パブリック 図書館の奇跡のレビュー・感想・評価
全99件中、61~80件目を表示
オチが嫌い
エミリオ・エステべスはあまり知らず、調べたら、マーティン・シーンの息子でチャーリー・シーンの兄なのね。じゃあ、なぜスペインっぽい苗字なの? しかも、「アウトサイダー」に出ていたんだ。
内容は、まあこんなものだろうという感じ、あまり共感は得られなかったです。
オチもこれか・・・と残念な感じ
ヤングガンも大人になった
図書館、好きだったなぁ。
実際自分も多感で鬱屈していた時期に図書館には救われてる感があるので共感ひとしおでした。ヤングガンの、言葉と人への愛情がひしひしと伝わってきましたしね。
「言葉」を仕事としている筈の連中の言葉が何も響いてこない作り方も、あざといとはいえラストに繋がる流れとしては非常に気持ち良かった。うん。何かの隙間にしみじみと思い出す作品になりそう。
言葉は愛情の賜物であって、決して傷付ける為でも威張る為でもないのだと、改めて思いました。言葉は五感全てに宿る。
E.エステベスのこれからにも期待
主役のエミリオ•エステベスは昔から好きな俳優なので楽しみにしていました。
ストーリー自体も面白かったし、ちょっと笑ってしまうようなシーンも良かったです。
特によかったのがキャスティング。主役はもちろんのこと、他の役者さんたちもみなハマっていたと思うし、特にクリスチャン•スレーターのイヤな奴ぶりが印象的。
目の前にある問題は解決したい。
立てこもる事で露呈して行くスチュアートの内面が興味深い。
生きるか死ぬかの問題なら、立場や損得抜きで解決したいと思って当然だろう。
しかし、都合の悪い人間達はどうにかして悪人に仕立て上げたいし、報道は人々の目を引く様なネタに作り上げたいのだからタチが悪い。
同じ事をしても、良いようにも悪いようにもいとも簡単に脚色してしまうのだから怖いもんだなと思う。
彼の過去を含め、ただ正直に生きているスチュアートに圧倒的な共感を感じたし、自分の危なっかしい部分も再確認。
そんな風に思えるのも、バランス取りながら生きる事に慣れてきなからかも。
ワンアイデアだけの映画かと思っていたら、意外におもしろかった…
図書館だけでなく、政治や警察などにも伏線は張られ上面だけの映画にしていなかった。何よりも主人公の造形がいい。エリートでもないし、堅物でもない。人の気持ちがわかる自然体の図書館員。また、図書館に寄せられるありとあらゆる分野のさまざまな質問、レファレンスの数々をまるでバックグラウンドミュージックのように流しているのもいい。最初は力を貸してくれないかに見えた館長もすてきだ。名言を吐いて参加してくれた。『怒りの葡萄』の引用もかっこよかった。ホームレスの人たちもそれぞれで、権利を振りかざすのではなく、生き抜くことを大事にしている。アメリカ映画だから最後は突入を免れないと思っていたら、思いもかけない結末を用意してくれていた。力づくでもなく、かと言っていわゆる降伏でもない終わりを… 登場人物誰もが、敵対していても、悪役としては描いていないところが好感を持てた。キャストも渋かった。ジャック・ライアンにアドソ、フェリックス・ライターまで出ていた。ブラット・パックの雄は最近冴えなかったが、どっこい生きてて、うれしい限りだ。
「図書館は民主主義を守る最後の砦だ」
この言葉に惹かれて視聴したのだが、何かやるせない気分になった。
書棚はドアをふさぐためのものではないし、館内でピザは食べないでほしい。
まして、机の上に土足で乗るなど言語道断。
確かに、静粛な環境でページをめくる音だけが聞こえる図書館などは時代遅れで、「秋の日の図書館の ノートとインクのにおい」は郷愁の彼方なのだろう。
図書館の自由に関する宣言(抄)
図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することを、もっとも重要な任務とする。この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し実践する。
第1 図書館は資料収集の自由を有する。
第2 図書館は資料提供の自由を有する。
第3 図書館は利用者の秘密を守る。
第4 図書館はすべての検閲に反対する。
図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。
この宣言と、劇中の館長の言葉
「図書館は民主主義を守る最後の砦だ」
との間には、共通点はあるが、映画の内容とは限りなく越えられない違和感がある。
「何も、図書館でなくてもいいんじゃないの!?」
長く、図書館と関わってきたものにとっては、これが本音の感想だ。
結局、私の概念とは異なった「図書館」を描いた作品だったということだろう。
(むしろ「図書館戦争」のほうに共感してしまう浅学の徒である。)
良い塩梅
ホームレースや検察官や、マイラや周りの人たちのキャラが濃い中、
主役のエミリオ・エステべスの抑えた演技が非常に良く、
グッドソンの誠実さが、じっくりと心に染みてきました。
実際は、もっと深く重い問題なんだろうけど、
良い塩梅の笑いを混ぜて、見る側への問題提起として良い作品です。
グレース・オブ・ゴッド 告発の時
セーフネットとしての公共図書館
エミリオ・エステベス出演作は見たことないように思ったので調べてみた。
……『ミッション・インポッシブル』ああそうなんだ、へえ。
……『地獄のデビルトラック』ズルッ。ハハハ。
『怒りの葡萄』読んでません!サーセン!
