耳をすませばのレビュー・感想・評価
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アニメ版とは違った要素であらたな『耳をすませば』像を打ち出した一作。
『耳をすませば』と言えば「カントリーロード」を連想するなど、明らかにジブリ版のアニメに影響されている身としては、「翼をください」が物語の鍵となっていることが最初はちょっと意外だったんだけど、実写版だと確かにこちらの曲もしっくり。企画段階では、本作でも楽曲として「カントリーロード」を使うことは検討されていたんだけど、アニメ版とは異なった物語にしたい、という意向によって同曲に変更となったとのこと。確かに1980年代の中学生が親しんでいる楽曲として考えれば、妥当な選曲かも。
他にもアニメ版では主人公のひとり、聖司の弾く楽器がヴァイオリンだったところ、本作ではチェロに変更になっているなど、本作は、アニメ版『耳をすませば』の実写版ではなく、原作漫画を下敷きにして、大人になった雫と聖司の描写も含めた、半オリジナル作品という位置づけになっています。
聖司を演じる松坂桃李はいつも通りの演技巧者ぶりで魅せてくれますが、今回はチェロを弾きこなす姿で驚かせてくれます。ヴァイオリンの演奏は『マエストロ!』(2015)で経験済みとのことだけど、チェロは未経験、しかもヴァイオリンからチェロへの変更は撮影開始1ヶ月前に決まったとのこと。それから猛練習してここまで堂々とした演技に昇華させてしまう彼の努力と才能には驚かされました。
作中の現代パートにあたる1990年代の仕事観は、今の感覚だと昭和を引きずった懐古的描写として観ることもできるんだけど、令和の時代にも残存している要素も多く、雫の境遇に妙な生々しさがあるのでした…。
懐かしい。
アニメから飛び出した感のある演技
「カントリーロード」じゃないんだ
もやっと
清々しい純愛をほのぼのと描いた秀作
アンサー映画としても良し
良いところが何もない。
こんな雫と聖司の「その後」が見たかった?
ジブリアニメの「耳をすませば」は大好きな作品である。あの年頃の気持ちの揺れ動きが、美しい映像と楽しい音楽で描かれている。聖司と雫がそれぞれの夢を自覚して人生のスタートラインに立つという所で終わっている。作品としては完結しているし、あえてその後を見たいとは思わない。たいてい、夢は夢のままで終わるし、初恋ははかない思い出になる。しかしアニメの世界観をまた味わいたいという期待から映画を見た。
「その後」については、二人の将来の姿や関係性について描き方はいくつも考えられる。この作品はアニメの世界観を大切に、かなり納得できる「その後」を描いている。現実の厳しさは当然であるが、それに負けずに夢を追い続け、10年も遠距離でお互いを思いあっている。まさにアニメの世界がそのまま継続していると感じさせる。中学生の二人と大人になった二人が一緒に「翼をください」を歌う姿はこの映画のテーマをそのまま表しているように感じてとても良かった。お互いに「大丈夫、夢をあきらめないで」と言っているようである。結論を言えば、続編をあえて作る必要はないが、月島雫と天沢聖司のこんなその後の姿が見たいというスタッフの思いが詰まった作品である。
主人公のキャラ、大嫌いだった。
ジブリのアニメは観てなかったけど、関係ないよね。中学生の時、出会った2人がそれぞれの夢を叶える努力をしながら、恋と仕事を達成する話。ざっくり言うとそうなんだけどね。
主人公の雫は小説家を目指しながら編集者をやっているんだけどダメすぎる。だって自分の意思を担当作家に伝える事ができないんだもん。作家は担当者の感想を聴きたいのに、教科書的な返事しかしない。自分の意思を隠してるのがバレバレだ。そもそもこんな奴に小説なんて書けるわけがない。パワハラっぽい編集長が怒鳴ってたけど、自分的にはずっと彼は正しいと思ってた。そして、彼に会いにわざわざイタリアまで行ったのに、ライバルが登場しただけで、別れて帰国する。はぁ〜っ!?
アホかっ!って叫んで席を立ちたくなるくらい不快だった。そしてラストはこうなるんかい!
ふざけんな!アニメだったら許せたかもしれないけど、子役の声量もありすぎて、性格と一致してしなかった。とても残念でした。
恋をしていた若い頃を思い出した。
ジブリ映画の実写版での続きということであまり期待はしていなかったのですが、若かれし頃を思い出しながら楽しめました。
カメラワークもよく、時代が行き来するけど全然違和感もありませんでした。
10年も遠距離恋愛を続けられる雫の純粋なところに惹かれました。
高校生の時、私も海外に行った彼女と遠距離を7年続けてましたが、年に1回会えるかどうか・・当時はラインとかもなく、エアーメールでのやりとり!
こっちから送って届くのに1週間、返事が返ってくるのに1週間で、当時は何を書いたか忘れてしまうのでコンビニでコピーしてやりとりしてました。
結局やっと日本に帰ってきたと思ったら、そこで破局!
雫のようにはいきませんでした。
当時のことを思い出しながら映画の世界に入り込んでました。
清野さんは、決して好みではないのですが、映画やドラマの役柄にいつも吸い込まれて好きになってしまいます。
今回も良かった!
それにしても、聖司はなんか冷たいな〜
10年もほぼほったらかしにしておいて、イタリアで久しぶりに再会したのに、何あの態度!せめて抱きしめろよ!
と思ってる私も1度海外に会いに行った時、嬉しすぎて固まってましたが!
あ〜もう一度あのピュアだった頃に戻って純愛した〜い!
ということで、ピュアなころに戻れた映画でした。
大人になって捻くれてしまった人や、日々仕事に疲れている人は、ぜひ見てください。
最後に、バロンがいつか動くのではないかと期待してたのですが、残念でした。
全体的に映像が残念。
原作ファンもジブリファンも納得?
可もなく不可もなく…
スタジオジブリでも映画化された不朽の名作漫画の続編を実写化、というどこから手を付けてよいのかわからない宣伝文句にめまいを覚える本作。ジブリの続編を描くくせに漫画を原作として取り上げのではと不安だったが逆だった。あくまで原作をベースとした続編を作り、ジブリしか知らない大多数の人間に向けてジブリ要素を入れざるを得なかった。というのが実情だろう。
だからカントリーロードから翼をくださいに、バイオリン職人からチェロ奏者にそれぞれ変更がされている。これらは原作にはない、ジブリのオリジナル要素だからだ。そのまま借りるのはよろしくないが、削ると混乱する。また、原作ではあったがジブリでは削られた聖司のファンタジー好きも見られたので、原作をベースにしていることは間違いない。
しかし原作で聖司は留学しない。ゆえにこの続編の存在自体がジブリを前提としている。つまり、ジブリ版をベースに着想したのに本筋のベースには原作を使ったというねじれた状態になっているのだ。
と、いうのは柊あおいファンとして思ったことで、映画自体は悪くはなかった。が、良かったわけでもない。タイトルの通り、宣伝文句の割にはひどいこともなく、可もなく不可もなく…。
しいて特徴を挙げるなら、前半は主人公の雫の周りに嫌な奴を配置しすぎ。しかも雫の精神的な成長になんらかかわりがなかったし。後半は雫の晴れた心持に現実を連動させすぎ。聖司に会ってすっきりした程度で人生のすべてが解決したかのように見えて、あまりにも説得力が…。
まさに中の中といった作品。意味の分からない宣伝文句からすれば及第点といったところか。
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