「常人では認識できない世界」さんかく窓の外側は夜 フリントさんの映画レビュー(感想・評価)
常人では認識できない世界
呪ったり呪われたりする話
それなりにホラー映画やオカルト映画は見てきたつもりでしたが、今作には驚かされた。
作品に説得力がない、説明がない、納得ができない。
本当に怖いのは人間
幽霊が見える男と幽霊を祓える男、呪いをかけれる女、霊を信じない男などが出てくる。
個人的に違和感があったのは滝藤さん演じる「霊を信じない男」
滝藤さんの演技に不満はないがキャラクターの「信じない」という能力がよくわからなかった。
知らないものや見えないものは認識できない。当たり前の事だが、この男は事件解決を岡田将生に相談するくらいなのだから、
霊や呪いの存在を認識しているのでは?認識はしても「信じない」と判断するのかもしれないが、それなら嫁が倒れたなら真っ先に病院に行かないと。
滝藤さんが呪われない理由がいまいち納得できなかった。
割りと主要な登場人物が平気で人を呪い殺す。呪いは払えないが自家中毒?は治せる。
貯金箱を開けたことによる周囲の事件に無頓着。
主人公達の行動でどこかで誰かが不幸になっているのは確実なのだが、身内しか心配しない行動。
殺人を立証できないから罪には問えないけど人が死んだことは事実だし罪が消えたわけではないと思うのだが・・・
感情移入できるキャラクターが一人も出てこない上に設定が納得できないので自分の理解力が低下してしまったのか、不安になる映画でした。
序盤の死体シーンの後の焼肉とか主人公が母親と会話しつつ「お茶お茶」って言ってからの事務所でお茶を出すシーンなどはいい繋ぎ方だなと思いました。
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劇中セリフより
「あんたは少し目がいいだけ」
当人たちが右往左往している世界でも、他人から見ればささいな問題にすぎない。
認識できないものは見えないし感じられないのだから。