の感動等を与えるのも映画の大事な役割だが、小品でもこの様な映画を世に出すのも映画の大事な役割であると再認識させてくれる(う~ん、文脈がもひとつだな)。
①大事なのはこの映画の中では何一つ問題は解決されていないということ。ラスト警察の突入をスチュワートの機転で止めさせたけれども、結局みんな逮捕されて留置場入り。この事件がきっかけでせめて映画の中だけでも新しいシェルターを作る、という話もなし。息子マイクが凍死していなくて良かったが、両親との溝が埋まるのには時間が掛かるだろう。また逃げ出すかもしれないし。(ちなみにスチュワートは自分が殴られマイクが逮捕される=父親にマイクがいることを個人情報を漏らすことなく=知らせるためにマイクに話しかけたのだと思う。自分も薬物依存症の経験があるスチュワートがあれくらいの説得は却ってマイクを逆上させるとわかっていたはずだから)。市長選も結果が出たわけでもないし。ガチガチの社会派映画ではなく基本的にエンタメなのでロマンスの1つも有るが当事者たちも各々依存症持ちか過去経験者だったりですんなりと行くかどうか分からない。レーザーアイが封じられたのは良かったけど(ラストのジョージの嬉しそうな顔!)②ただ解決の方法としてこの映画はひとつの提案をしている。それは「声を上げる」こと。そして映画を観た我々がその声に耳を傾けること。勿論傾けたからって我々は「声を上げない」かもしれない。行動を起こさないかもしれない。一人でやるには困難なことも社会にある様々な問題がそう簡単に解決できる訳ではないことも分かっているから。でも何かしらこの映画からメッセージを受けとる筈、それが我々観客の中で観る前と観た後で自分の中で何かが変わっている筈。それが大事だと思いたい。③舞台を公立図書館にしているのが設定として上手いと思う。「公立=パブリック」だから基本誰でも入れるし、図書館だから人類の蓄積してきた知恵・生み出して来た思想等に何時でもアクセスできる。PC備え付けになってからそうでもないようですけど…「民主主義の最後の砦」という台詞が劇中にあるが正にピッタリの舞台設定だと思う。因みに私も本に囲まれて仕事をしたかったので司書になっていたら良かったと思う、今更遅いけど。ただ人間をあまねく好きかというとちょっと微妙。④“the public”=reated as singular or plural Ordinary people in general; the community.
foi examle : the library is open to the public’。政府関係者やその他の国の重要機関で働く職員などを除く、ある一つの国で暮らす全ての国民、一般大衆に関連するものであるという意味です
「パブリック」コメント
公共図書館におけるいわゆる“ホームレス問題”はアメリカだけの話ではなく、日本でもある程度の規模の自治体ならおそらくどこでも抱えている事案だ。それは広く公衆に開かれている施設である以上、必然でもある。排除すれば糾弾されるし、放置すれば苦情が殺到する。
この映画は実話ベースの話かと思っていたら、落としどころの奇策に至ってそうではないと判明した。エンタテインメントとしては快哉を叫ぶラストなのかもしれないが、どうもはぐらかされた感が強い。収監されて寒さをしのぐというのでは、根本的な解決にはならない。
仮に規則どおり閉館時間に強制的に退出させて、翌朝また図書館前で凍死者が出たら、改めて対応が非難されていただろう。往々にして行政はそうなってから初めて対策に乗り出す。ならば、要求としては急遽収容施設を用意させる、もしくは例外的に一晩だけ図書館泊を認め翌日以降別の施設を手配させるのが最良の策だったのではないか。交渉過程があまり合理的でないように思えた。
やたら博学のホームレスがいたが、一日中図書館で読書しているホームレスの方が、本を読まない一般人より賢いというのはあり得る。
社会派エンタメでありますが、根本的な問題を乗れるか乗れないかで評価が変わるかと思う作品です。
観賞した人の感想が結構高い作品で気になってたので観賞しました。
