耳をすませばのレビュー・感想・評価
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浅くて薄い
ジブリ作品は子供と映画館で観たがひどくつまらなかった。
大人の観賞には堪えられないと感じ、以来ジブリ作品とも距離を置くようになった。
特にネコ関係には。
だから、本作も映画館で観る気は全くなかったのだが、正解だった。
本作もまた大人の観賞には堪えられない。
とにかくヒロインに関わるすべてが浅くて薄い。
中学生時代との対比を描いているのだろうが、対比になっていない。
全く成長の跡が見られないどころか、むしろ後退している。
大人の恋愛模様も全く描けておらず、おままごと。
演じているのが大人なだけの子供向けムービー。
私の心はカラカラに渇いていて染みこみやすくなっているのに、
1滴も1ミリも染みるものがなかった。
若手有望俳優たちの無駄遣い。
夢を追う辛さや美しさが瑞々しく描かれています。 雫の中学生を演じた...
夢を追う辛さや美しさが瑞々しく描かれています。
雫の中学生を演じた安原琉那が生き生きしていたのが印象的でした。
清野菜々の存在感は圧巻でした。
凄く良かったです。
雫の落ちる音は必要か?!
特に前情報なく見始めてしまいジブリ作品の中では、凄く好きな作品だから、実写版あるんだ!って驚いて、見てしまいました。それで見てみたら続編的な未来の物語だったという…思いもよらなかった笑
高校生の時の話から少し大人になった2人。
そして、設定が微妙に微妙に違っていて、観ながら、ハテナ???となってしまう部分が幾つかあって驚きましたが、まぁこれはこれでね。と思える映画です。
ネタバレで申し訳ないけど、
せいじくんが、きちんと最後プロポーズするところは、私としては正しいエンディングだと思いました。
原作マンガからのジブリアニメ、そしてその先の物語としての実写だけど設定が微妙に違っていてもキャラに関しては、せいじくんの一貫したキャラが通っていて良かったです。
ただ、曲はカントリーロードのままがよかったな。それだけ。
10年経ってまた耳をすませたら…
スタジオジブリでアニメ映画化もされた柊あおいの同名コミック。
原作漫画は読んだ事無いが、ジブリの映画は何度見た事か。
初めて見た時ちょうど私も彼らと同じくらいで、本当に青春の甘酸っぱさを感じた。
あれから30年近い歳月が流れたけど、二人の“その後”が描かれる。
やはり、気にならない訳がない!
実写で映画化。
ここで勘違いして欲しくないのは、ジブリ映画の実写化ではなく、あくまで原作コミックの10年後をオリジナル・ストーリーとして実写化。
だから、ジブリ映画の実写化とか、ジブリ映画とは違うとか言うのは甚だ見当違い。
やはり比較されて酷評の嵐だった『魔女の宅急便』の“原作小説の実写版”然り。あれはあれ、これはこれ、全くの別物である。
とは言え、どうしてもジブリ映画と比較してしまう。
作り手側もそれは承知のようで、ジブリ映画で描かれた中学時代を“あの頃”とし、実写で再現。
過去パートはジブリ映画で見ていた事もあって、すんなり懐かしく。
結構細かな所まで再現されていたが、設定が変わっていた点も。団地住まいが一軒家になり、二人の出会いが雫が書いた『カントリー・ロード』の詩ではなく図書室で借りた本に。調べてみたら、これは原作コミック通りの設定らしい。なら、いいか。
でも気になったのは、聖司ってバイオリン職人になる為にイタリアに修行しに行ったのに、何故かチェリストに。最も、原作では画家らしいが…。
ちょっと話反れるが…
ジブリ映画版は同社屈指の名作であり、アニメ/実写問わず青春ラブストーリーの傑作だと思う。
