「観た後に、また、すぐ観たくなる。」さんかく窓の外側は夜 咲希さんの映画レビュー(感想・評価)
観た後に、また、すぐ観たくなる。
岡田将生さんのファンでこの映画を見ました
見てゆくうちにこの世界にどんどん引き込まれました。
無駄のないスピード感で
次から次へと予想を上回る展開には飲み物を飲むことすら忘れました。
番宣で色々カットされていたという話があったが、やむ無くと監督さんが言った意味がよくわかりました。
私は原作を読んでいないので失礼ではありますが、コメントさせて頂きます。
氷川を演じた岡田将生さんは
自分の中にない異色なものを今回は演じている。
ただ、それが美しく脆く、不気味なまでに冷淡な笑みから、心を持った微笑に変わる。
緻密に人格を作り上げなければ出来ない難しい役を演じきっていた事が素晴らしかった。
三角を演じた志尊淳さんも人として大事な部分を唯一持っている。
そこに触れる事で三人が、さんかくだった心の鋭角に尖っていた部分が削れ丸みを帯びていくのを感じました。
エリカを演じた平手友梨奈さんは、眼で全てを演じていたのは凄かった。
前半と後半での眼力に注目してもらいたいです。
半澤を演じた滝藤賢一さんはキーマンでしたね。
彼がいたから、ただの不思議な世界ではなく現実との繋がりをすんなりと受け入れられました。
見終わった後に、すぐにまた観たいと思ったのは、随所にちりばめられたこだわりを拾い集めて見てみたい、一度だけでは、物足りないと思ったから。
映画館ではエンドロールが流れると席を立つ人をよく見かけるが、今回は幕が閉じ、館内が明るくなるまで余韻に浸るように席を立つ者がひとりもいませんでした。
キャストや作品に携わった方々の熱量を凄く感じた作品で、単なる心霊オカルトではなく、もっとメッセージ性のある内容です。
コロナで人との関わりが対面では少なくなり、SNSや文字という言葉が多くなり、それらが言霊に変わる。
本当に怖いのは見えてはいけないアルモノではなくて、人間誰もが持つ中に有るモノなのだということなのかな。
本当ならば残酷に見える描写すら、あの世界観の中では美しいとさえ思え、日本映画にはあまり感じたことのないぬるりとしたグロテスクがとても良かったです。
監督さんのこだわりを随所に感じました。
是非、続編をお願いしたいです。