で、感想はと言うと、社会派ドラマでそこはかとなくシニカルな笑いも盛り込まれている作品ですが、ホームレス達が寒さを凌ぐために図書館を占拠すると言う点について、賛同出来るか出来ないかで感想は変わるかな?と
勿論、それはあくまでも切っ掛けにしか過ぎないんですが、「図書館は民主主義を守る最後の砦」と言われても、寒さを凌ぐシェルターの増設断念や幾度の交渉決裂の過程の描写もなく、仲間が寒さで凍死すると言う過程があったとしても、図書館の占拠と言うのは賛同出来ない。そこに至る迄の描写が弱いんですよね。
ホームレス支援等の行政問題は何処の国でも抱える問題と聞いてますし、体臭のキツい利用者の利用制限も難しい問題かと思います。
冒頭にある様な追い出しをして、賠償金を支払うと言うのも、なんとなく訴訟大国アメリカらしい感じもしますが、かと言って一般の利用者が使えなくなる様なしわ寄せが来るのはどうかと。
体臭がキツい、突然全裸になると言う問題が頻繁に起こると一般の利用者は使い難く、また開館と同時にトイレで身支度を整える大勢のホームレスが占拠していたら、一般利用者は敬遠するでしょう。
民主主義の最後の砦と謳っても、図書館の閉鎖が余儀無くされる問題に発展したら元も子もない。
勿論、退役軍人等で仕事に溢れてしまい、ホームレスになってしまう者達の気持ちも分からない訳ではない。
シルヴェスター・スタローンの「ランボー」の第1作目でベトナム戦争帰りの帰還兵のランボーが職に溢れ、様々な不当な目に会い、訪れた街で偏見と不平等な対応をとられるのと似通った所があります。
自由と平等を掲げるアメリカではありますが、様々な差別が横行するだけあって、いろんな問題もあるかと思います。
かと言って、権利や主張を掲げ、大勢で団結して行い、籠城すると言う行為には賛成しかねるんですよね。
様々な国で対応は違うとは思いますが、日本ならこうはならない。
多分一般の利用者の権利を大前提にいろんな対応を取り、締め出しをするんではないだろうか?
暴動を起こすだけのパワーが今の日本国民に無いと言うとちょっと乱暴な言い方も出来ますが、過去にホームレス達が暴動を起こした大阪西成の事件があったけど、占拠や暴動、籠城行為はやっぱりNGで、ここで引っ掛かるとこの作品に乗り切れないのかなと思いますし、「寒さで外に追い出されたら凍死するかも知れない。だからこそ、仕方なく立て籠った。」
その大前提に至る迄の話をもっと丁寧に描かれていたら、評価は変わったかなと感じます。
また、図書館職員のスチュアートも顔見知りのホームレス達の力になりたいと思いつつも、最初は退館しないホームレス達に戸惑いながら、何故か今回の籠城の首謀者的な立ち位置になりつつあるけど、そのスチュアートの気持ちもなんか流されるままに、なんとなく乗せられて感があるんですよね。
様々な葛藤と刑に服した過去があるにしても、どうもスチュアートの信念的なのも軽い。
ホームレス達の権利を守るのもクビを宣告されているからのヤケっぱちの開き直りにも見えて、図書館員としての義務を果たしてない。
また、管理人のアンジェラとの情事の描写もスチュアートの軽さを醸し出してる感が否めない。
クリスチャン・スレーター演じる検察官のジョシュが良い意味で嫌な奴を演じてますが、ビル・ラムステッド演じるアレックの立ち位置もなんか微妙。
レポーターのレベッカも野心溢れる行動ももっと嫌みったらしくした方が良かったかなと思います。
あと、ラストで籠城したスチュアートとホームレス全員が素っ裸になると言う、ちょっと力技的な持っていき方は嫌いではないんですが、体臭問題を取り上げているのに、ホームレスの身体に汚れが見えなくて結構綺麗w
事前にシャワーを浴びたんか?と思うくらいで細かい所ではありますが結構、気になりましたw
ただ、かなり重いテーマの社会派ドラマである割に所々の作りと描写がコメディチックな感じで、ライトに観られるのが救い。
BGMもコメディでシニカルな感じが良いんですが、肩の力を抜いて観られる分、ただ中盤辺りはちょっと間延びした感じがあります。
