「馬鹿に出来ないネット配信作品」トゥモロー・ウォー Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
馬鹿に出来ないネット配信作品
コロナウイルス感染拡大により劇場公開出来ずにアマゾンプライムで配信された悲運な作品。これは劇場で観たかった。NETFLIX等でもオリジナル作品は製作されているが、クオリティは劇場公開作品と同等である。本作の特筆すべき点は、未来の地球でエイリアンの侵略に遭い、人類滅亡の危機的状況に陥った結果、過去の地球から援軍を連れてきて戦おうという設定だ。過去タイムトラベルをテーマに盛り込んだ作品は幾度となく描かれてきたが、逆に来てくれと言われる作品は考えてみたら無かったと思う。対エイリアンであれば特殊な訓練を受けるのが筋だと思うが、昨日までコックだった一般人が戦場へ行くのだから驚きである。死ねと言われているようなものだ。
敵は「インデペンデンス・デイ」的なハイテク異星人ではなく、動くものは皆死ね主義の化け物。重火器をたんまり装備する人類側がそこまで追い詰められる様な敵か?と思うが、数で勝負されたらそうなるのだろうか。主演は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」で主役を演じたクリス・プラット。彼は陽気なガイの役がピッタリだが、本作では優しい父親であったり、戦場の鋭い眼光の兵士だったり、とてもシリアスな役どころだ。未来で会った女軍曹が実の娘であったり、共に戦う仲間でありながらも愛娘という事で、タイムトラベルならではの葛藤も描かれている。次元を超える愛がグッと来る作品だ。大群で襲い来る敵は無敵に思える程の迫力で、手に汗握るものであるが、終盤に規模が縮小されてしまうのがやや残念。ハリウッド大作で時折こうなる気がするのだが、何なのだろうか。スカッとする事間違いなしの大作なので、是非ともしばらくして落ち着いたら期間限定でも劇場で上映して欲しい。