劇場公開日 2020年11月20日

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「半人前の主人公が出したラストに心震える、父になったらまた観てみたい」泣く子はいねぇが かわちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5半人前の主人公が出したラストに心震える、父になったらまた観てみたい

2020年11月29日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

父になったらまた、見方は変わるのだろうか。まだまだ半人前の私には、共感ばかり覚えてしまった。それでも、ラストに心を震わせているのは、紛れもない興奮なのかもしれない。
たすくは、なまはげの行事の席で失態を犯し、逃げるように都会で暮らした。何もないことを自覚しながらも、不器用なりに過去と未来に向き合うことを決めて動き出すが…。仲野太賀が魅せる哀愁と、未熟さを感じさせる挙動の数々。口数は多くないものの、垣間見える"半人前"な姿に、他人事ではないような気がしてならない。私もはたちで、「子供が生まれたら父になれる」なんて浅はかな幻想を持っていた。しかし、なれるはずはない。環境がいくら変わろうとも、自分が変わらない限り、無意味なのだ。男鹿に流れる優しい時の流れと自然、その過程で移ろうたすくの心に、じんじんと心が暖まってゆく。
仮面を被らないと父になれないひとりの男の、不器用で暖かいドラマ。父になったら観てみたい。たすくの姿を再び観たとき、私にはどう映るのだろうか。

たいよーさん。