社会派問題を取り扱った作品でありながら、軽妙でエンタメ性もありますが、個人的にはどちらにも中途半端に組み込んでいる様に感じて、ちょっと肩透かしな感じ。
割りとハードルを上げてたので少し残念ではありますが、あくまでも個人的な感想の1つとして捉えて頂ければと思います。
【"為政者は「怒りの葡萄」を読んだ事はあるのか! "セーフティネットが破綻した民主主義国家の最後の砦、公共図書館で起きた事。】
-図書館で、年老いた、我が国の繁栄を築いて来た方々が”公共の席でぼんやりと”過ごすお姿を、頻繁に目にするようになって、十数年が経つ・・・-
■今作品で印象的なシーン
・シンシナティの図書館員スチュアート・グッドソン(エミリオ・エルテベス:痩せてる)が、大寒波が迫る中、路上生活者達を見る悲しげな目。
そして、その理由が徐々に明らかになる過程。
・愚かしき検察官(クリスチャン・スレーター:嫌みな役が実に上手い)の市長選を意識した言動。
-底の浅い男であるなあ。
グッドソンの、彼に対する"要求"が、良い。
”図書館の玄関前で凍死した男性の寒さと無念さを身体で知れ!”-
・図書館で日々"生活"するリーダー格の黒人男性のセリフ。
"俺達は退役軍人だ。国に尽くして来た。その結果が、これか!"
-日本は、どうだろうか・・・ー
・ビル刑事が、路上生活者にある想いを持つ理由が、分かるシーン。
・テレビリポーターの女性が、グッドソンのメッセージの意味が分からず、彼を立て籠り犯だと誤ったリポートをした時、彼の部下の女性マーラが投げ付けたセリフ"お天気リポートも無理だね!"
・グッドソン達が、図書館に立て籠った時の姿。又、彼をかつて助けて、図書館員として採用し、普通の生活者に戻した上司の行動も、沁みる。
-皆が、食事を受け取る時、"ある1名"を除いて整然と並んでいる。彼らは暴徒ではない・・。その1名の父親は・・。
”オピオイド中毒なんて、息子を甘やかし過ぎたんじゃないの?アレック・ボールドウィンじゃなかったビル刑事!”-
・路上生活者達を凍死させない為にグッドソンが、ある決断をするシーン。
〈言葉無き、武器無き、彼らの、全てを脱ぎ捨てた抗議の姿。高らかに歌う姿。
胸が熱くなってしまった。
民主主義最後の砦で、働く人々の気概を感じた作品。
"グッドソン、あの聡明な彼女と早く、幸せな生活を!"〉
<2020年8月10日 伏見ミリオン座にて鑑賞>
難しいテーマですが、楽しい映画です。
ホームレス問題、公共施設利用の差別問題など扱う題材は難しいですが、ストーリー展開は軽めで楽しい映画です。
寄付がいっぱい集まってきたシーンは心が温まりましたし、全裸で降伏するシーンは爽快でした。
日本にとっては奇跡なのかな
全ての人に開かれているという理念のもと、ホームレスも他の利用者に迷惑をかけなければ受け入れられる公共図書館。
追い出されたら凍死する状況下でも、図書館員はものを食べるなとか本を大事に扱えとか言いそうだ。
毎晩泊まらせろと言っているわけではなく、シェルターを用意しない行政に声をあげることこそ意味を持つ。
警察の突入に際し、全てを脱ぎ捨て歌う自由のバカな姿こそ情けなく命かがやく。
単なる良い話・・ってだけではない。
全体的にうまくまとまってて良い話。
最後はホッコリして終われるし。
ただ、結構考えるネタは多い。
アメリカのホームレスやオピオイドなどの社会問題、そして、タイトルにもある通り、そもそも「パブリック」とは?という命題。
たしかに図書館は公共の施設だ。
仮に凍死するほどの寒さで外に居られないのであれば、狩宿として貸す、というのはおかしなことじゃない。もちろん、公共の宿泊施設(シェルター)に空きがあればそっちを使うべき、という前提はあるけど。本来「公共(パブリック)」とは、市民・国民が自由にアクセスできるからこその公共。この作品の舞台であるオハイオ州・シンシナティというアメリカの北部地域は、冬になれば相当な寒さだろう。シェルターに空きがなければ、一時的に図書館を提供する、という選択は間違っていないと思える。