夢を追う事。悩みながらもそれに向かって進んでいく。青春の甘酸っぱい恋と絡めて。
ラストシーンのプロポーズなんて冷静に見れば突っ込まずにはいられないが、それさえも含めて。
それもこれも最初で最後の監督作となった亡き近藤喜文の手腕が大きいだろう。
よく思う。もし、今もご存命だったら…。ジブリの未来は違っていたかもしれない。
ジブリ映画版のレビューは書いていないので、この場を借りて超簡易レビューさせて頂き、本作の話に戻ります…。
本作のメインは“10年後”の二人。
雫は児童書の編集者として働くと同時に、今も物語を書き続けている。
が、落選してばかり。編集者としても担当を降ろされ…。
一方の聖司はイタリアで楽団を組み、一見自分の夢に向かって順風満帆だが…。
清野菜名と松坂桃李が好演。
“地球屋”の内装や今にも動き出しそうなネコの男爵人形“バロン”の再現も見事。
イタリア・ロケかと思いきや、和歌山県にあるヨーロッパをイメージしたテーマパークで撮影したらしい。驚くほど美しいイタリア気分に浸れる。(行ってみたい…)
現在と過去を交錯させて、昔も今も夢を追う雫と聖司の姿、二人の恋を瑞々しく。
『耳をすませば』は見る我々と一緒に物語を紡いでいく…。
…のだが、
可もなく不可もなく。正直言えば、ちょっと期待し過ぎたか。
まず、過去パート。こちらは話はいいのだが、中学時代を演じた二人の演技がちと拙い…。
初々しくはあるが、ジブリ映画のような胸キュンとまではいかなかった。
現代パート。こちらは主演二人の演技はさすが安定なのだが、如何せん話が…。
良くも悪くもベタでありふれている。
仕事もプライベートも恋も、夢と現実の狭間で悩み続ける雫。等身大であるが、よくある設定。
支えになったり、叱咤激励する周りの面々も。ステレオタイプなパワハラ的な上司も。
10年の間に成長し、夢に近付いていると思いきや、昔と変わりナシ。時が止まっているように感じた。
夢や人生に行き詰まった雫はイタリアの聖司に会いに行く。
昔も今も自分の先を行く聖司。私は何をやっているんだろう…。
それでも再会を喜ぶが、それも束の間。聖司は楽団の現地女性から好意を寄せられていて…。
帰国し、別れてきたという雫。何か吹っ切れたように、再び仕事に向き合う。もう一度、物語を書き始める。
音楽の技術を求める余り、音楽の楽しさを忘れていた聖司。久々の雫との合唱で音楽の楽しさを思い出す。
雫を追って、聖司も日本へ。あのラストシーンの準備は整った。
雫も聖司も再び自分の夢と向き合い、10年の遠距離恋愛の行方も…と、一見ハッピーエンド。
でも、何と言うか…、これが私たちの見たかった『耳をすませば』のその後なのだろうか…?
10年経って成長していたのではなく、遠回りして、あの再現したラストシーンも含め、結局やってる事は同じ。
私たちは新たな『耳をすませば』とその先を見たかったのに…。
TVドラマでは代表作があり、映画でも『ツナグ』は悪くなかったが、それ以外は…。平川雄一朗監督の特色の無い“ベタ”な部分が出てしまった。
『耳をすませば』と言えば、歌もキー要素。
しかしそれが『カントリー・ロード』ではなく、『翼をください』になっているのも、アレ…?
勿論『翼をください』は名曲だし、雫や聖司の心情にもリンクしているし、大人の事情もあるのだろうけど、やっぱり『カントリー・ロード』を聞きたかったのが本音。
劇中何度も使用される『翼をください』。雫と聖司の再会合唱、聖司のチェロ演奏はいいにせよ、ED主題歌までとはちと食傷気味…。
もう一度。これが本当に私たちが愛し、見たかった『耳をすませば』のその後なのか…?
