「SFとして見るか、アクションとしてみるかで変わる評価」トゥモロー・ウォー おさけさんの映画レビュー(感想・評価)
SFとして見るか、アクションとしてみるかで変わる評価
この映画の評価としては題名の通りだ。SFとしては最悪寄りの微妙、アクションはまぁまぁだ。悪い点から上げていこう。
まず第一として、何故絶望的な未来がわかっている状況で未来に何部隊も、それもあまり経験が不足している兵士を送らなきゃいないなきゃということこだ。それも、ほぼ絶望的な生還率の部隊をだ。生還率と生還した兵士から話を聞けば、現代の知性をもつ政府がこんな無謀かつ現政府に大打撃を与えるような判断するわけがない、未来に兵士を送るよりも現代で研究したほうがマシだ。できるだけ未来からくる兵士から情報を搾り取って対策をねるはずだ。もし、未来から来た兵士を未来に戻さず、過去においておけば、再び警告に訪れるかもしれない、それ続けて未来の情報を仕入れつつ対策を練るのが最も効率的だ。現政権にとっては現在の有権者こそ大事なことであって、不確定な未来のことなど取るに足らない。そんな未来を信用し、今の人間を送る?ありえない話だ。
矛盾に満ち溢れている。
これが数千年後の人間だったらまだわかる。現代人の理屈が通じない世界観だからだ。だが、映画として現実性を持たせるために、数十年程度の時間しか差が生まれていない。これは本当に説得力にかける。
第2に、絶望的な状況下で部隊を送るという決断を下すだろうかということだ。あり得ない。しかも、3度も生き残った貴重な人を死地に送る、しかもそのことが全体に知られていないっぽい演出があった、これはアホとしか言えない選択を現代のアメリカは選択している。再度いう、ありえない。
いきなり、無数の人が死ぬ、映画としては緊迫した絵が取れるだろう。だが、ありえない。もし、未来からの使者が現れるとして、現代から送らなきゃいけない兵士を危険なところに送るだろうか?過去からの兵士が、その情報を漏らしたら過去からの救援は途絶える。それは、未来からしてみれば最悪の状況だ。決してあり得ない。もし、あり得たとしても、絶対に未来に兵士を送らないだろろ。未来が絶望的なら、送られる死ぬべき運命の科学者に宇宙開発と対宇宙兵器を全力を尽くさせて開発させることのほうがメリットが上回るとおもう。
第3に、なぜ送られる過去の彼らは装備を持ってない?中途半端なんだ?急なこともあると言われていたが。それならば一層かは送れている。それならば無機物なら送れているはずだ。じゃあ、未来の技術を使いロボットもしくはドローンを無数送る作戦でいいはずだ。
まあ、いい点としていくつかあるかもしれない。1つ目は、毒でオスは殺せるという点だ。なぜ過去に知らせていない?その装備を持たずに過去から来ている部隊は無駄死にじゃないか。しかもそれを主人公にしらせている、面白い。その事を過去に連絡したらどうなる?過去は協力しないだろう。実の娘(本当の娘かは定かではない。嘘っぱちかもしれない。司令のはずなのに最前線に行ってるところから見ると嘘っぱちだろう。最終局面でやれることは全てやるという気概で、実在しない娘として必要な事項を全て覚えさせられた優秀な科学者?(遠実験自体は遠隔でやっていて、役者かもしれない))が父親が死ぬと判断しているならまあ分かるが‥。
本当に娘だとしたら本当に最悪な状況なのだろう。他に戦闘員がいるのにも関わらず、司令と言われるレベルの人が前線に出なくてはいけないほどの。こういう、想像を掻き立てる話ができる点としてはまだいいと思う。
第2にいい点としては、爆発オチにしなかったというところと、未来から持ち帰った武器でとどめを刺したという点だ。これは重要な点だ。もし爆発オチにしたら未来の娘さん(疑惑あり)の残した武器なんていらなかったという話になってしまう。通常兵器でも、倒せたんじゃないか?というより、最終局面で世論を動かすために(失敗したときに備えて)、その行動を全世界ネット配信すればいいんじゃないか?などという話はおいて置いても許されるレベルだろう。
総括すると、最近のアメリカにしてはよく頑張りましたという評価を上げたい近未来と現在を題材にしたアクション映画だと思う。だが、過去未来に関する設定が甘い、いわゆる最近のアメリカ映画だなと感じた。SFは私のような素人でも、ツッコミどころを入れられないほど設定を練らないといけない、それをSF映画は忘れてしまっているような気がする。ただ、CGを良くすればいい、ただアクションを強烈にすればいいそんな感じだ。SFというのはその設定をどれだけ練りこみ、空気観にのめりこみ、語られない背景を察せるほどの映像を表現することが重要だ。この映画は、SFとしては悪い部類だろう。近未来と現代を連携する作品では先にあげたものを、より現実味を持たせねばならない、それがないのが残念で仕方がない。でも最後にいいところを上げるとしたら、さんざん悪く言ったこの作品が、サブスクの作ったSF映画、ドラマの中では優秀な方ということだ。。