I’m looking for…
公共図書館あるあるなのか、地球儀には笑わせてもらった。
ALAで試写して概ね好評だったとのこと(「エミリオ・エステベス インタビュー」パンフレットp8-9)で、ちゃんと作ってるのが伝わったのかね。
本来のシェルターがちゃんと供給されていればこんなことにはならないわけで、これだけで押し通すのはちょっと弱いかなと思ったが、セーフネットとしての公共図書館だからこそできる役割もきちんと取り上げられている、というかそこが肝だったのは良かった。
館長のお言葉に萌えた。脇役陣の派手さはないがいい仕事している感。
苦言を呈するとすれば、まあオッサンがいっぱいゲフンゲフンなのはいいとしても、…
お前ら、もっと本を丁寧に扱え!
以上。
寒さを全く感じないのだけれど?
図書フェチのカミさんに付き合って観たのだが、こんな地味な映画なのにこの1年ほどお目にかかったことが無いくらいの観客が入っていて驚いた。埼玉では新都心のMOVIXでしか公開していないという事情もあるのだろうが・・逆にこれだけニーズがあるのならもっと多くのシネコンで上映してしかるべきであろう。思っていたよりエンタテイメントで「公共」とは何かという問題について考えさせられる良い映画であった。しかし決定的に許せないのは路上で凍死者が出ている程の「寒さ」が全く描けていないこと。本を読んだり資料を調べて知識を得る権利が万人に保障されるのは当然であるが、シェルターとは本来の目的が違うだろう。緊急のシェルターとして使われて然るべき施設だとは思うが、図書館に泊めてくれなけりゃ凍え死んじゃうよという切実さが無ければいくらLives Matterだと言われても説得力が無いのだ。それにつけても今回のコロナ禍でいち早く図書館が閉鎖されたことを想起する。図書館は不要不急なのであろうか?
何の解決にもなっていない...
『飛べないアヒル』のテレビシリーズに参加することも決定している俳優エミリオ・エステベスが主演・脚本・監督・製作を務めた社会派作品。
統計上の雇用率は増えていて、仕事はあるが、家賃や物価が上昇しているため、従来の路上生活をしているホームレスとは別に、新たなホームレスも誕生している。日本で言えば車上生活やネットカフェ難民みたいなものだ。
しかし、世界的にはネットカフェというのは、ただネット環境があるカフェのことを指していたり、あっても本当に限定的で日本のように宿代わりに使えるようなものではない。
イギリスが舞台の『ラスト・クリスマス』でも、職場はあるが家がないため、友人の家を渡り歩く姿が描かれていたり、働くことへの価値観も変わってきていたりする。そういった、新たな形態のホームレスも増えていて、シェルターなどの施設は満員で抽選だったりもする。アメリカのみならず世界中で問題になっているのだ。
公共施設というのは、日中を過ごす場所としてホームレスの溜まり場となっている現状があり、映画でも図書館がオープンする前から列ができていて、閉館になれば施設を探すというサイクルが出来上がってしまっている。
2019年には、ニューヨークが過去最低気温を記録しているほどアメリカの冬は寒く、どこの施設にも行けなかったホームレスが寒さによって路上で死ぬという、フィクションではない社会問題を扱っているのだ。
そこでホームレスたちは、外に出たくないと図書館を占拠することになり、最終的に美談のような着地点になっているのだが、問題提示されるべき部分があやふやにされている感じがしてならない。
人道的や感情的に考えれば、図書館に泊めてあげていいと思うだろうが、それが毎日続けばどうだろうか。