今回は耳をすませても、あの頃のように心に響く歌や物語は無かった。
“その後”とか見てみたい作品って確かにあるよね。
でもそういうのって、やって良かったのもあれば、やらないで理想のままでいいのも。
私は怪獣映画が好きで、『ゴジラ対ガメラ』は永遠の夢なのだが、だから実現して欲しいような、欲しくないような…。
『耳をすませば』の“その後”もこのタイプだったかもしれない…。
ジプリオタがこの映画を観て
はい。良く私のやんちゃレビューを覗きに来て頂きました。
私は「となりのトトロ」以来の生粋のジプリマニアです。いやマニアまでは行ってないな、ジプリミュージアムはまだ行ってない。なんかね事前予約って苦手なんですよ。朝起きたら体調が最悪だったらとか、天気が嵐だったらとか etc……
ふらりと風の吹くまま気の向くまま・・・
そうだ京都に行こう。みたいなね。そんなのが好き。京都は完全ノープラン、完全手ぶら それでも楽しめちゃう京都って凄いな。京都出身の人と話すと微妙。私がマニアック過ぎてついていけないよって感じだよ。
敬愛する渋谷育ちの松本隆が今は京都在住。うん。わかる。わかりみが深い。おっと!京都の話は関係ないですね。ごめんなさい。
と、言いながら「となりのトトロ」の話しなんですが、イギリスで舞台化されました。名門 ロイヤル シェイクスピア カンパニーで。
これがね、空前絶後の人気です。チケットの販売数が、ベネディクト・カンバーバッチのハムレットを超えているらしいです。極端な話し秒で完売。評判も良くてね。
イギリスだったら割と無国籍風の「天空の城 ラピュタ」か「魔女の宅急便」かと・・・
思い切りジャパネスクのトトロ!
嗚呼・・・伝わるんだな。家族愛は万国共通。あとエコロジーとか、神道とか、アニミズムとか
イギリス人は素晴らしいね。いやね前からイギリスは大好きだったんですよ。やる時はやるね!
お前、この間イギリスの悪口を言ってただろうが‼️
失礼しました。耳をすませばの話しです。
この映画はジプリのアニメ映画から、時系列を10年進めた実写映画です。15歳から25歳までの純愛を描いています。
誰ですか?そんな事はありえないって人は?
いや、いいんです。ジプリベースです。ファンタジーです。ジブリの基本的なフォーマットは次の二点。
①悪人はいない
②セクシーな場面はない
よく考えて下さい。悪人がいないって凄い。あと寅さんくらいじゃないですか? 本作はやや悪人ぼい人は二人います。ややですよ。
まず雫の上司、堀内部長(音尾琢真) ヘビースモーカーでね、すぐ怒鳴る。今時はヘビースモーカーは悪役のディフォルトだからね。
でも最終的にはいい奴。
あとはイタリア娘のサラ。聖司くんの部屋に雫が行って、これからっていう時に登場。呼ばれてないのにジャジャ ジャジャーン。
まあ普通だったら邪魔者なんですよ。普通だったら。でもねジブリベースだったらグッドジョブ。セクシーなシーンはいらないんですよ。
あとね、みんな良かったんですけど、特に良かったのが、雫の少女時代を演じた、安原瑠那ちゃん。喜怒哀楽のはっきりしたジプリの少女。アニメからそのまま抜け出たんか? ベンチに借りた本を置き忘れて、そこに聖司くん。さらりとネタバレ。
やな奴!やな奴!やな奴!
アニメそのまんまだよ。もう可愛いったらありゃしない。
エンディングも納得!うん そうこなくっちゃね!
あとね挿入歌が「カントリー ロード」から「翼をください」に変わってるんですね。怒る人の気持ちもわかるんですが・・・良かった。あの【4人】のシーン。なんか・・・泣いちゃったよ。恥ずかしい・・・
そんなこんなで楽しかった。とっても。
イギリス人にも魅せたいな。
お付き合い頂きありがとうございました。
PS 今度 ジブリパークにチャレンジしようと思います。チケットは争奪戦だけど・・・場所は愛知県の長久手か・・・
長久手の戦い‼️
編集の技量に脱帽
観賞後の第一印象は、編集の際立った技量です。
過去と現在の映像がアトランダムに、何の説明もコメントもなく頻繁に、そしていきなり入れ替わりますが、観客は混乱することも困惑することもなく、違和感なく自然な場面展開として受け入れられます。これは、偏に編集の腕の見事な冴えによると思います。
本作は、四半世紀前に大ヒットしたジブリのアニメ映画の原作に、主人公の中学生時代から10年後のオリジナル物語を加えて実写映画化したものですが、アニメ作品を知らなくても、随所に映像加工の工夫がなされ、十分に楽しめます。
