「【"為政者は「怒りの葡萄」を読んだ事はあるのか! "セーフティネットが破綻した民主主義国家の最後の砦、公共図書館で起きた事。】」パブリック 図書館の奇跡 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【"為政者は「怒りの葡萄」を読んだ事はあるのか! "セーフティネットが破綻した民主主義国家の最後の砦、公共図書館で起きた事。】
-図書館で、年老いた、我が国の繁栄を築いて来た方々が”公共の席でぼんやりと”過ごすお姿を、頻繁に目にするようになって、十数年が経つ・・・-
■今作品で印象的なシーン
・シンシナティの図書館員スチュアート・グッドソン(エミリオ・エルテベス:痩せてる)が、大寒波が迫る中、路上生活者達を見る悲しげな目。
そして、その理由が徐々に明らかになる過程。
・愚かしき検察官(クリスチャン・スレーター:嫌みな役が実に上手い)の市長選を意識した言動。
-底の浅い男であるなあ。
グッドソンの、彼に対する"要求"が、良い。
”図書館の玄関前で凍死した男性の寒さと無念さを身体で知れ!”-
・図書館で日々"生活"するリーダー格の黒人男性のセリフ。
"俺達は退役軍人だ。国に尽くして来た。その結果が、これか!"
-日本は、どうだろうか・・・ー
・ビル刑事が、路上生活者にある想いを持つ理由が、分かるシーン。
・テレビリポーターの女性が、グッドソンのメッセージの意味が分からず、彼を立て籠り犯だと誤ったリポートをした時、彼の部下の女性マーラが投げ付けたセリフ"お天気リポートも無理だね!"
・グッドソン達が、図書館に立て籠った時の姿。又、彼をかつて助けて、図書館員として採用し、普通の生活者に戻した上司の行動も、沁みる。
-皆が、食事を受け取る時、"ある1名"を除いて整然と並んでいる。彼らは暴徒ではない・・。その1名の父親は・・。
”オピオイド中毒なんて、息子を甘やかし過ぎたんじゃないの?アレック・ボールドウィンじゃなかったビル刑事!”-
・路上生活者達を凍死させない為にグッドソンが、ある決断をするシーン。
〈言葉無き、武器無き、彼らの、全てを脱ぎ捨てた抗議の姿。高らかに歌う姿。
胸が熱くなってしまった。
民主主義最後の砦で、働く人々の気概を感じた作品。
"グッドソン、あの聡明な彼女と早く、幸せな生活を!"〉
<2020年8月10日 伏見ミリオン座にて鑑賞>
前の法務大臣、なかなか、ですよね。お二階さんもなかなか。他山の石って、ねえ。3月18日過ぎると補選しなくていいから、これを見計らって、辞職させたって見方が多いみたいですね。なかなか。
NOBUさん
こんにちは!
国家分断や弱者切り捨ての風潮が強調されがちな米国ですが、こういう映画を提示してくるところをみると、まだ日本よりも健全な議論ができている気がします。