普通に本や資料を探しにきた人にとっては、問題行動を起こしたり、たむろしている図書館に入りにくく、治安の悪い場所になってしまっている問題は描かれておらず、視点が偏っていることも気になるが、市が緊急的に大寒波によるホームレス支援対策をしかりとしない限りは、何の解決にもならない。
それどころか、1日だけと前例を作ってしまったことによって、今後も図書館や公共施設がホームレスに占拠される事件が多発する可能性も出てきてしまうし、そうなると別の社会問題や治安に関わってくる。
劇中でも、そういった部分に触れてはいるものの、なんとなくスルーされてしまっていて、ホームレスになった事情や雇用や生活といった別の社会問題に観ている側の意識を逃がしていて、結局何の解決にもなっていない気がする。
エンターテイメント性が薄く、物事のメリハリがあまりないため、淡々とストーリーが展開されてくことで、逆にあやふやにされている部分が目立ってしまう映画構成上の問題点も抱えていて、社会派作にも娯楽作にもなりきれていない中途半端な出来だ。
ホームレス占拠の様子をテレビの中継などで観た人たちを動かせるとう、#MeToo運動に発展したことにより、何かが変わるのだとしたら、映画としてそこまで描くべきではないだろうか。
個人的に気になったのは、クリスチャン・スレイター演じるデイヴィスがあまりにもバカということ。
デイヴィスは市長選に向けて市民への印象を良くしたいのであれば、今回の騒動を利用して、ホームレス支援の方向性を示せばかなりの支持を得られたと思うのに、印象が悪くなる真逆の行為に出るところからすると…市長には、もともとむいていないのだろう。
「公共」の難しさ
大寒波がおとずれている街にて、凍死から逃れるために公共施設である図書館に立てこもったホームレス達と、ある理由から彼らに味方する図書館職員の物語。
凄く面白かったかと言えばわからないけど、考えさせられるという意味ではとても良い作品。
評価がかなりわかれているのも頷ける。
この図書館は「公共施設」であるため、ホームレスだろうと誰だろうと使用できるのは当然。
だが、開館時間外に占拠するのは明らかに違法行為。
しかし、外にいれば死ぬ。命がかかるとなれば行動は選んでいられない。
さて、どうしたものでしょうか。。
深く考えさせられる良い作品だったけど、ただ、ホームレス達について、働きたくても、働けない・働かせてもらえない…とかの背景の描写がないのが。。
でなければ、キリスト教の精神だのと主張して図書館を占拠しときながら、
それこそ、「公共物」である本をバタバタと投げ捨てたり、机にのぼって歌いだしたり…って、ただの暴徒に見えなくもない。
特に、リーダー格のホームレスは、路上生活から脱したいとも思っていないようで…。
エンドロール直前の最後のセリフのシーンも、かなり素敵な雰囲気だったけど、もっと「本」がフューチャーされていればなぁと。
良いところとしては、主人公の同僚の女性とマンションの管理人(?)の女性。
強さと優しさを感じる女性陣は非常に良い味を出していた。
また、所謂「敵役」達も素晴らしい。
検察官は見事なヒールっぷり。
刑事さんのサイドストーリーも良い。
余り頼りにならない警備員もリアル。
また、全体を通してあまりBGMも無く、バックに聞こえるのは大人数のザワザワ声。
この感じもすごい好きでした。
あとは不謹慎ながら、図書館でみんなで夜通し過ごす、ってちょっと楽しそうと思った(笑)
良いところも、賛同しかねるところもいっぱいあった2時間。
繰り返しになりますが、評価が分かれるのは納得と同時に、簡単に答えの出ない問題について深く考えさせられる良い作品でした!
…帽子は取らないのね。
旬のテーマ。期待が大きすぎたか?