まずナレーションやテロップはありませんが、映像だけで観客に全てを分からせるように構成されています。また寄せカットが殆どなく、主人公・月島雫の目線と視界で過去も現在も映しているため、彼女の主観描写や心象風景による映像が巡っていき、観客は自然に感情移入し没入していきます。
更に冒頭に述べましたように、過去と現在が頻繁に行き来し交錯します。拙い編集なら、観客はただ困惑し時制が混乱してしまい、気持ちがスクリーンから離れていってしまいますが、カットの割り方、シークェンスのつなぎ方が絶妙で、少しも違和感を抱きません。
全体に非常に緻密に計算してシーン立てがされている中、丘の上の街の遠景が、過去と現在それぞれに象徴的なシーンで描かれており、本作全体を通して、過去と現在をつなぐ印象的なエスタブリッシング・ショットとして効果を出していると思います。
徹底した初恋物語、ファーストラブストーリーであり、本来なら燃え上がるような熱情に心ときめくものですが、月島雫と天沢聖司の10年に及ぶ、国を隔てた遠距離恋愛が、あまりにも淡泊にクールに恭しく描かれていて、観終えた後に、私は何か生乾きの薪を燻ぶられ通した感が残りました。
翼をください、、、良き
なんというか、なんというか、、、な作品だった。
正直、昔の時の雫が演技がちょい厳しいものがあった。役者がどうってよりアニメだから許された過剰な反応とか身振り手振りとか見ててヤバい。
背景も撮り方?見せ方?もなんか見づらいというか、違和感を感じてしまった。
正直前半部分の、昔と交互に見せる描写があまり要らない。過去のこともしっかり話さないし、気づいたら現代に戻るしあまり意図を感じない。
ただ、後半はそこそこに良かった。あそこでようやく過去と今後に見せる描写が生きてきて、雫の心情とリンクし歌うところは良きです!
ただ2人の恋愛模様はマジで分からん。端折ったのか、察してなのか知らんけど、無駄にライバル?出したのが訳分からんし、解決もしたのか分からないまま終わりでいい感じにまとまる。
正直、端折ってるのかストーリー構成がうーん?ってとことか、無理やり綺麗にまとめた気がしないでもないけど、歌良かったし良かったのではないでしょうか。
色々、職場とかせいじの方の話とか突っ込みたいけど、まぁ、久々の耳をすませば。お疲れ様でした。
とても良いです、意外と奥深いので2回見てほしいです。
5回見ました!、とてもいいのでお勧めします。幸せな気持ちになれます。
低学年の子供と2回、旦那と1回、一人で2回、もっと見たいですが終わりそうです。気になる方はお早めに。
映画は基本1回見るだけですが、実写「耳をすませば」は何故か見たくなりました。
最初は子供に付き合い仕方なく見ました。見た直後は低評価の人と同じ評価でした。ところが数時間過ぎたあたりからじわじわと熱い気持ちになり再度一人で鑑賞、やっぱり良い!!。旦那も楽しかったと言っていました。
ミュージカルの要素もあります(子供が翼をくださいが気に入りCD買いました)。
後半の松坂くんが多くでるところからラストまで一気に見せてくれる流れとラストに感動!。雫たちのような穏やかな愛情、相手を信頼できて尊敬できるような関係って素敵だな~と思いました。
SNSでダイレクトに繋がりやすくなった世代の人にも、ぜひ見てもらいたい映画です。
感動します!
【追記】
結局6回目見ました。
バロンも予約したし、あとはDVDの発売を待つばかり。
(バロン高いから1個だけ買ったんですけど、子供も自分の机に飾るって言っているので取り合いになりそうです。)
何が良かったのか?、改めて考えてみました。
せいじ君ってツンデレだからか?
しずくが会いにいってもハグすらしない等のレビューもあったのですが、
だからこそ、良かったんだな~と思いました。
せいじ君のイメージぴったりのツンデレ、ハグしたらイメージ違うよね。
そこで、また何がいいかというと、
とどめとしては、視線ですね。
彼女を見る目がやさしいし、熱い眼差しなんですよね。
食事したときも、しずくが翼をください歌ったときも、それ以外でも、なんだけど。
常に視線がやさしいし熱いんですよね。
しずくに視線が行ってしまう感じが最高でした。
下手なラブシーンなんて余計なんですよ。
視線だけで、すごい、くるものがあるんですよね。
恋愛って距離じゃないし、
カラダが繋がれば良いってものでも無いんですよね。
そこは、きちんと愛のある関係を作れた人じゃないと分からないかも、だけど。
愛ある恋愛したことない役者でも演じることはできるのでしょうか?