しかし、自分が主人公と同じ立場ならできたかどうか。。
この線引きは難しい。じゃ、市役所や県庁なども同じ理屈で狩宿として貸しましょう、って話に拡大できるわけだし。
そして、これは図書館という「場所」だけの話じゃない。
これはうろ覚えだが、日本の図書館員は公務員だが、アメリカの図書館員(ライブラリアン)は専門職ではあるが公務員ではない。つまり、クビになる。この作品でもそういう話が出てくるし。
自分のパブリックな職域としてのライブラリアンの立場と、図書館というパブリックな場所、そして、一市民(個人)としての心情に、どう折り合いをつけていくか。。
この「葛藤」がこの映画の肝な気がする。
エミリオ・エステベス演じる主人公である図書館員は、自身の経験からの同情心もあるだろうが、ホームレスの人たちに場所を与える決断をする。この主人公、最初はすごく優柔不断で頼りない人に見える。しかし、迷いながらも人々と対話して、決断していく。館長も、パブリックな自分の役職ではなく、自身の心情に従って、このデモ(らしきもの)に加わる。
最後は面白い決着となるが、「声を上げる」という目的は果たせた。
これが、アメリカという国では重要なんだろう。白人警官による、黒人であるジョージ・フロイド氏殺害で火がついた現在実施されているデモ。この「デモ」という行為は、「俺たちはここにいる」というメッセージでもある。この感覚は日本人である自分にはピンと来ない。この肌感覚があるかどうかで、この映画の評価も変わってくるのだろう。
(元々アメリカの人に向けた映画だろうし。。)
アメリカの社会問題は根深い。
この作品のホームレスの人たちも、退役した元軍人などだが、そもそも国家が主導した戦争で戦った人たちなのに手当ても何もない。使い捨てだ。「パブリック」という言葉にしても、アメリカは様々な社会共通資本を自由(民営)化しているため、医療など含めてバブリックサービスの枠が日本と比べて圧倒的に小さい。現在のコロナの死者数に現れている。そして、オピオイドによる薬物被害。その犠牲者数は、コロナ死者数の比ではない。
アメリカの色んな背景を知ってると、この映画はより楽しめると思う。
しかし、出てる俳優さんが渋いなー。
エミリオ・エステベスも良い演技だったし、交渉人役のアレック・ボールドウィンや、悪徳検事役のクリスチャン・スレーターなど、脇を固める俳優が渋い!!なんか、この渋い俳優観てるだけで、観た甲斐があった(笑)
アメリカが舞台の映画だけど、日本の政府やメディアのコロナ対応を見るにつけ、「バブリック」という概念を考え直す、良い機会になる佳作だと思います。なので★4つ。
重すぎず、軽すぎず
シリアスすぎず、脇役達もいい雰囲気で面白かった。
図書館というのは、本を借りるだけの場所ではなく
弱い人達の最後の拠り所なんだな。
弱者救済が、専門施設ではなく、知らんぷりで 図書館に丸投げられているのは日本も同じだと思うと、他人事とは思えない作品だった。
警察の交渉人の、弱者への共感を全く持たず、それでも道を外してしまった息子を必死に探している姿がすごく違和感だった。愛しているが理解はしてないということなんだろうか。この親子のことが、もう少し気になる。
情報と知識の守り手としての図書館が、その業務に専念できるような世の中になりますように。
リアル・図書館居残り
大寒波の夜のホームレス達による図書館占領!
実に興味をそそる素材・・
本来ならば誰にでも「公共」であるべき場な図書館が福祉や格差で全ての人に開かざるべきに場にならずの今社会を表している・・が、
裸のオッサン達の大行進は不快でした😅
その行いに「奇跡」が起きたのかまでの感動や確信感は正直、得られなかった・・
連行後ホームレス達とスチュワートは?
市長選の結果は?アレック・ボールドウィン扮する交渉人と息子は?
・・あの後が??と、結末にも消化不良感もありましたが
スチュワートとアパートの隣人女性アンジェラとのロマンスが最高の「奇跡」だと思えましたね✨
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