「差別」や「貧困」をテーマに据えると「それなりの」支持は得られる昨今である。だとするならば、もっと突っ込んだ、あり得ない(けど現実的な)エピソードのひとつでも欲しいところ。エミリオ・エステベスの限界か。ラストシーン?いつか観たイギリス映画を思い出した。
絵や演技に寒さを感じないのが最大の敗因かも
悪くないんだけど、すごく良くもない。ちょっと中途半端な作品。
あの白くて大きいヤツや、シーザーは何かのメタファー?アレックのストーリーいらなくない?野心家のレポーター、館長的な人の立ち位置とか全部中途半端で惜しい。
警察の対応が原因を探ろうとせず、突入には慎重なのが嘘くさい。でも1番は外が全く寒そうに見えないこと。息もほとんど白くなく絵が寒そうに見えない上、役者の演技も全然凍えてない。で脇役はずっと外にいるし。エミリオは監督の才能はないのかも。プロデューサーならいいのかもしれない。
納得のいかない結末も実話なら文句もないんだけど。
E・エステベスらしい、地味で実直な一本
個人的に、エミリオ・エステベスには苦労人というイメージが強い。
デビューしてすぐにブラット・パックの中心人物となり、監督業にもいち早く進出するなど華々しく活動していたのに、次第に主演映画も寡作になり、監督作もインディペンデント資本が中心になったせいか、メジャーの第一線のレールからどんどん外れていってしまった。
『ボビー』も製作資金が集まらないためにほとんど身銭を切ったのに、興行的にも批評的にも振るわなかったと聞いて、つくづく運のない人だなぁと思ったもの。
本作も構想から完成までに11年を費やしたと宣伝されているが、裏を返せば、それだけ製作体制の確立(資金の調達など)に苦慮したという意味でもある。
閑話休題。
観た感想は、やっぱりエステベスらしい、地味だけど実直な映画だなということ。出演者の大半がノーギャラだったという『ボビー』同様、本作も、彼がいかに俳優仲間からの信頼が厚いことが証明されている。
アメリカの格差社会とフェイクニュースを、知識と教養の宝庫である図書館を通じて問題提起。弟チャーリー・シーンがやたらとゴシップ誌と縁が深いのに対し、兄エステベスはアメリカ文学の引用をサラリとやってのける。しかも、図書館と縁深い「怒りの葡萄」をチョイスしているあたりも生真面目さを感じる。
「図書館は民主主義の象徴」という言葉にハッとさせられた。
とにかく地味だし、奇をてらった作りではないが(否、ラストはいろいろな意味で「奇をてらっている」かも…)、だからこそじっくり腰を据えて観てみては。
ただ、サブタイトルの『図書館の奇跡』は、ちょっと違うと思う。
シニカルなジョークで笑わせ泣かせます
エミリオ・エステベスの監督作は、監督の父であるマーティン・シーンが主演の『星の旅人たち』だけ見てて、ハードな状況を温かみのあるタッチで、ベッタリさせずに優しく表現してていいなあと思ってました。この作品は社会問題を扱いつつも同じ感じで、途中幾度もシニカルに笑わせつつ、ラストまで大満足なのでした。
公共とは?を考えるとてもいい映画
アメリカの公立図書館でホームレスの立てこもり事件が起こったという物語。
アメリカ北部はかなり寒くて凍死する人が多いってのは聞いたことがある。だからホームレスが普段からたむろしてるってのも理解できる。そりゃ普段から使ってるんだから職員とホームレスも顔見知りになるよな。
本作がすごいのはホームレスの立てこもりだけでなく、図書館職員、警察の交渉人の物語もきちんと押さえているところ。
ホームレスの人たちがどれだけ苦しんでいるのかということをアピールしてるわけではないのにきちんと考えさせられた。声を上げたことの意味はあったということ。最初、パブリックというタイトルを公立図書館を舞台にしたからだと思っていたが、観終わった後は公共とはなんなのかを考えさせられる、いいタイトルだ。
涙することはなかったけど、とてもいい映画。人に勧めたくなる。
The PublicでEmilio Estevesがみせた米国の「良心」
本作を純粋なエンタテインメント作品やハートウォーミングな作品として観てしまうと、少々物足りなさを感じてしまうかもしれない。観る人それぞれが「The Public(=公共)とは何か」を考えることで、この作品が持つ優れた道徳的価値を感じることができると思う。
一般的に「公共性」とは3つの意味を持つ。
1.国や地方自治体などの公的なもの(official)
2.私的(private)に対する共通のもの(common)
3.内外に対して開かれたもの(open)
公共性に関して問題になるのは、時としてこの複数の意味がぶつかり合う場合である。
この作品においても、市の公共図書館は市民の共通空間であり、特定の人のものではなく共通の利益が侵害されてはいけないという意見。
反面、(大寒波で行き場を失った)ホームレスに対して、一個人として生存権を保障されており、彼らに対しても公共空間は開かれるべきだ、という言い分。
法のプロフェッショナルである検事や警察と、図書館に立てこもるホームレスと主人公はお互いの「正義」で対峙するが、皮肉にもお互いの大義名分は「民主主義」である(お互いの解釈は異なっているはず)。
「公共性とは何か」
「(公共)図書館の存在意義は何か」
「ホームレスは公共の場から排除されるべき存在なのか」
映画を観た後に考えさせられることが沢山出てくる。
米国のみならず日本でもリバタリアニズム(自由至上主義)の空気がひろがり、弱者が自分よりも弱い弱者を叩く風潮が強まっている。トランプ大統領が声を荒げる、米国の未来を絶望する人も多いと思う。しかし、「日本よ。米国はまだ捨てたもんじゃないよ」と米国の良心をみせてもらった気がする。
全99件中、61~80件目を表示