どうなんだろうね。
桃李くんの場合は、リアルでも新婚だから、演技しやすかったかもね。
とにかく良かったですよ。
自分が恋愛してた若い頃を思い出しました。
ちなみに。
私は原作の漫画をリアルタイムで読んでいますが、原作のイメージからは外れていないかと思います。(柊あおいさんの星の瞳のシルエットとか好きだった。)
ジブリアニメと違うと若干お怒りのようなレビューが多数ありますが、
実写もなかなか良い仕上がりなので先入観もたずに見ると楽しめるのかなと思います。
とても感動しました。
中学生の頃、アニメ版耳をすませばにハマり以降50回以上は見てきた者です。
雫とせいじくんの10年後は自分の中で想像する部分もあり、少し見るか迷いましたが、耳すまファンとしては絶対見なくてはという気持ちと、清野菜々さん松坂桃李さんのキャストがこれ以上なく似合っていると感じ見に行きました。
正直カントリーロードが主題歌でないことや、ストーリーが少し変わっていることには違和感を感じましたがそれ以外は完璧でした!
原作のオマージュや当時の再現などセリフまで完璧に覚えている私にとっては感動の嵐でした。杉宮という地名をすぎのみやとあっさり読めるのもファンならではかも笑 キャストさんたちの演技も完璧!話し方自体もですが、しずくー、月島ー、ゆうこーなど役の名前を呼ぶときの声がアニメと全く一緒なんです。何より松坂桃李さんの演じるせいじくんの表情、仕草、一言一言がかっこよすぎて、子どもの頃せいじくんにガチ恋した私は、今回またガチ恋。せいじくんいい男に育ったなという気持ちです笑
25歳という年もあり、子どもの頃のように物語らしくうまくいくことばかりではない、現実的な辛さもしっかり書かれておりファンタジーだけではないところもよかったです。別れたシーンなんかはこのまま物語が終わってしまうのではと自分自身の10年の恋が終わってしまったような気分になり、自分が失恋したような気持ちになりましたが、最後はさすが耳すま☺️しっかりファンタジーで終わってくれました。
できたらせいじくん視点からの物語も読んでみたい、10年後20年後も見てみたいなーと思いました。
当然分かっていたが最後の演出に感動。
【※ネタバレ、長文です】
ジブリの映画を見た時がちょうど聖司や雫と同じ中学3年で、それから原作漫画も読んでとても好きな作品。実写化でどのようになるのか楽しみにしていた。
鑑賞後の感想としては全体的にとても良かった。ラストで2人が結ばれるのは分かっていたし(それ以外あり得ないでしょう)、現実と過去をリンクさせながら進むストーリーは切り替わりも自然で、以前の作品を知らない人にも分かりやすく、また自分も昔の記憶を辿りながら楽しむことができた。
また、様々なシーンで原作オマージュも見られ、作品への愛が感じられる温かい映画だった。
いくつか(良くも悪くも)気になった点を挙げると・・
【中学生の雫が少しわざとらしい】
アニメに寄せた結果なのか、実写としては少し演技がオーバーに感じた。しかし、これは演出の問題であって、演じた役者さんは活発で可愛らしくて良かった。現実と夢の狭間で悩む大人の雫との対比で、あえてこうしたのかもしれない。
【バロンと地球屋の主人の話がリンクしない】
地球屋の主人がバロンを入手した経緯が割愛されていて、地球屋の主人の悲恋の話がなくなっている。この話があってこそ地球屋の主人に深みが出るのだし、バロンの物語としても生きてくるのだが、映画の尺やあくまで話を聖司と雫に置くために仕方がなかったのかも知れない。
【雫の物語を最初に見せる相手が聖司】
雫から見れば大人だった聖司も夢を抱き追いかけている立場は同じ。地球屋の主人に見せてこそ、雫は今の自分に足りないものは何かを知り、改めて夢を目指す決意をする重要なファクター。聖司から夢を目指して頑張れと言われるのはちょっと重みが違うと感じた。
まあ、それに代わって心の声を聞きなさいと言うシーンも出てくるし、バロンの一件もあるので仕方ないのかもしれない。いいキャラクターだが、少し影が薄くなってしまったのは残念。
今回の映画だけに関していえば、ストーリー的におかしくはないのでまあ良し。
【主題歌がなぜ翼をください!?】
ジブリ版を見た人がみんな思ったであろう謎。ここは「カントリーロード」でしょうが!・・と鑑賞前は思ったのだが、これが意外とハマっていて良かった。
特にイタリアの聖司の元へ行った雫が、チェロの演奏に合わせて歌うシーンは過去の2人とリンクしていて、当時の純粋な気持ちを蘇らせたとても良いシーンだった。・・楽曲の変更は、もしかして権利関係とかもあったのかもしれない。
【聖司の告白シーン】
ジブリ版を見た人はもれなく期待していたであろうシーン。アニメの方では中学生の聖司が「結婚してくれ」と言っていて、ややリアリティに欠けるもののインパクトがあり、あれは素晴らしいシーンだった。
今作では中学生らしいピュアな指切りで「またここで10年後に会おう」と約束させておいて、10年後の聖司にプロポーズさせる。冒頭にチラ見させておいて、最後にまた過去とリンクさせた演出、親友の結婚や、イタリアでの一悶着もあってのこの演出は正直ニクイ。雫の胸中を想像すると、思わず泣いてしまったじゃないか・・
「はい」と答える雫の表情がとても良かった。分かっちゃいたけど安心納得のエンドだった。
【エンドロール】
先に書いたように、なぜ「翼をください」なのか問題はあるが、映画を最後まで見ると感情移入していてスッと胸に染みてきた。また、杏の澄んだ美しい歌声もよかった。
さらに映像が完全にジブリ版のオマージュで、最後にほっこりした気分の中、ニヤリとしてしまった。
【設定】
なぜ1988年と1998年なのか?アニメ公開時の1995年と10年後の2005年でいいじゃないか、と思ったのだが、これはあえて年代を古くしたのだろう。
連絡手段は手紙、電話も公衆電話でテレホンカード。2000年代で携帯電話が普及していると、遠距離恋愛のもどかしさが表現できない。この2人のピュアな純愛には必要な演出だったのだろう。
・・最後に、
特に際立って良かったと言うところはないものの、安心してほっこりできる映画。期待値に十分達している。
実写化に賛否はあるようだが、私はとても楽しめたし、原作漫画やジブリ版をそのまま実写にしても、映画の演出的に面白みに欠けるのかもしれない。漫画やアニメ、映画などそれぞれの媒体にあった演出をして、結果話が多少違っても、世界観を崩さず良いものができればいいじゃないと思う。
そして、この映画はそれに成功していると思う。自分の青春時代を思い出し、気持ちの良い鑑賞後感だった。
・・オマケ。
ラストシーンで雫が書き上げた「耳をすませば」
その後どうなったかはわざわざ示す必要もないでしょうが・・・映画のパンフレットを買えば分かるようになっている、これまたニクイ演出。
小学4年生の娘まで…
「なんで「カントリーロード」じゃないの?」と言っていました。
大人の事情だと思うと濁しましたが、これはひどい。
松坂さんの役作りだけは素晴らしいと思いました。英語力もチェロも、努力されたんだろうなぁと感動しました。
が、なぜ大人と子どもをセッションさせたんでしょう。子役の子のチェロとの差があまりに激しくて、同じ画面に映しちゃ余計に目立ってしまい白けてしまいました。
久しぶりの子どもとの映画鑑賞だったのに、残念過ぎました。
ジブリは実写化しちゃダメだ!
原作の耳をすませばは見ていませんが、感想を書かせて頂きます。役者陣の台詞回しがホントジブリ過ぎて少し鼻につきました。後半にドロドロの恋愛劇場が急に始まり。昼ドラか?とツッコミたくなりました。ジブリで通すならジブリの世界観で突き通して欲しかったです。
総評すると、原作見てない人でも見れます。割と見れます。ただ、ジブリの雰囲気を楽しみたい方は原作で留めておくのがいいと思われます。
原作ファンにとって、最低の実写版です。
耳をすませばの実写版って名乗らないでほしいです。
カントリーロードが流れない。
流せないなら、「耳をすませば」とタイトル付けないでください。
原作ファンにとっては大切な歌が流れない。
「翼をください」が流れて、はい?って興ざめ。
それに増して、歌が下手くそ過ぎ。
まだ歌が上手いならまだしも。本当にひどい。
子役の演技も棒読み、清野菜名さんの演技も歌も下手くそ。
松坂桃李さんの演技は自然で良かったです。
本音を言えば、原作の声優を演じた高橋一生さんじゃないのは何故?という気持ちは少なからずあります。
原作ファンを馬鹿にしてるとしか思えない作品で、とても残念です。
到底オススメできる作品ではないです。
『翼をください』のオンパレード
『耳をすませば』のジブリアニメ版がとても良かったので、実写版には期待していた。
アニメの実写版の場合、普通は、登場人物の話し方はアニメトーンではない。ところが本作は、アニメ的な大袈裟な話し方を、実写でもそのままに適用している。そこが一番違和感があって、期待外れだった。
おそらく狙っている年齢層が、10代から20台前半の女の子で、彼女たちの趣向に合わせているのかもしれない。実際今日の観客も、ほぼその年齢層が大半だったような気がする。案外松坂桃李だけが目当てなのかもしれないが。
逆に、松坂桃李をはじめ男性陣が、アニメ的ではない普通の話し方だったのが印象的だった。特に今だったらとっくのとうにパワハラで訴えられている、主人公の女の子の上司には思わず失笑した。
主題歌が、アニメ版の『カントリー・ロード』でなく、なぜ『翼をください』になったのだろうか。
そこは置いといても、『翼をください』のチェロとヴォーカルのアレンジバージョンは結構聴かせるし、ラストの杏のバージョンや、イタリアの街角でのセッションバージョンも悪くない。内容はさておき、『翼をください』の多様なバージョンを聴けたことは、十分価値ありと感じた。
アニメも好きだけど実写の方が好きだな
2022年映画館鑑賞61作品目
11月7日(月)イオンシネマ新利府
ハッピーマンデー1100円
原作未読
監督と脚本は『陰日向に咲く』『僕だけがいない街』『約束のネバーランド』の平川雄一朗
95年公開のジブリアニメ『耳をすませば』の実写化兼続編
アニメ『耳をすませば』の名場面の数々を余すことなく実写で再現
少なくとも監督は自分よりずっとアニメ『耳をすませば』が好きなのは間違いない
アニメ版の実写化とアニメで描かれた時代からの十年後
過去と現在が何度も何度も交差する
雫が作家を諦めず編集者として出版社で働いているのはわかるが聖司はヴァイオリンではなくチェロ奏者になっている
原作はそもそも画家だしまあその程度の改変は良かろう
清野菜名や松坂桃李らは十年後なのでいろいろと言い訳できるが中学時代を演じた子役の皆さんは大変なプレッシャーだったはずだ
リアルタイムで観た親から名作だと重ね重ね言われ大いに期待されただろう
特に中学時代の雫役の安原琉那は相当な重圧がかかっていたことは間違いなく彼女の熱演に泣けてくる
それなのにボロクソ叩くなんて僕にはできない
松坂桃李の演技を高く評価するわりに共演女優を貶めるレビュアーを何度か見かけることがあるがもしかして嫁の仕業じゃないかと勘繰りたくなる
今回は杉村の下の名前がわかった
なぜかアニメではメインキャラなのに下の名前がなかった
『タッチ』の達也ではなく藤竜也の竜也
きっと名付け親は『愛のコリーダ』を観たんだろう
『タッチ』のタッチはバトンタッチのタッチだが『愛のコリーダ』のバトンタッチは意味深
アニメでは『カントリーロード』だが実写ではなぜか『翼をください』に変更されている
その事情はよくわからない
元の歌の歌詞の内容とかなり違うので元を作詞した外国人からクレームが来たのかも
宮﨑駿主導で超訳されたジブリ版カントリーロードは『耳すま』ファンのあいだでは概ね好評だがアニメ『耳すま』の監督は猛反対したという
『愛の讃歌』も越路吹雪とエディット・ピアフとではだいぶ違うが言葉の表現がソフトになっただけで方向性はほぼ同じだがジブリ版『カントリーロード』はまるで違う
好きか嫌いかと問われたらジブリ版カントリーロードは嫌いだ
ならば『翼をください』はどうかといえばこれもまた嫌い
翼をくださいってツバサ大僧正に頼めばデストロンの怪人として翼をつけてもらえるかもしれないが現実的に無理な話である
悲しみのない自由な空に行きたいというので『およげ!たいやきくん』のお空バージョンか
たいやきくんはユーモラスだが翼をくださいにはそれがない
自由なんてもらえるものではない
名画『民衆を導く自由』を見てもわかるように戦い勝ち取るものだ
だから嫌いだ
イタリアで聖司から自分の部屋に誘われ同意する雫
松坂桃李の『娼年』や清野菜名の『TOKYO TRIBE』を思い出し一人ワクワクしたが白人助成が邪魔に入る好リリーフ
りぼん原作で濡れ場なんてあるわけがない
あの岡田あーみんだって男女のドロドロとしたものは描かなかった
それでも『お父さんは心配性』でお父さんがワニに下半身を食べられ半ば両足が消化されドロドロになっていたけど
エンドクレジットで『翼をください』を歌うのは杏
杏が本当に欲しいのは翼じゃなくて養育費だろうがまあいいだろう
出版社で働く月島雫に清野菜名
イタリアでプロのチェロ奏者をしている天沢聖司に松坂桃李
雫の幼馴染で夕子と結婚することになる杉村竜也に山田裕貴
雫の親友で竜也と結婚することになる原田夕子に内田理央
月島雫(中学生)に安原琉那
天沢聖司(中学生)に 中川翼
杉村竜也(中学生)に荒木飛羽
原田夕子(中学生)に住友沙来
保健室の高坂先生に宮下かなこ
雫が勤務する出版社の部長に音尾琢真
雫の勤務先の先輩に松本まりか
雫の勤務先の後輩に中田圭祐
雫の父・月島靖也に小林隆
雫の母・月島朝子に森口瑤子
雫が担当している作家の園村真琴に田中圭
雑貨店地球屋の店主・西司朗に近藤正臣
あと作家役を演じた田中圭のファッションセンスが酷過ぎた
田中圭がイメージする作家像はあんな感じなのか
あんな感じになる直前の志茂田景樹をイメージして役作りしたのかもしれない
アニメ版とは違った要素であらたな『耳をすませば』像を打ち出した一作。
『耳をすませば』と言えば「カントリーロード」を連想するなど、明らかにジブリ版のアニメに影響されている身としては、「翼をください」が物語の鍵となっていることが最初はちょっと意外だったんだけど、実写版だと確かにこちらの曲もしっくり。企画段階では、本作でも楽曲として「カントリーロード」を使うことは検討されていたんだけど、アニメ版とは異なった物語にしたい、という意向によって同曲に変更となったとのこと。確かに1980年代の中学生が親しんでいる楽曲として考えれば、妥当な選曲かも。
他にもアニメ版では主人公のひとり、聖司の弾く楽器がヴァイオリンだったところ、本作ではチェロに変更になっているなど、本作は、アニメ版『耳をすませば』の実写版ではなく、原作漫画を下敷きにして、大人になった雫と聖司の描写も含めた、半オリジナル作品という位置づけになっています。
聖司を演じる松坂桃李はいつも通りの演技巧者ぶりで魅せてくれますが、今回はチェロを弾きこなす姿で驚かせてくれます。ヴァイオリンの演奏は『マエストロ!』(2015)で経験済みとのことだけど、チェロは未経験、しかもヴァイオリンからチェロへの変更は撮影開始1ヶ月前に決まったとのこと。それから猛練習してここまで堂々とした演技に昇華させてしまう彼の努力と才能には驚かされました。
作中の現代パートにあたる1990年代の仕事観は、今の感覚だと昭和を引きずった懐古的描写として観ることもできるんだけど、令和の時代にも残存している要素も多く、雫の境遇に妙な生々しさがあるのでした…。
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